原支配人による公演レビュー

2019年05月30日 (木)
【原支配人による公演レビュー】5/29(水)「第145回 スーパー・リクライニング・コンサート 田中拓也&本堂誠 サクソフォン・デュオ リサイタル」

5月29日スーパーリクライニングコンサート、サクソフォン田中拓也、本堂誠デュオリサイタル。
ピアノ伴奏は弘中佑子さんでした。田中さん、本堂さんは毎年3月11日の被害日本大震災チャリティーコンサートのサックスカルテットメンバーも務めて下さっていて、この若さで名手で知られるお2人にデュオでオファーさせて頂きました。リクライニングシートシリーズ第145回目にして初の編成でした。
私は夜の部を拝聴しましたが、お2人はハクジュホール独特のサウンドを熟知して下さっているので安心というか、無限の可能性あるサックスサウンド、どこまで広げてくれるのかをワクワクして観ておりました。
1時間コンサートでしたが、前半はクラシック、映画音楽でリラックス出来る内容。後半は今回田中さんがこのホールで吹くために新曲を作曲。それからは自由奔放な、宇宙の広がりがあるような自由度とテクニック度の高い曲が並びました。
自由奔放といえば、田中さんのMCが自由奔放で、何度かどこに行ってしまうか心配するような感じでした。その緩いトークとサクソフォンの素晴らしさが大きなコントラストとなり、コンサートに華を添えました。
オリジナルピースが少ないが故に編曲多いので奏者がアレンジ力高く、ソプラノからバリトンまで音域多く、ロングトーン、超絶技巧、PPからFFの音量まで出せる、それを音響で活かせる、ハクジュホールでのサクソフォンコンサートに更なる可能性が見出す事が出来たコンサートになりました。
当日はNHK・Eテレ「クラシック音楽館」のテレビ取材が入りました。いつものリクライニング・コンサートより多かった小中高生のお客様のうち何人かの方々が、公演終了後に感想をテレビ局の方から聞かれていたのも印象に残るコンサートでした。

【出演】
田中拓也(sax)
本堂誠(sax)
弘中佑子(pf)

【プログラム】
エルガー(田中拓也編):愛の挨拶 op.12
ビゼー(田中拓也編):「アルルの女」第2組曲 より 第2曲“間奏曲”
サン=サーンス(本堂誠編):「動物の謝肉祭」より 第13曲“白鳥”
モリコーネ:ニュー・シネマ・パラダイス・メドレー
田中拓也:新曲
マルケス:ジョーク
上原ひろみ(本堂誠編):「ミュージック・フォー・スリー・ピース・オーケストラ」より
  第1曲“オープン・ドア - チューニング - プロローグ”
  第2曲“デジャヴ”
<アンコール曲>
上原ひろみ:トムとジェリー

★Hakuju Hall 次回主催公演のご案内
第36回 Hakuju ベーゼンドルファー・サロンコンサート・シリーズ
「ランチタイム・コンサート 桑原志織」
~2017年度東京藝術大学首席卒業者によるピアノ・リサイタル~
2019年6月6日(木) 12:30開演(12:00開場) ※約1時間/休憩なし
白寿本社ビル1階ロビー
お得なランチチケット付き 全席自由:2,500円(税込)
コンサートのみ 全席自由:1,500円(税込)