原支配人による公演レビュー

2022年05月12日 (木)
【原支配人による公演レビュー】
2022年4月19日(火) The 4 Players Tokyo 第2回

BSテレビ東京で毎週土曜日の8時半から放送されている音楽番組「エンター・ザ・ミュージック」は、クラシック音楽の中でもオーケストラを多く取り上げており、長寿番組となっています。マエストロ藤岡幸夫さんが司会を務めるこの番組から生まれたThe 4 Players Tokyoの、ハクジュホールでは2回目となる演奏会が開催されました。
藤岡マエストロは大学の先輩であり、可愛がって頂いています。マエストロが番組内で弦楽四重奏団を作ったとお聞きしたのは恐らく3年以上前です。
私は本業のかたわらクラシック業界に身を投じていて、弦楽四重奏の演奏会開催が難しい、チケットがなかなか売れない等の状況に苦労していました。
藤岡マエストロ曰く、
1、交響曲と弦楽四重奏曲は作曲家にとって代表作が多い。
2、交響曲を最大公約数にしたものが弦楽四重奏曲。
3、弦楽四重奏の演奏会がより多く開催される事が必要。
4、番組で、新しいイメージのカッコいい弦楽四重奏を世に出して行く。
このような考えにより、弦楽四重奏の新しいイメージを作るために○○四重奏団、○○カルテットという名前は使わないというのがThe 4 Players Tokyoのネーミングのきっかけでした。
弦楽四重奏を中心とした室内楽の演奏機会を増やしたいという考えが長い間あった私は藤岡さんに賛同し、主催公演としての開催に至りました。
感染症の影響により一昨年予定していた第1回公演は2回延期になり昨年ようやく開催、そして今回第2回となりました。
前半、後半ともに藤岡マエストロの曲目解説からスタートし、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲 第2番、シューマンの弦楽四重奏曲 第1番、そしてブラームスの弦楽四重奏曲 第2番と、熱演が繰り広げられました。何年も同じメンバーで演奏会やテレビ撮影、時には合宿もなさった成果か、前回よりも音がどんどん溶けて洗練されているように感じました。藤岡マエストロが大好きなのに生まれて初めて生で聴いたとおっしゃったシューマンは特にすごい集中力ある演奏でした。
ベートーヴェンは演奏機会が多いですが、ベートーヴェンに加えてシューマン、ブラームスというドイツロマン派の曲が2曲続くというプログラムは意外と少なく、当日はテレビカメラも入り完売というこの時期なかなかない最高の成果が出たのは、こういうプログラムがお客様からも求められていたからであろうという事に気づきました。
The 4 Players Tokyoは春はハクジュ、秋は杉並公会堂で年2回のコンサートを行っていき、BSの全国放送により地方公演なども増えて成長して行くと思います。
これからまだまだ洗練されていくThe 4 Players Tokyoに、「エンター・ザ・ミュージック」含めて、応援、ご注目をよろしくお願いいたします。

2022年4月19日(火) The 4 Players Tokyo 第2回 19時開演
[出演]
The 4 Players Tokyo
戸澤哲夫(ヴァイオリン) 遠藤香奈子(ヴァイオリン)
中村洋乃理(ヴィオラ) 矢口里菜子(チェロ)
藤岡幸夫(司会 / 指揮者・The 4 Players Tokyo プロデューサー)

[プログラム]
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第2番 ト長調 op.18-2
シューマン:弦楽四重奏曲 第1番 イ短調 op.41-1
ブラームス:弦楽四重奏曲 第2番 イ短調 op.51-2

[アンコール]
メンデルスゾーン:弦楽四重奏のための4つの小品 op.81 より Ⅳ フーガ

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