原支配人による公演レビュー
2022年09月28日 (水)
【原支配人による公演レビュー】
2022年8月19日(金)~21日(日) 第16回 Hakuju ギター・フェスタ 2022
原点回帰2 ~ギター・ヒーロー&ミューズ&レジェンドの饗宴~
ハクジュホール黎明期、「代々木の森サロン・コンサート・シリーズ」で荘村清志さんと福田進一さんにデュオでご出演いただいたのがご縁の始まりで、当時から有名だったヴィオラのための大イベント「ヴィオラスペース」のギター版をやろうという事になり、武満徹の没後10年にあたる2006年に「武満徹へのオマージュ」というテーマで「Hakuju ギター・フェスタ」の第1回を開催しました。2020年は開催できなかったため、今年が第16回、17年目になります。ハクジュホールは来年で開館20周年となりますが、今もなお人気のシリーズです。昨年に引き続き、ギタリストのみで「原点回帰2」と銘打って開催しました。サブタイトルは「~ギター・ヒーロー&ミューズ&レジェンドの饗宴~」です。
19日(金)第一夜はPart1が猪居亜美さんのソロ、アンコール・ゲストは朴葵姫さん。Part2 が押尾コータローさんのソロ、アンコール・ゲストは荘村清志さん、福田進一さん。
猪居さんは今年アメリカで行われたギターコンクールで第4位入賞の新進気鋭のギタリストです。今回、2015年以来のご出演となった朴さんの他にもう一人女流ギタリストをお呼びすることとなり、オファーさせて頂きました。プログラムは技術が必要なコンテンポラリーで圧倒されました。朴さんとのデュオは初めてとの事で、アンコールは2人で楽しんで演奏されていました。
押尾コータローさんは初出演。クラシックギターではなく、スチール弦のアコースティックギターを演奏なさるので、このフェスタへのオファーには驚かれたそうですが、クラシックギター界のトップ奏者である福田進一さんからのご指名は本当に嬉しかったそうです。愛に溢れる独特の奏法で、押尾さんの自作曲を含む名曲の数々を続けて演奏されました。アンコールは福田さんとのデュオによる押尾さんのオリジナル曲と、荘村清志さんが加わってのトリオによる押尾さん編曲のラヴェルの「ボレロ」でした。荘村さん、福田さんとの初めての共演という事で、アンコール曲の編曲をもっと良いものにしようと直しているうちに完成が遅れ、前日リハーサルに初めて楽譜を持ち込まれたというエピソードを披露。荘村さんが演奏前に、ある種この曲が一番ドキドキするとおっしゃっていたのが特徴的でした。
押尾さんがトークの際、こんなに音響が良い場所で弾けて嬉しいというお話を何度もしてくださったので、終演後に「褒めて頂きありがとうございました」とお話ししたら、「本当に感じた事を話しただけですから」とおしゃって頂き、最高に嬉しい気持ちになりました。
「Hakuju ギター・フェスタ」としては久々となるNHKの収録もあり、お客様も出演者も満足の最高の1日になりました。
20日(土)「旬のギタリストを聴く」は、井本響太さんのリサイタルでした。軽快な音型が特徴的なレニャーニの「ファンタジア」で華やかに始まり、詩に基づいて作曲されたというティペットの「ザ・ブルー・ギター」、ドラマティックかつ壮大なチャバリの「ソナタ 第2番」と続きました。フランスに留学されていたということで、アンコールはイベールの「フランセーズ」。トークの際はとても緊張されている様子でしたが、それを全く感じさせないほど迫力のある、堂々とした演奏でした。今後のさらなるご活躍が楽しみです。
第二夜はPart1が朴葵姫さんのソロ、アンコール・ゲストは猪居亜美さん。Part2が福田進一さんのソロ、アンコール・ゲストは荘村清志さん、朴葵姫さん、猪居亜美さん。朴さんはヴィラ=ロボスとバリオス、福田さんはチャベスとピアソラという事で、昨日から打って変わり南米のプログラムになりました。
朴さんは7年ぶりとなる「Hakuju ギター・フェスタ」ご出演で、7年前も今回も3日間チケットが完売!正にミューズです。演奏は素人が見ても技術や雰囲気が素晴らしく、すでに次世代ギター界を背負って立っていらっしゃると感じました。そして猪居亜美さんと2日連続のデュオという事で、非常に良い雰囲気でした。
福田さんのソロは集中力があまりにも高く、すぐに終わってしまったように感じました。朴さんと猪居さんの師匠でもある福田さんのトークで、中学生の頃から知っている朴さんと、乳母車に乗っている頃から知っている猪居さんと「この舞台で共演できるとは!」と嬉しそうにお話しされていたのがとても印象に残りました。アンコールはギター・カルテット。女流ギタリストが多くない中、ギター・カルテットに女性2名というのは「Hakuju ギター・フェスタ」史上初めてでした。荘村さんが、女性に挟まれる場所で弾くために3rdギターのパート(朴さんと猪居さんの間)を福田さんから5万円で買ったというギャグも飛び出し、正にフェスタと言える盛り上がりになりました。
21日(日)フィナーレはPart1が荘村清志さんのソロ、アンコール・ゲストは福田進一さん。Part2がギター・アンサンブル。
荘村さんはアコーディオン奏者のcobaさんに有名な映画音楽やポピュラー音楽の編曲をお願いし、その中から6曲演奏されました。「明日に架ける橋」や「太陽がいっぱい」、『サウンド・オブ・ミュージック』から「私のお気に入り」等の聴き慣れたメロディの編曲集で、前日の南米音楽からまた雰囲気がガラリと変わりました。1977年に出版された「ギターのための12の歌」という武満徹さんの編曲集があり、ビートルズの「イエスタデイ」や「ヘイ・ジュード」をクラシックギタリストが弾けるようになったのですが、当時武満さんが「荘村清志君は楽器を真面目に弾きすぎるから、今回のギターピースに接してポピュラー音楽に触れていけば音楽性が広がるのではないか」とおっしゃっていた事を、武満さんの没後に聞いたというお話がありました。また「Hakuju ギター・フェスタ」での委嘱を通してcobaさんという素晴らしい音楽家に出会い、今回の編曲もお願いされたとのこと、武満さんのエピソードを含めギターの歴史を感じました。
最後は荘村さん、福田さん、朴さんによるデュオとトリオ。海外の音楽祭では必ず委嘱作品の世界初演を行っているので、「Hakuju ギター・フェスタ」でも毎回委嘱をしています。今回のマキシモ・ディエゴ・プホール「アストルの宇宙」を含めこれまで16曲も世界初演を行ってきました。その中でも荘村さんと朴さんが今回再演されたファジル・サイの「リキアの王女」はかなりメジャーな作品になったとか、久石譲さんの作品は本番で演奏していても合っているのか合っていないのか分からないくらい難しかったとか、エピソードを交えながら演奏してくださいました。
「ギター・フェスタ」のようなイベントは、
1、演奏家同士の行き違い、方針のズレ
2、主催者であるホールの責任者が代わり主催公演自体を止めてしまう
3、運営しているホール、あるいは親会社の経営上の問題
このような様々な理由で頓挫する事が多いのですが、「Hakuju ギター・フェスタ」は荘村さんと福田さん両トップの仲が良く、そして後進のメンバーを思う気持ちも素晴らしく、ホールもおかげさまで無事に運営を続けられてここまで来る事が出来ました。20年前はクラシックギターといえばソロコンサートばかりだったようですが、このフェスタが起点となって、日本中でギター・カルテット等のアンサンブルコンサートがたくさん開催阿されるようになったのは事実のようです。これからも継続していけるように頑張って行きたいと考えています。来年はハクジュホール20周年の「Hakuju ギター・フェスタ」をお楽しみに!
第16回 Hakuju ギター・フェスタ 2022
原点回帰2 ~ギター・ヒーロー&ミューズ&レジェンドの饗宴~
8月19日(金)19:00開演 第一夜
Part1 猪居亜美 ソロ
[出演]
猪居亜美(ギター)
アンコール・ゲスト:朴葵姫
[プログラム]
A.ヨーク:Just How Funky Are You (GFA委嘱作品)
G.ロックバーグ:「カプリス変奏曲」より 第27回、第40回、第1番、第2番、第51番
R.シエッラ:ギター・ソナタ
<アンコール>
F.ソル:アンクラージュマン(1st 猪居/2nd 朴)
Part2 押尾コータロー ソロ
[出演]
押尾コータロー(ギター)
アンコール・ゲスト:荘村清志、福田進一
[プログラム]
坂本龍一:映画「戦場のメリークリスマス」より “Merry Christmas Mr.Lawrence”
A.カラス:映画「第三の男」より “ハリー・ライムのテーマ”
押尾コータロー:黄昏
A.ピアソラ(押尾コータロー編):リベルタンゴ
押尾コータロー:翼 ~you are the HERO~
<アンコール>
押尾コータロー:美しき人生(1st 押尾/2nd 福田)
M.ラヴェル(押尾コータロー編):ボレロ(1st 押尾/2nd 荘村/3rd 福田)
8月20日(土)16:00開演(約45分)
旬のギタリストを聴く 井本響太 リサイタル
[出演]
井本響太(ギター)
[プログラム]
L.レニャーニ:ファンタジア op.19
M.ティペット:ギターソロのためのソナタ "ザ・ブルー・ギター"
E.ロペス=チャバリ:ソナタ 第2番
<アンコール>
J.イベール:フランセーズ
8月20日(土)18:30開演 第二夜
Part1 朴葵姫 ソロ
[出演]
朴葵姫(ギター)
アンコール・ゲスト:猪居亜美
[プログラム]
H.ヴィラ=ロボス:「5つの前奏曲」より 第2番 ホ長調、第3番 イ短調
H.ヴィラ=ロボス:ショーロス 第1番
H.ヴィラ=ロボス:「12の練習曲」より 第12番 イ短調
M.A.バリオス:大聖堂
M.A.バリオス:最後のトレモロ
<アンコール>
M.d.ファリャ:粉屋の踊り、火祭りの踊り(1st 猪居/2nd 朴)
Part2 福田進一 ソロ
[出演]
福田進一(ギター)
アンコール・ゲスト:荘村清志、朴葵姫、猪居亜美
[プログラム]
C.チャベス:3つの小品
~ ピアソラ名曲線 ~
A.ピアソラ:5つの小品
A.ピアソラ(M.D.プホール編):アディオス・ノニーノ
A.ピアソラ(鈴木大介編):リベルタンゴ
<アンコール>
V.アセンシオ:組曲「内なる想い」より “セレノール”(福田)
C.マシャド:ポンテイオ、カンティガ(子守唄)、フレーボ(1st 福田/2nd 朴/3rd 荘村/4th 猪居)
8月22日(日)15:00開演 フィナーレ
Part1 荘村清志 ソロ
[出演]
荘村清志(ギター)
アンコール・ゲスト:福田進一
[プログラム]
~ coba編曲によるポップス名曲選~
武満徹(coba編):映画「他人の顔」より “ワルツ”
P.サイモン(coba編):明日に架ける橋
N.ロータ(coba編):太陽がいっぱい
R.ロジャース(coba編):ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」より “私のお気に入り”
coba:過ぎ去りし永遠の日々
N.ロータ(coba編):映画「ゴットファーザー」より “愛のテーマ”
<アンコール>
イギリス民謡(coba編):スカボロー・フェア(荘村)
L.ハーライン:星に願いを(1st 荘村/2nd 福田)
Part2 ギター・アンサンブル~委嘱新作・世界初演
[出演]
荘村清志、福田進一、朴葵姫(ギター)
[プログラム]
F.サイ:リキアの王女 (第4回 Hakuju ギター・フェスタ2009委嘱作品)(1st 朴/2nd 荘村)
A.ピアソラ(O.エストラーダ編):来たるべきもの(1st 福田/2nd 朴)
M.D.プホール:アストルの宇宙(1st 福田/2nd 荘村)(第16回 Hakuju ギター・フェスタ2022委嘱作品/世界初演)
G.ビゼー:「アルルの女」 第1組曲 より 第2曲 “メヌエット” (1st 朴/2nd 荘村/3rd 福田)
二橋潤一:「ふるさと」変奏曲 より(1st 福田/2nd 荘村/3rd 朴)
P.ベリナティ:ビー玉遊びのバイヨン(1st 荘村/2nd 朴/3rd 福田)
<アンコール>
L.リッソ:秋の風(1st 荘村/2nd 福田/3rd 朴)
#荘村清志 #福田進一 #朴葵姫 #猪居亜美
#押尾コータロー #井本響太
#HakujuHall #ハクジュホール
2022年8月19日(金)~21日(日) 第16回 Hakuju ギター・フェスタ 2022
原点回帰2 ~ギター・ヒーロー&ミューズ&レジェンドの饗宴~
ハクジュホール黎明期、「代々木の森サロン・コンサート・シリーズ」で荘村清志さんと福田進一さんにデュオでご出演いただいたのがご縁の始まりで、当時から有名だったヴィオラのための大イベント「ヴィオラスペース」のギター版をやろうという事になり、武満徹の没後10年にあたる2006年に「武満徹へのオマージュ」というテーマで「Hakuju ギター・フェスタ」の第1回を開催しました。2020年は開催できなかったため、今年が第16回、17年目になります。ハクジュホールは来年で開館20周年となりますが、今もなお人気のシリーズです。昨年に引き続き、ギタリストのみで「原点回帰2」と銘打って開催しました。サブタイトルは「~ギター・ヒーロー&ミューズ&レジェンドの饗宴~」です。
19日(金)第一夜はPart1が猪居亜美さんのソロ、アンコール・ゲストは朴葵姫さん。Part2 が押尾コータローさんのソロ、アンコール・ゲストは荘村清志さん、福田進一さん。
猪居さんは今年アメリカで行われたギターコンクールで第4位入賞の新進気鋭のギタリストです。今回、2015年以来のご出演となった朴さんの他にもう一人女流ギタリストをお呼びすることとなり、オファーさせて頂きました。プログラムは技術が必要なコンテンポラリーで圧倒されました。朴さんとのデュオは初めてとの事で、アンコールは2人で楽しんで演奏されていました。
押尾コータローさんは初出演。クラシックギターではなく、スチール弦のアコースティックギターを演奏なさるので、このフェスタへのオファーには驚かれたそうですが、クラシックギター界のトップ奏者である福田進一さんからのご指名は本当に嬉しかったそうです。愛に溢れる独特の奏法で、押尾さんの自作曲を含む名曲の数々を続けて演奏されました。アンコールは福田さんとのデュオによる押尾さんのオリジナル曲と、荘村清志さんが加わってのトリオによる押尾さん編曲のラヴェルの「ボレロ」でした。荘村さん、福田さんとの初めての共演という事で、アンコール曲の編曲をもっと良いものにしようと直しているうちに完成が遅れ、前日リハーサルに初めて楽譜を持ち込まれたというエピソードを披露。荘村さんが演奏前に、ある種この曲が一番ドキドキするとおっしゃっていたのが特徴的でした。
押尾さんがトークの際、こんなに音響が良い場所で弾けて嬉しいというお話を何度もしてくださったので、終演後に「褒めて頂きありがとうございました」とお話ししたら、「本当に感じた事を話しただけですから」とおしゃって頂き、最高に嬉しい気持ちになりました。
「Hakuju ギター・フェスタ」としては久々となるNHKの収録もあり、お客様も出演者も満足の最高の1日になりました。
20日(土)「旬のギタリストを聴く」は、井本響太さんのリサイタルでした。軽快な音型が特徴的なレニャーニの「ファンタジア」で華やかに始まり、詩に基づいて作曲されたというティペットの「ザ・ブルー・ギター」、ドラマティックかつ壮大なチャバリの「ソナタ 第2番」と続きました。フランスに留学されていたということで、アンコールはイベールの「フランセーズ」。トークの際はとても緊張されている様子でしたが、それを全く感じさせないほど迫力のある、堂々とした演奏でした。今後のさらなるご活躍が楽しみです。
第二夜はPart1が朴葵姫さんのソロ、アンコール・ゲストは猪居亜美さん。Part2が福田進一さんのソロ、アンコール・ゲストは荘村清志さん、朴葵姫さん、猪居亜美さん。朴さんはヴィラ=ロボスとバリオス、福田さんはチャベスとピアソラという事で、昨日から打って変わり南米のプログラムになりました。
朴さんは7年ぶりとなる「Hakuju ギター・フェスタ」ご出演で、7年前も今回も3日間チケットが完売!正にミューズです。演奏は素人が見ても技術や雰囲気が素晴らしく、すでに次世代ギター界を背負って立っていらっしゃると感じました。そして猪居亜美さんと2日連続のデュオという事で、非常に良い雰囲気でした。
福田さんのソロは集中力があまりにも高く、すぐに終わってしまったように感じました。朴さんと猪居さんの師匠でもある福田さんのトークで、中学生の頃から知っている朴さんと、乳母車に乗っている頃から知っている猪居さんと「この舞台で共演できるとは!」と嬉しそうにお話しされていたのがとても印象に残りました。アンコールはギター・カルテット。女流ギタリストが多くない中、ギター・カルテットに女性2名というのは「Hakuju ギター・フェスタ」史上初めてでした。荘村さんが、女性に挟まれる場所で弾くために3rdギターのパート(朴さんと猪居さんの間)を福田さんから5万円で買ったというギャグも飛び出し、正にフェスタと言える盛り上がりになりました。
21日(日)フィナーレはPart1が荘村清志さんのソロ、アンコール・ゲストは福田進一さん。Part2がギター・アンサンブル。
荘村さんはアコーディオン奏者のcobaさんに有名な映画音楽やポピュラー音楽の編曲をお願いし、その中から6曲演奏されました。「明日に架ける橋」や「太陽がいっぱい」、『サウンド・オブ・ミュージック』から「私のお気に入り」等の聴き慣れたメロディの編曲集で、前日の南米音楽からまた雰囲気がガラリと変わりました。1977年に出版された「ギターのための12の歌」という武満徹さんの編曲集があり、ビートルズの「イエスタデイ」や「ヘイ・ジュード」をクラシックギタリストが弾けるようになったのですが、当時武満さんが「荘村清志君は楽器を真面目に弾きすぎるから、今回のギターピースに接してポピュラー音楽に触れていけば音楽性が広がるのではないか」とおっしゃっていた事を、武満さんの没後に聞いたというお話がありました。また「Hakuju ギター・フェスタ」での委嘱を通してcobaさんという素晴らしい音楽家に出会い、今回の編曲もお願いされたとのこと、武満さんのエピソードを含めギターの歴史を感じました。
最後は荘村さん、福田さん、朴さんによるデュオとトリオ。海外の音楽祭では必ず委嘱作品の世界初演を行っているので、「Hakuju ギター・フェスタ」でも毎回委嘱をしています。今回のマキシモ・ディエゴ・プホール「アストルの宇宙」を含めこれまで16曲も世界初演を行ってきました。その中でも荘村さんと朴さんが今回再演されたファジル・サイの「リキアの王女」はかなりメジャーな作品になったとか、久石譲さんの作品は本番で演奏していても合っているのか合っていないのか分からないくらい難しかったとか、エピソードを交えながら演奏してくださいました。
「ギター・フェスタ」のようなイベントは、
1、演奏家同士の行き違い、方針のズレ
2、主催者であるホールの責任者が代わり主催公演自体を止めてしまう
3、運営しているホール、あるいは親会社の経営上の問題
このような様々な理由で頓挫する事が多いのですが、「Hakuju ギター・フェスタ」は荘村さんと福田さん両トップの仲が良く、そして後進のメンバーを思う気持ちも素晴らしく、ホールもおかげさまで無事に運営を続けられてここまで来る事が出来ました。20年前はクラシックギターといえばソロコンサートばかりだったようですが、このフェスタが起点となって、日本中でギター・カルテット等のアンサンブルコンサートがたくさん開催阿されるようになったのは事実のようです。これからも継続していけるように頑張って行きたいと考えています。来年はハクジュホール20周年の「Hakuju ギター・フェスタ」をお楽しみに!
第16回 Hakuju ギター・フェスタ 2022
原点回帰2 ~ギター・ヒーロー&ミューズ&レジェンドの饗宴~
8月19日(金)19:00開演 第一夜
Part1 猪居亜美 ソロ
[出演]
猪居亜美(ギター)
アンコール・ゲスト:朴葵姫
[プログラム]
A.ヨーク:Just How Funky Are You (GFA委嘱作品)
G.ロックバーグ:「カプリス変奏曲」より 第27回、第40回、第1番、第2番、第51番
R.シエッラ:ギター・ソナタ
<アンコール>
F.ソル:アンクラージュマン(1st 猪居/2nd 朴)
Part2 押尾コータロー ソロ
[出演]
押尾コータロー(ギター)
アンコール・ゲスト:荘村清志、福田進一
[プログラム]
坂本龍一:映画「戦場のメリークリスマス」より “Merry Christmas Mr.Lawrence”
A.カラス:映画「第三の男」より “ハリー・ライムのテーマ”
押尾コータロー:黄昏
A.ピアソラ(押尾コータロー編):リベルタンゴ
押尾コータロー:翼 ~you are the HERO~
<アンコール>
押尾コータロー:美しき人生(1st 押尾/2nd 福田)
M.ラヴェル(押尾コータロー編):ボレロ(1st 押尾/2nd 荘村/3rd 福田)
8月20日(土)16:00開演(約45分)
旬のギタリストを聴く 井本響太 リサイタル
[出演]
井本響太(ギター)
[プログラム]
L.レニャーニ:ファンタジア op.19
M.ティペット:ギターソロのためのソナタ "ザ・ブルー・ギター"
E.ロペス=チャバリ:ソナタ 第2番
<アンコール>
J.イベール:フランセーズ
8月20日(土)18:30開演 第二夜
Part1 朴葵姫 ソロ
[出演]
朴葵姫(ギター)
アンコール・ゲスト:猪居亜美
[プログラム]
H.ヴィラ=ロボス:「5つの前奏曲」より 第2番 ホ長調、第3番 イ短調
H.ヴィラ=ロボス:ショーロス 第1番
H.ヴィラ=ロボス:「12の練習曲」より 第12番 イ短調
M.A.バリオス:大聖堂
M.A.バリオス:最後のトレモロ
<アンコール>
M.d.ファリャ:粉屋の踊り、火祭りの踊り(1st 猪居/2nd 朴)
Part2 福田進一 ソロ
[出演]
福田進一(ギター)
アンコール・ゲスト:荘村清志、朴葵姫、猪居亜美
[プログラム]
C.チャベス:3つの小品
~ ピアソラ名曲線 ~
A.ピアソラ:5つの小品
A.ピアソラ(M.D.プホール編):アディオス・ノニーノ
A.ピアソラ(鈴木大介編):リベルタンゴ
<アンコール>
V.アセンシオ:組曲「内なる想い」より “セレノール”(福田)
C.マシャド:ポンテイオ、カンティガ(子守唄)、フレーボ(1st 福田/2nd 朴/3rd 荘村/4th 猪居)
8月22日(日)15:00開演 フィナーレ
Part1 荘村清志 ソロ
[出演]
荘村清志(ギター)
アンコール・ゲスト:福田進一
[プログラム]
~ coba編曲によるポップス名曲選~
武満徹(coba編):映画「他人の顔」より “ワルツ”
P.サイモン(coba編):明日に架ける橋
N.ロータ(coba編):太陽がいっぱい
R.ロジャース(coba編):ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」より “私のお気に入り”
coba:過ぎ去りし永遠の日々
N.ロータ(coba編):映画「ゴットファーザー」より “愛のテーマ”
<アンコール>
イギリス民謡(coba編):スカボロー・フェア(荘村)
L.ハーライン:星に願いを(1st 荘村/2nd 福田)
Part2 ギター・アンサンブル~委嘱新作・世界初演
[出演]
荘村清志、福田進一、朴葵姫(ギター)
[プログラム]
F.サイ:リキアの王女 (第4回 Hakuju ギター・フェスタ2009委嘱作品)(1st 朴/2nd 荘村)
A.ピアソラ(O.エストラーダ編):来たるべきもの(1st 福田/2nd 朴)
M.D.プホール:アストルの宇宙(1st 福田/2nd 荘村)(第16回 Hakuju ギター・フェスタ2022委嘱作品/世界初演)
G.ビゼー:「アルルの女」 第1組曲 より 第2曲 “メヌエット” (1st 朴/2nd 荘村/3rd 福田)
二橋潤一:「ふるさと」変奏曲 より(1st 福田/2nd 荘村/3rd 朴)
P.ベリナティ:ビー玉遊びのバイヨン(1st 荘村/2nd 朴/3rd 福田)
<アンコール>
L.リッソ:秋の風(1st 荘村/2nd 福田/3rd 朴)
#荘村清志 #福田進一 #朴葵姫 #猪居亜美
#押尾コータロー #井本響太
#HakujuHall #ハクジュホール