アーティストインタビュー

“私のために"作られた楽器は人生の新たなパートナー!

曽根麻矢子(チェンバロ奏者)
2015年12月2日 ワンダフル oneアワー出演
日本を代表するチェンバロ奏者、曽根麻矢子さん。新たに迎えたチェンバロに対する想いや、 12月に開催される白寿ホールでのチェンバロリサイタルについて、今の気持ちを語っていた だきました。 (聞き手:Hakuju Hall支配人原浩之)

チェンバロの装飾が見事ですね!

曽根

ありがとうございます。実は、(この取材の)2週間くらい前にパリから届いたばかりなん です。

まさに、来たばかり!

曽根

そう、人生の新しいパートナーをお披露目しているような気持ちです(笑)。

このチェンバロはどなたが製作されたのですか?

曽根

デイヴィット・レイです。彼は、オリジナル・チェンバロ修復、ヒストリカル・チェンバロ製作者として、その高い技術で信頼を得ている人で、重要な役割を担っている方で、私も、これまで彼が製作したチェンバロを 3台ほど使わせてもらいました。どのチェンバロも素晴らしい。1台はパリにありまして、今でもパリに行った時にはその楽器を弾かせてもらっています。もう1台は、現在日本にある、スコットロスが弾いていた楽器です。そして最近までここにあった黒いシノワズリ(中国風の装飾)は、私の相棒としては一番長い年月を共にしました。

この装飾は、曽根さんがオーダーされたんですか?

曽根

金箔(きんばく)をいっぱい使ってほしいことと、明るい感じのものにしてほしいことぐらいは言いましたが、それ以外は「好きなようにやって」と言いました。 彼は、ワトー、ブーシェ、ユエット、ランクレなどの画家のモチーフを参考に絵を描いていますが、コピーではなく全部オリジナルなんです。たとえば、私がワイン好きなので、「ブドウをいっぱい描こう」という発想などが盛り込まれていて、これほど楽しい装飾のチェンバロは他に見たことがありません。このチェンバロを目にするだけで気分があがります!

今度の白寿ホールでのリサイタルは、この楽器で弾いていただけるのですか?

曽根

ぜひ!私もお披露目したいです。チェンバロはホールの響きがとても左右される楽器です。ホールが大きすぎると響きが届きません。でも、白寿ホールのサイズはちょうどよく、響き的にもチェンバロには嬉しいホールです。

今回の選曲を見ると、クープラン一族の曲でまとめていますが、どんな意図があるのですか?

曽根

フランソワ・クープランの全曲演奏会を上野学園のホールでさせていただきましたが、ルイ・クープランの曲も演奏したかったのです。しかし、今回の白寿ホールのプログラムで、ルイだけではとてもマニアックになってしまうので、思い切って一族を並べてみることにしました。王宮の雰囲気をリラックスして聴いていただければと思っています。

これから、この楽器を弾き込まれるのが楽しみですね。

曽根

ええ。チェンバロは弾けば弾くほど、音が変わっていきます。なので、これから、どんな音になっていくのか、自分で音を育てていくことにワクワクしています。 12月に、このチェンバロで演奏される曽根さんのリサイタルを楽しみにしています。今日はありがとうございました。

12月に、このチェンバロで演奏される曽根さんのリサイタルを楽しみにしています。今日はありがとうございました。12月に、このチェンバロで演奏される曽根さんのリサイタルを楽しみにしています。今日はありがとうございました。

※株式会社白寿生科学研究所ユーザー情報誌「ヘルシーメイツ」2015年秋号から転載