【朝日カルチャーセンター新宿教室との提携講座】

原田英代 レクチャー

楽曲とどのように向き合うか ~ロシア帝政時代のピアニストの教えから

2021年03月09日(火)
16:00Start
会場:朝日カルチャーセンター新宿教室
原田英代 レクチャー
原田英代        (c)Uwe Arens 

ロシアの巨匠ヴィクトル・メルジャーノフの愛弟子として学び、ロシア・ピアニズムを継承する数少ない日本人ピアニストである原田英代。これまでも、マスタークラスやレクチャーを通して、奏法による弦の震え方・音の響き方の違いや、ロシア文学者の亀山郁夫先生を招いてのロシア文化レクチャーなど、多角的にロシア・ピアニズムをご紹介してきました。第4回となる今回は、原田自身によるトークとともに、映像資料を駆使しながら、ロシア・ピアニズムの真髄に迫ります。
今回は、朝日カルチャーセンター新宿教室との提携講座として開催いたします。

出演

[講師] 
原田英代(ピアノ)

プログラム

■楽曲とどのように向き合うか ~ロシア帝政時代のピアニストの教えから

  1. ベートーヴェンのピアノ・ソナタにみるソナタ形式の変遷について 
    「ベートーヴェンの初期と後期の作品を比べると別人物の作品のようだ」とラフマニノフが語ったように、ベートーヴェンの作風は大きく変化していきました。彼を捉えた想念(イデー)が作品の構造を決定し、ソナタ形式はそれに合わせて形を変えていったのです。形式と精神的内容
  2. ドイツ音楽とロシア音楽の独自性 
    ドイツ音楽とロシア音楽の特徴を知るには、音楽のみならずそれぞれの国の文化を知ることは不可欠でしょう。動画を交えながらそれぞれの独自性に迫ります。
  3. チャイコフスキーとラフマニノフ 
    チャイコフスキーとラフマニノフはロシア的といえる作品を遺していますが、彼らの音楽には微妙な違いがあり、この違いこそ作品の醍醐味と言えるものです。19世紀の伝統を受け継ぐ人々の証言や動画と共に、この謎を探ります。
  4. 重量奏法について 
    今ではかなり知られるようになった「重量奏法」という言葉ですが、習得するのは至難の業です。帝政ロシア時代の伝統を受け継いだピアニストの演奏スタイルについて、実際に演奏している姿を見、音を聴きながら、お話しします。

プロフィール

原田英代(ピアノ) Hideyo Harada, piano

井口愛子、弘中孝の各氏に師事し、東京藝術大学および同大学院にて松浦豊明氏に師事。その後渡欧し、シュトゥットガルト国立音楽大学とウィーン国立音楽大学で学び、モスクワ音楽院のヴィクトール・メルジャーノフ教授の下で研鑚を積む。1984年ジュネーヴ国際コンクール最高位、91年シューベルト国際ピアノ・コンクール第1位、93年モスクワにおける第1回ラフマニノフ国際ピアノ・コンクールで旧西側参加者の中で唯一入賞を果たす。

原田英代
© Uwe Arens

主催:朝日カルチャーセンター新宿教室
協力:Hakuju Hall/株式会社 白寿生科学研究所