TRAGIC TRILOGYトラジック・トリロジーⅢ 「蝶々夫人」 (全3幕)

主な登場人物に焦点を絞り 名作オペラの核心に迫る

全席指定:7,000円(税込)
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青木、城、大西©北山宏一 山下©FUKAYA_Yoshinobu/auraY2 園田©Fabio Parenzan 田尾下©福里幸夫

声楽にふさわしい音響空間として定評があるHakuju Hallが名作オペラの魅力をギュッと凝縮してお届けするシリーズ「TRAGIC TRILOGY」(トラジック・トリロジー)、つまり「悲劇三部作」。代表的なイタリアオペラより第1回はヴェルディの『椿姫』、第2回はプッチーニの『トスカ』を上演し好評を博しました。そしてシリーズ最終回はプッチーニの『蝶々夫人』全3幕で締めくくります。オペラをホームに活躍を続ける田尾下哲が演出と脚本を手掛け、作品原作の設定を活かし新たな視点から大胆に構成、原語での上演ですが日本語の台詞を交えながら、単なるハイライト上演にとどめず、登場人物の心の機微を音楽で表現し名作の核心に迫ります。一方、指揮者の園田隆一郎がその音楽面での構成を行い、音楽監督だけでなくピアノで出演いたします。明治後半の長崎を舞台に、純真で一途な愛に生きる蝶々さんをソプラノの青木エマ、アメリカの海軍士官ピンカートンをテノールの城宏憲、その友人の長崎領事シャープレスをバリトンの大西宇宙が演じます。前回までは3名の歌手で上演いたしましたが、今回は献身的な女中スズキ役が音楽、ドラマ面で不可欠な存在であるとの判断から、メゾ・ソプラノの山下裕賀が特別出演いたします。第1幕ラストに蝶々さんとピンカートンが歌う幻想的で美しい「愛の二重唱」、第2幕にピンカートンの愛を信じて蝶々さんが歌う有名なアリア「ある晴れた日に」、そして第3幕ラストの蝶々さん魂の歌唱、自ら命の火を消す最後の瞬間に最愛の子どもに向かって今生の別れを歌う「かわいい坊や」は必聴です。3年におよぶシリーズを通して主役を演じた歌い手3名が『蝶々夫人』をどのように演じ切るのか、三部作の完結をお見逃しなく!


朝日カルチャーセンター新宿教室との提携講座
プッチーニ 「蝶々夫人」をもっと楽しむために
日時:9/29(金)16:00開始 
会場:朝日カルチャーセンター新宿教室 
講師:園田隆一郎(音楽監督/ピアノ) 青木エマ(ソプラノ)
※講座受付開始 5/19(金)
お問合せ 03-3344-1941 10:30~18:30(日曜・一部祝日を除く)
(Hakuju Hall チケットセンターでのお取り扱いはございません。)

出演

【出演】
青木エマ(蝶々夫人) 城宏憲(ピンカートン) 大西宇宙(シャープレス)
特別出演:山下裕賀(スズキ)
園田隆一郎(音楽監督 / ピアノ)

田尾下哲(演出 / 脚本)

横山希(稽古ピアノ)

プログラム

G.プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」全3幕

プロフィール

青木エマ(ソプラノ) Emma Aoki, soprano

国立音楽大学声楽学科卒業。二期会オペラ研修所51期マスタークラス修了。修了時に優秀賞受賞。第24回ソレイユ新人コンクール入賞、第12回日本演奏家コンクール最高位受賞。
2013年東京二期会『こうもり』でオルロフスキーに抜擢され、颯爽とした舞台姿と堅実な歌唱で大きな注目を集める。その後も東京二期会『ドン・カルロ』テバルド、同『チャールダーシュの女王』シュターズィ、『フィガロの結婚』(宮本亞門演出)ケルビーノ、再び『こうもり』(A・ホモキ演出)オルロフスキー、神奈川県民『ヘンゼルとグレーテル』ヘンゼルと立て続けに出演。西本智実プロデュース『蝶々夫人』ではタイトルロールを京都南座、新橋演舞場で演じ、恵まれた容姿に加え抒情性に満ちた演唱で好評を博した他、『トスカ』、『ラ・ボエーム』、『カルメン』の各タイトルロール、『カルメン』ミカエラ役等で観客を魅了。更には、田尾下哲による新演出「マタイ受難曲」や、同氏による脚本・再構成で注目を集めたHakuju Hall “TRAGIC TRILOGY Ⅰ”『椿姫』ヴィオレッタ、続く“TRAGIC TRILOGY Ⅱ”『トスカ』タイトルロールなど話題の公演に出演し、好評を博した。また、広い音域とクラシックバレエの素養を活かしたダンスシーンにも定評があり、ヒロイン役、ズボン役いずれにおいても高い評価を得ている。コンサートでも「第九」等のソリストとして主要オーケストラと共演しており、『オペラ座の怪人』や『レ・ミゼラブル』などミュージカルの分野にも携わるなど、今後益々の活躍が期待されている。二期会会員。

青木エマ
© 北山宏一

城宏憲(テノール) Hironori Jo, tenor

リリコ・スピントの声質とドラマを的確に体現する演技力を持ち合わせ、国内のオペラを中心に活躍するテノール。東京藝術大学卒業。新国立劇場オペラ研修所修了。平成22年度文化庁新進芸術家海外研修制度にてイタリアに渡り、研鑽を重ねる。サイトウ・キネン・フェスティバル松本20周年記念スペシャルコンサート「合唱幻想曲」で帰国後ソリスト・デビュー。2016年『イル・トロヴァトーレ』表題役マンリーコで東京二期会へデビュー。その後、17年同『トスカ』カヴァラドッシ、18年グランドオペラ共同制作『アイーダ』ラダメス、19年グランドオペラ共同制作『カルメン』ドン・ホセ、20年東京二期会『椿姫』アルフレードなどプリモ・テノールとして出演を重ね、21年には東京・春・音楽祭でのリッカルド・ムーティ指揮『マクベス』マルコムを演じた。22年には新国立劇場『さまよえるオランダ人』に外国人招聘歌手に代わり急遽エリックで出演し、ワーグナー・ロール・デビューを飾ったのをはじめ、東京二期会『蝶々夫人』ピンカートン、日生劇場『ランメルモールのルチア』(田尾下哲演出)エドガルドなどで高い評価を得ている。他にも東京二期会によるヴェルディ「レクイエム」、田尾下哲演出「マタイ受難曲」におけるテノール・ソロ、同氏による脚本・再構成で注目を集めたHakuju Hall "TRAGIC TRILOGY Ⅰ"『椿姫』アルフレード、"TRAGIC TRILOGY Ⅱ"『トスカ』カヴァラドッシなど話題の公演に出演。23年10月、二期会『ドン・カルロ』に表題役で出演予定。近年は、テレビ朝日「題名のない音楽会」、NHK「クラシックTV」にも出演するなどメディアへの登場も増えている。これまでに、第84回日本音楽コンクール声楽部門第1位並びに岩谷賞(聴衆賞)、平成28年度岐阜県芸術文化奨励賞、第8回静岡国際オペラコンクール三浦環特別賞、令和二年関市民特別奨励賞(岐阜県)を受賞。二期会会員。

城宏憲
© 北山宏一

大西宇宙(バリトン) Takaoki Onishi, baritone

武蔵野音楽大学及び大学院卒業。全日本学生音楽コンクール第一位およびイタリア声楽コンコルソ金賞・バリトン特賞を受賞後、IFACジュリアード音楽院声楽オーディションにて最優秀賞を受賞し、日本人としては数少ない声楽専攻生としてジュリアード音楽院に入学。在学中は、「フィガロの結婚」「エフゲニー・オネーギン」「マタイ受難曲」など多くの公演に主要キャストとして抜擢されたほか、学内オーディションを経て、リンカーン・センターでリサイタル・デビューを飾った。卒業時には在学中の活躍を讃えられ、特別賞と奨学金を付与された。
アメリカのオペラ・インデックス、リチア・アルバネーゼ=プッチーニ国際コンクールなどのコンクールで第1位を獲得し、モントリール国際コンクールではファイナリスト、Premiereオペラ財団国際声楽コンクールで優勝し、同時にホロストフスキー記念特別賞を受賞。 2015年から3年間、シカゴ・リリック歌劇場ライアン・オペラ・センターに所属し、「エフゲニー・オネーギン」「真珠採り」「カルメン」他に出演。アメリカでのプロ・デビューとなった世界初演オペラ「Bel Canto」に神父アルゲダス役で出演。全米で放映され、新聞・クラシック雑誌から称賛を得た。
2019年、セイジ・オザワ松本フェスティバルのF.ルイージ指揮「エフゲニー・オネーギン」にてタイトルロールを務め、日本でオペラ公演デビュー。NHK交響楽団/P.ヤルヴィ指揮「フィデリオ」(演奏会形式)、ノースカロライナ歌劇場/原田慶太楼指揮「カルメン」、「道化師」、アーサー・フェイガン指揮「フィデリオ」(コンサート形式)、バッハ・コレギウム・ジャパン/鈴木優人指揮「リナルド」、びわ湖ホールオペラ/沼尻竜典指揮「ローエングリン」、まつもと市民オペラ/城谷正博指揮「山と海猫」(信長貴富作曲世界初演)、新国立劇場/ガエタノ・デスピノーザ指揮「愛の妙薬」、ヒューストン・グランド・オペラ/キム・ウンソン指揮「トゥーランドット」等に出演。
オーケストラとはカーネギーホールにてニューヨーク・オラトリオ協会主催のシベリウス「クレルヴォ」交響曲、2020年3月には「ドイツ・レクイエム」のソリストを務めて高評を得た。
日本では各地で飯森範親指揮「カルミナ・ブラーナ」、広上淳一指揮名古屋フィルハーモニー交響楽団「ドイツ・レクイエム」「ミサ・ソレムニス」、プレトニョフ指揮ロシア・ナショナル管弦団「イオランタ」(演奏会形式)、高関健指揮京都市交響楽団「戦争レクイエム」、阪哲朗指揮山形交響楽団定期公演、飯森範親指揮いずみシンフォニエッタ大阪とマーラーの「大地の歌」(川島素晴編/初演)、ツェムリンスキー「抒情交響曲」、ショルテス指揮東京都交響楽団とモーツァルト「レクイエム」、原田慶太楼指揮東京交響楽団とヴォーン・ウィリアムズ「海の交響曲」、鈴木優人指揮読売日本交響楽団「電話」、鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパンでは「メサイア」「第九」、尾高忠明指揮NHK交響楽団「第九」、ヴァイグレ指揮読売日本交響楽団シュニーダー「聖ヨハネの黙示録」「ドイツ・レクイエム」等に出演し高評を得ている。
2023年は井上道義「A way from Surrender ~降福からの道~」に出演した他、びわ湖ホール「ニュルンベルクのマイスタージンガー」(沼尻竜典指揮)、東京・春・音楽祭「仮面舞踏会」(ムーティ指揮)にて好演し、兵庫県立芸術文化センター「ドン・ジョヴァンニ」(題名役/佐渡裕指揮)等に出演予定。
第30回五島記念文化賞 オペラ新人賞、第30回日本製鉄音楽賞フレッシュアーティスト賞を受賞。CD「詩人の恋」(ピアノ:小林道夫)をBRAVO RECORDSよりリリース。
公式ホームページ:https://www.takaokionishi.com/

大西宇宙
© 北山宏一

山下裕賀(メゾ・ソプラノ) Hiroka Yamashita, mezzo-soprano

京都府出身。東京藝術大学声楽科卒業。同大学院修士課程オペラ専攻を首席修了。同大学院博士後期課程単位取得済み満期大学。第21回コンセール・マロニエ21第1位。オペラでは、日生劇場主催《ヘンゼルとグレーテル》ヘンゼル役、《カプレーティとモンテッキ》ロメーオ役、《セビリアの理髪師》ロジーナ役、藤沢市民オペラ《ナブッコ》フェネーナ役のほか、《フィガロの結婚》ケルビーノ役、《カルメン》メルセデス役、《マリア・ストゥアルダ》エリザベッタ役(演奏会形式)などに出演。その他のコンサートでは、ヘンデル《メサイア》、モーツァルト《レクイエム》、ベートーヴェン《第九》、ヴェルディ《レクイエム》、デュリュフレ《レクイエム》、プロコフィエフ《アレクサンダーネフスキー》、ヤナーチェク《グラゴル・ミサ》(大野和士指揮・東京都交響楽団)などで多数ソリストを務める。名古屋音楽大学主催ヴェッセリーナ・カサロヴァ女史によるマスタークラスを受講。NHK-FM「リサイタルパッシオ」出演。日本声楽アカデミー会員。

山下裕賀
© FUKAYA_Yoshinobu auraY2

園田隆一郎(音楽監督/ピアノ) Ryuichiro Sonoda, music director / piano

ボローニャ歌劇場、トリエステ歌劇場などを指揮し、国際的な活動を展開する気鋭の指揮者。オペラ、シンフォニーの両分野で活躍する指揮者の一人である。 2006年、シエナのキジアーナ夏季音楽週間『トスカ』を指揮してデビュー。翌年、藤原歌劇団『ラ・ボエーム』を指揮して日本デビューを果たす。同年夏にはペーザロのロッシーニ・オペラ・フェスティバル『ランスへの旅』の他、フィレンツェのトスカーナ管弦楽団との演奏会、カターニアのベッリーニ大劇場管弦楽団の演奏会を指揮した。その後国内外のオペラへの出演、オーケストラとの共演を重ねている。2021年は、日生劇場『ラ・ボエーム』、びわ湖ホール『つばめ』などの公演に出演、いずれも絶賛を博す。2022年は、藤沢市民オペラ『ナブッコ』をはじめ、大阪交響楽団名曲コンサート、びわ湖ホール『ファルスタッフ』、大阪国際フェスティバル『泥棒かささぎ』、藤沢市民オペラ『ラ・ボエーム』、北海道二期会『皇帝ティトの慈悲』、東京文化会館『ショパン』などに出演。2023年には日生劇場開場60周年記念公演 ルイージ・ケルビーニ『メデア』(日本初演)、三河市民オペラ『アンドレア・シェニエ』などのオペラ公演およびオーケストラ公演に出演を予定している。遠藤雅古、佐藤功太郎、ジェイムズ・ロックハート、ジャンルイジ・ジェルメッティ、アルベルト・ゼッダの各氏に師事。2005年第16回五島記念文化賞オペラ新人賞、2017年度第16回齋藤秀雄メモリアル基金賞を受賞。藤沢市民オペラ 芸術監督。パシフィックフィルハーモニア東京 指揮者。

園田隆一郎
© Fabio Parenzan

田尾下哲(演出/脚本) Tetsu Taoshita, director /dialogue by

1972年兵庫生まれ、横浜育ち。第20回五島記念文化賞オペラ新人賞受賞。慶應義塾大学理工学部中退。東京大学建築学科卒業。東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。同博士課程単位取得満期退学。ドイツ人演出家ミヒャエル・ハンペに西洋演劇、演出を学ぶ。2000年から演出家として活動。03年から09年まで新国立劇場に所属し、オペラ・チーフ演出スタッフを務めた。09年、チューリヒ歌劇場『カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師』で、共同演出・振付を担当しヨーロッパデビュー。近年の演出代表作は、オペラでは日生劇場『ルチア』、グランドオペラ共同制作『カルメン』、神奈川県民ホール『金閣寺』、『ヘンゼルとグレーテル』、二期会『カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師』、びわ湖ホール『リゴレット』、あいちトリエンナーレ『蝶々夫人』、一柳慧新作『ハーメルンの笛吹き男』、新国立劇場『スペース・トゥーランドット』、『フラ・ディアヴォロ』がある。ミュージカルでは明治座『ふたり阿国』、ホリプロ『天才執事ジーヴス』、『ボニー&クライド』、東宝『ソングス・フォー・ア・ニュー・ワールド』、フジTV『プロミセス・プロミセス』、リリック『ザ・クラブ』、日生劇場『三銃士』など、芝居では『王女メディア』、『プライヴェート・リハーサル』、『ベアトリーチェ・チェンチの肖像』、『クロード』、『ガラスの動物園』など、ノンヴァーバル・ショー『京都SUSHI劇場』、2.5次元舞台『ダンガンロンパ THE STAGE 2016』、能『羽衣』、歌舞伎『雪蛍恋乃滝』など多数。劇作家として、明治座ミュージカル『ふたり阿国』、オリジナル戯曲『プライヴェート・リハーサル』、『ベアトリーチェ・チェンチの肖像』、オペラ台本『ハーメルンの笛吹き男』、『フラ・ディアヴォロ』、『スペース・トゥーランドット』、朗読劇用の翻案作品『ジェイン・エア』、『ジキルとハイド』、『シラノ・ド・ベルジュラック』、『レ・ミゼラブル』、『オペラ座の怪人』を発表。舞台の上演台本としてフジTVミュージカル『プロミセス・プロミセス』、ホリプロミュージカル『ボニー&クライド』、リリック『ザ・クラブ』、などがある。今後もオペラ、ミュージカル、芝居の演出の他、海外での劇作が控えている。桜美林大学准教授、名古屋音楽大学客員教授、洗足学園音楽大学客員教授。

田尾下哲
© 福里幸夫

後援:イタリア文化会館
協力:朝日カルチャーセンター新宿教室