原支配人による公演レビュー

2019年04月24日 (水)
【原支配人による公演レビュー】4/20(土)「小林美恵 華麗なるヴァイオリンの伝説 第3回」

4月20日に小林美恵ヴァイオリンシリーズ第3回が行われました。ナビゲーターは音楽プロデューサーの浦久俊彦さん、ゲストはピアニストの仲道郁代さんでした。今回はドイツ、シューマンがテーマでした。ロベルト・シューマンという、愛に溢れて、そして内面的なところ、自己の二面性と向き合いきれずにライン川に身を投じてしまった作曲家。その時代の背景やエピソードについては、ナビゲーターの浦久さんが壇上で「このまま話していると朝までかかってしまう」と仰った位尽きない深さ、複雑さがある音楽家、時代だという事で、クララとの事、派生しては精神の二面性からのドッペルゲンガー現象が話題に。ハインリヒ・ハイネの「影法師」の詩がシューベルト「白鳥の歌」に使われたとか、芥川龍之介もドッペルゲンガー現象に遭遇した事を紹介。「時代が変わり、親とは違う職業につける時代になったが故に先行きが読めないところから二面性が出てしまう方が多かったのでは」とか、「シューマンは音楽だけではなく執筆もやっていて、音楽と詩。音楽とその裏にあるメッセージ等の二面性に向き合ったが故に複雑になったのでは」というお話がされたと認識しました。
コンサート自体はロベルト・シューマン「3つのロマンス」、「トロイメライ」、初演はクララ・シューマンのピアノとヨーゼフ・ヨアヒムのヴァイオリンのデュオだったというクララ・シューマン作曲「3つのロマンス」より第1曲、ロベルトの「ヴァイオリンコンチェルト」の2楽章。後半はヴァイオリンソナタ1番、2番を連続演奏という珍しいオールシューマンプログラム。終了後のお客様のSNSなどを拝見していると、演奏機会の少ない名曲の演奏、ヴァイオリンソナタを両方聴けたという満足感の高さが印象に残りました。主催者側としては解説を含めると本当に難易度の高い内容と、仲道さん小林さんという円熟の2人によるデュオという事に関して、素晴らしい公演を提供出来たと思います。
蛇足になりますが、終了後弊社の医療機器「ヘルストロン」を仲道さん小林さんのお二人で体験頂き、疲れが取れたとか、翌日のスッキリ爽快感についてのコメントを頂戴出来て、健康エリアが本業の白寿としまして、ビッグアーティストの健康支援が出来たというのもとても嬉しい事でした。

【出演】
小林美恵(vn)
仲道郁代(pf)
浦久俊彦(ナビゲーター)

【プログラム】
R.シューマン:3つのロマンス op. 94
R.シューマン:「子供の情景」op.15 より 第7曲“トロイメライ”
C.シューマン:3つのロマンス op.22 より 第1曲
R.シューマン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 より 第2楽章
R.シューマン:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 イ短調 op.105
R.シューマン:ヴァイオリン・ソナタ 第2番 ニ短調 op.121

<アンコール曲>
R.シューマン:献呈

※公演写真は後日アップさせていただきます。