アーティストインタビュー

新カルテット誕生でクラシック界に挑戦

藤岡幸夫(指揮者・The 4 Players Tokyo プロデューサー)
国指揮者として国内外で活躍するにとどまらず、関西フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者、音楽番組「エンター・ザ・ミュージック」(BSテレビ東京)の指揮・司会とマルチに活躍する藤岡幸夫さん。
4月16日、ハクジュホールにて、自らプロデュースするカルテット(弦楽四重奏)「The 4 Players Tokyo」の公演を控え、その思いを存分に語っていただきました。 (聞き手:Hakuju Hall支配人 原浩之)

The 4 Players Tokyoは、「エンター・ザ・ミュージック」から誕生したカルテットということで、話題性がありますね。

藤岡

実は番組が始まった当初からカルテットをやってみたかったんです。僕が学生の頃は、有名なカルテットがたくさんありました。でも、今は下火になりかかっている。だから、カルテットをメジャーにしたいんです。

カルテットというと、マニアックなイメージがありますよね。

藤岡

でも、すごく面白い!弦楽四重奏は1小節ごとにテンポが異なることが多いので、奏者同士の息遣いとか、音楽の持っている生命力のようなものが、演奏者にそのまま影響を与えていくんです。ある意味テンボ感が決まっているオーケストラと違って、ジャズやフュージョンのセッションのような、その場の空気感によってつくられる感覚がある。そういうカルテットの面白さを伝えたくて、テレビ番組でプロデュースさせてもらう流れになったんです。

満を持して臨まれたんですね。

藤岡

ええ。その際に、多くの人に興味を持ってもらうために、決めたことがあって。それは、キャラの立った強い個性を持つ4人を選ぶこと。しかも、彼らは全員別々のプロオーケストラに所属していること。そして、首席奏者か次席奏者であること。オーケストラの中で前に立って引っ張っている人たちは、自分にもアンサンブルにもすべてに関してシビアなんですよ。普段、厳しい目に晒されている分、演奏も緻密。そういうところが魅力的だったりするんです。

人選はどのようにされたのですか?

藤岡

基本、僕がいいなと思う人に勝手に声をかけました。ヴァイオリンの戸澤哲夫は東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団のコンサートマスター、遠藤香奈子は東京都交響楽団の第2ヴァイオリンの首席奏者、中村洋乃理はNHK交響楽団の次席ヴィオラ奏者。矢口里菜子は山形交響楽団の首席チェロ奏者。強い個性を持った4人だけに最初はまとまるか不安でしたが、みんな兄弟のように仲良くなってくれて、息もぴったりです!

世代もみんな違いますよね。

藤岡

約10歳ずつ離れています。しかも男女混合で実力派ぞろい。それぞれに確立された雰囲気があり、スター性もあるでしょ。新しい打ち出し方で、カルテットの魅力を伝えたいですね。

そのような素晴らしいカルテットのステージに、ハクジュホールを選んでいただき嬉しいです。

藤岡

すべての面において最高の素晴らしいホールですよ! 彼らにハクジュホールで演奏できると言ったら、みんな大喜びでした。

ありがたいお言葉、光栄です。当日を楽しみにしています。

※株式会社白寿生科学研究所ユーザー情報誌「ヘルシーメイツ」2020年冬号から転載