原支配人による公演レビュー

2019年07月14日 (日)
【原支配人による公演レビュー】
7/5(金)「第146回 スーパー・リクライニング・コンサート ピアノ・トリオ リサイタル ピアニスト・黒田亜樹とイタリアの名手たち」

ピアノトリオコンサート。という題名のコンサートになりましたが、イタリア人のクァルテット・プロメテオという弦楽四重奏団のメンバーの中からミラノ在住のピアニスト黒田亜樹さんがバイオリンのアルド・カンパニャーリさん、チェロのフランチェスコ・ディロンさんをピックアップしてのピアノトリオコンサートでした。
一応、黒田さんの名を含めたトリオとしての名前があるようですが、全員の名前を書くと非常に長い名前のトリオになってしまうので、ピアノトリオという簡略化された題名のトリオになりました。コンサートの途中のトークセッションで名前の公募もされていました。
コンサートの開催自体は、様々な形態で色んなコンサートに関わってくださり、実は縁の深い黒田さんから素晴らしいメンバーがいる。というところから、あまりイタリア人弦楽奏者、カルテットのイメージがなかったのですが、逆に興味も湧き、主催公演にお声掛けさせて頂きました。
曲目は、蓋を開けたらフォーレとラヴェル。フランス物になりました。
フォーレ、ラヴェルのピアノトリオ。一般的に演奏頻度の高いものではなく、逆に珍しさと黒田さんの知名度で昼夜満席のコンサートになりました。
演奏は10数年の縁というお三方による素晴らしい演奏で、ハクジュホールを熟知した黒田さん含めて、音バランスも素晴らしい演奏が展開されました。
後半ラヴェルを前に黒田さんが曲の解説で、寝かせたくなる箇所の後すぐに起こしたくなる場所があります。という事で、寝かせたいのか寝かせたくないのか分からない抑揚の曲をリクライニングで演奏するのが楽しみで仕方がない様子がまた楽しく、結局は名演奏でどなたもお休みになる間がなかったのではないでしょうか。

【出演】
アルド・カンパニャーリ(ヴァイオリン)
フランチェスコ・ディロン(チェロ)
黒田亜樹(ピアノ)

【プログラム】
フォーレ:ピアノ三重奏曲 ニ短調 op.120
ラヴェル:ピアノ三重奏曲 イ短調