原支配人による公演レビュー

2019年03月30日 (土)
【原支配人による公演レビュー】3/28(木)「曽根麻矢子 プロデュース チェンバロの庭 最終回 vol.3 <バッハの庭>」
3月28日、チェンバリスト曽根麻矢子さんと、司会者の朝岡聡さんにより3年間続いた「チェンバロの庭」シリーズ・第3回〈バッハの庭〉が終了しました。
曽根さんが5年近く前に自宅チェンバロを買い替えられて、ハクジュホールの別のシリーズ「ワンダフルoneアワー」でその楽器をハクジュに持ち込み、ホールデビューしたらホールとチェンバロの相性が非常に良く、再演出来ないかという話し合い、そこに博識の朝岡さんのアイディアが加わって始まった、バッハが世に出る前のフランスの宮廷音楽家たちを、当時の映像を交えてレクチャーして来た本シリーズの最終回は、バッハという音楽家と、当時のイタリア、フランスの庭の写真を見ながら、朝岡さんの司会で、イタリア協奏曲、フランス組曲を軸とした、大変集中力高い演奏会になりました。
昨年までの主役フランスルイ14世、ベルサイユ宮殿で評価された宮廷音楽家、それにイタリア音楽。それをドイツから一歩も出ずにバロックの様式をまとめ上げたバッハの凄さが、幾何学模様のイタリアの庭、豪華版のフランスの庭とともに、曽根さんの素晴らしい演奏で際立ち、浮き彫りになりました。
バッハが音楽の父と言われる所以、でもバッハが影響を受けた他国の先逹の存在。色々なものが融合された感たっぷりの最終回となりました。

【出演】
曽根麻矢子(チェンバロ)
朝岡聡(ナビゲーター)

【プログラム】
●フレスコバルディ:トッカータ 第2巻 より 第1番 ト調
●フローベルガー:トッカータ 18番 ヘ長調 FbWV 118
●J.S.バッハ:トッカータ 第2番 ホ短調 BWV 914
●J.S.バッハ:協奏曲 ニ短調 BWV 974 より“アダージョ”
  (原曲/マルチェッロ:オーボエ協奏曲)
●J.S.バッハ:イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV 971
●リュリ(ダングルベール編):アルミードのパッサカイユ
●ラモー:「優雅なインドの国々」より“序曲”
●J.S.バッハ:フランス風序曲 ロ短調 BWV 831 より“序曲”
●J.S.バッハ:フランス組曲 第5番 ト長調 BWV 816
●J.S.バッハ:イギリス組曲 第3番 ト短調 BWV 808 より“プレリュード”
●J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第二巻より 第17番 前奏曲とフーガ 変イ長調 BWV 886
<アンコール曲>
●J.S.バッハ:ソナタ ニ短調 BWV 964 より 第3楽章

【使用チェンバロ】
French double manual harpsichord after Nicolas Blanchet 1722 David Ley

★Hakuju Hall 次回主催公演のご案内
次回の主催公演では、“美声のテノール”望月哲也さんと実力派ギタリスト・松尾俊介さんにご登場いただきます!皆様のご来場をお待ちしております!!
望月哲也 シューベルト三大歌曲シリーズ 最終回 vol.3 <白鳥の歌>
2019年4月6日(土) 17:00開演[残席僅少]
全席指定:5,000円(税込)