原支配人による公演レビュー

2019年04月27日 (土)
【原支配人による公演レビュー】4/26(金)スーパー・リクライニング・コンサート「細川千尋 ジャズ・ピアノ リサイタル」

「スーパー・リクライニング・コンサート」シリーズにジャズピアノの細川千尋さんをお迎えしました。ハクジュホールは10年近く前に「リクライニングジャズ」という企画をほんの短い期間やった事があって、色々な方針の中に「クラシック以外のジャンルでマイク音響なしのコンサートをやる」というのがあり、クラシック以外のジャンルには非常に人脈も少ないところではありましたが、運良く細川さんのコンサートを17年に聴く幸運に恵まれて、そのままオファーさせて頂きました。
普段はコンサートホールではトリオでの演奏機会が多い細川さんですが今回はピアノソロという事で注目度も高かったか、二公演共に満席でした。
演奏曲はオリジナル曲半分と、ガーシュウィンから坂本九まで幅広い内容でした。
私は夜間の部を聴きましたが、PPの消えゆく音、無音の時間。曲目終了後の右ペダルを離すまでの時間を楽しまれている姿が大変印象的で、ハクジュホールの音響をとても楽しみながら弾かれていたのが客席まで感じられました。コンサート中の「ピアニストは孤独で、一人で練習している時間とコンサートの時間のバランスも悪いのですが、今日は多くのお客様の前で弾けて幸せです」というコメントそのままに、演奏の幸せオーラが客席全体に伝播し、幸せな気持ちは人に良い意味で感染するというか、気持ちが貰える、と感じる事が出来たコンサート。ゴールデンウィーク前日に、今日のコンサートに参加されたお客様は、幸せな気持ちで明日からの連休をスタート出来る、とまで感じる事が出来ました。

【出演】
細川千尋(ジャズ・ピアノ)

【プログラム】
細川千尋:Holiday
グノー = J.S.バッハ:アヴェ・マリア
細川千尋:Pasión
J.コズマ:枯葉
B.エヴァンス:ワルツ・フォー・デビー
ガーシュウィン:サマータイム
細川千尋:Espoir
中村八大:上を向いて歩こう
細川千尋:I'm home!
細川千尋:パガニーニの主題による“ジャズ”変奏曲

<アンコール曲>
昼公演 バート・バカラック:アルフィー
夜公演 バート・バカラック:アルフィー/チャーリー・パーカー:マイ・リトル・スウェード・シューズ