麗しく豊かに溢れる余韻
砂川涼子 ソプラノ ~日本のこころを歌う
座席数300席のHakuju Hallは歌曲のリサイタルにとって理想的な空間。様々な魅力溢れる歌曲をお届けする“Hakujuの歌曲”シリーズ第2回は、日伊声楽コンコルソ優勝、日本音楽コンクール第1位など数々の受賞歴を誇り、麗しい舞台姿と確固たるテクニックに裏付けられた豊かな表現力で高い評価を得ているソプラノの砂川涼子が登場。『ラ・ボエーム』 ミミや『カルメン』 ミカエラなど可憐で抒情的な役を得意としていますが、近年では運命に翻弄されながらも愛を貫くドラマティックな役柄、『椿姫』や『トスカ』の主役を演じるなど活躍の幅を広げています。数々のオペラの舞台でヒロインとして活躍してきた砂川が、今回は中田喜直の「悲しくなったときは」「霧と話した」、木下牧子の「花のかず」「なにかが、ほら」など琴線に触れる日本歌曲を選曲。文化庁新進芸術家海外留学制度研修員としてイタリア・ミラノに留学し、コレペティトゥールの研鑽を積んだ共演のピアニスト藤原藍子とともに、情感豊かなメロディーと日本語の持つ清らかで美しい響き溢れる歌曲の数々をお楽しみいただきます。
出演
砂川涼子(ソプラノ) 藤原藍子(ピアノ)
プログラム
木下牧子(詞:岸田衿子):「花のかず」より
Makiko Kinoshita (words by Eriko Kishida) : from ‘Counting Flowers’
“花のかず” “Counting flowers”
“夢のなかの空” “The sky in a dream”
“クルミ” “Walnuts”
“足おと” “The sound of footsteps”
“曇り日なら” “If it's a cloudy day”
“竹とんぼに” “To a toy bamboo helicopter”
“あさっておいで” “Come here the day after tomorrow!”
木下牧子(詞:能祖将夫):なにかが、ほら
Makiko Kinoshita (words by Masao Nouso) : LOOK! THERE’S SOMETHING THERE!
木下牧子(詞:まど・みちお):おんがく
Makiko Kinoshita (words by Michio Mado) : Music
中田喜直(詞:小野芳照):ゆく春
Yoshinao Nakada (words by Yoshiteru Ono) : The departing spring
中田喜直(詞:鎌田忠良):霧と話した
Yoshinao Nakada (words by Tadayoshi Kamata) : Talking with the mist
中田喜直(詞:金子みすゞ):「ほしとたんぽぽ」より 第12曲 “わらい”
Yoshinao Nakada (words by Misuzu Kaneko) : No.12 “The Laugh” from ‘Stars and Dandelions’
中田喜直(詞:加藤周一):さくら横ちょう
Yoshinao Nakada (words by Shuichi Kato) : Cherry Blossoms Lane
中田喜直(詞:三好達治):たんぽぽ
Yoshinao Nakada (words by Tatsuji Miyoshi) : Dandelions
中田喜直(詞:堀内幸枝):サルビア
Yoshinao Nakada (words by Sachie Horiuchi) : Salvia
中田喜直(詞:原篠あき子):髪
Yoshinao Nakada (words by Akiko Harajo) : Trees of Hair
中田喜直(詞:寺山修司):悲しくなったときは
Yoshinao Nakada (words by Shuji Terayama) : When I became sad
プロフィール
砂川涼子(ソプラノ) Ryoko Sunakawa, soprano
可憐な舞台姿と聴くものの心を震わせる歌声で高い人気を誇るソプラノ歌手。1998年 第34回日伊声楽コンコルソ優勝、2000年 第69回日本音楽コンクール第1位、05年 第16回五島記念文化賞・オペラ新人賞受賞、06年 第12回リッカルド・ザンドナイ国際声楽コンクールでザンドナイ賞受賞など、数々の受賞歴を誇る。武蔵野音楽大学卒業、同大学大学院修了。01年から04年まで(財)江副育英会オペラ奨学生としてイタリアで研鑽を積む。05年より五島記念文化財団の奨学生として再度イタリアに留学。本格的オペラデビューは、00年 新国立劇場「オルフェオとエウリディーチェ」のエウリディーチェ役。翌年の01年「イル・カンピエッロ」のガスパリーナで藤原歌劇団公演にもデビュー。その後、新国立劇場で「トゥーランドット」(リュー)、「ドン・ジョヴァンニ」(ツェルリーナ)、「ドン・カルロ」(天よりの声)、「カルメン」(ミカエラ)、「魔笛」(パミーナ)、「ホフマン物語」(アントニア)、「夜叉ケ池」日本初演(百合)、「ウェルテル」(ソフィー)、藤原歌劇団公演においては「ランスへの旅」(コリンナ)、「フィガロの結婚」(伯爵夫人)、「道化師」(ネッダ)等に出演、その実力に裏打ちされた歌唱は常に高い評価を得ている。とりわけ「ラ・ボエーム」のミミは、NHKテレビでも放映され、“歌唱・容姿ともに理想のミミ”と絶賛を博した。日生劇場、びわ湖ホール、兵庫県立芸術文化センターのオペラ公演にもたびたび出演している。また、活動の場はオペラにとどまらず、国内主要オーケストラにも招かれており、テレビ、ラジオへの出演も数多い。NHKニューイヤーオペラコンサートには、02年に初登場以来出演を重ねている。藤原歌劇団団員。武蔵野音楽大学非常勤講師。沖縄県出身。
藤原藍子(ピアノ) Aiko Fujiwara, piano
桐朋学園大学音楽学部ピアノ専攻卒業。文化庁新進芸術家海外留学制度研修員としてイタリア・ミラノに留学し、コレペティトゥールの研鑽を積む。ピアノを本荘玲子、森安芳樹各氏に、コレペテゥトゥールを森島英子、ジェイムズ・ヴォーン、ヴィンチェンツォ・スカレーラの諸氏に師事。主に藤原歌劇団、新国立劇場のピアニストとして「椿姫」「蝶々夫人」「カルメン」「リゴレット」「ファルスタッフ」「アドリアーナ・ルクヴルール」「ラ・ボエーム」「ドン・パスクアーレ」「セヴィリアの理髪師」「ランスへの旅」等の公演に携わる。2015年・2016年「愛の妙薬」公演ではチェンバロ奏者を、2021年「清教徒」公演ではオルガン奏者を務めた。この他 日本を代表するオペラ歌手とのリサイタル、コンサートやNHK-FM放送での共演も多く務めている。2021年には、NHK -FM『オペラ・ファンタスティカ』にコレペティトゥールとしてゲスト出演した。又、フルート奏者の山形由美氏とは、日本各地でのリサイタルの他、クルーズ船 "飛鳥II" でのコンサートやテレビ番組でも共演を重ねている。その他、女優で元宝塚歌劇団娘役トップスター・黒木瞳氏出演・プロデュースのコンサート、踊りとのコラボレーションステージでピアノを務めるなど、様々なジャンルで活躍中。藤原歌劇団団員