原支配人による公演レビュー

2019年03月28日 (木)
【原支配人による公演レビュー】3/12(火)「原田英代レクチャー」
3月12日は、3月8日の本公演に続き、ロシアーソヴィエトの音楽の系譜のレクチャーと、ピアニストの身体の使い方についてのレクチャーが、ゲストにロシア文学研究家の亀山郁夫先生をお迎えして行われました。
チャイコフスキー、ラフマニノフというロシア音楽の重鎮と、ソヴィエトの時代になったショスタコーヴィッチの3人の音楽家の解説とロシアについて。という内容でした。
極寒の地、そして広大な平野があるロシアは生きていく大変さから、春への希望、生きていくために生き甲斐を芸術に求めた。また、欧州とは違う宗教観がある。神の上に大地、空という自然がある。また、長調の曲調、勝利のテーマも悪魔の勝利であったり。そしてその後ソヴィエトになり、音楽の政治利用、その時代に翻弄され生きていったショスタコーヴィッチを始めとするソヴィエトの作曲家たち。
あの大地や、作曲家が育った自然環境、更には社会環境を知らずにロシア音楽はきちんと解釈出来ないであろう。という壮大なテーマでした。
ただでさえ欧州と米国を欧米とまとめてしまう日本人。欧州とロシアはまた違う。という事実を教えて頂き、クラシック音楽の次への興味を抱かせて頂けた、興味深い、素晴らしいレクチャーとなりました。

【出演】
講師:原田英代(ピアノ)
ゲスト:亀山郁夫(ロシア文学者)
アシスタント:水村仁美(ピアノ)

【プログラム】
《第1部》
「ロシア的」とはいったい何か
チャイコフスキーについて
 ●チャイコフスキー :「 四季」 op.37b より
ラフマニノフについて
 ●ラフマニノフ : 前奏曲集 op.23 より
《第2部》 
身体の使い方についてのデモンストレーション
ショスタコーヴィチについて
 ●ショスタコーヴィチ 「: 24の前奏曲とフーガ」 op.87 より