原支配人による公演レビュー

2022年12月28日 (水)
【原支配人による公演レビュー】
2022年12月19日(月) Hakuju サロン・コンサート vol.12 アン・セット・シス 山中惇史&高橋優介

私の中に、「ハクジュホールにオーケストラがやって来た」というテーマがあります。学生時代からオーケストラ演奏が趣味で、一時期は趣味を超える度合いで演奏していたこともあり、オーケストラ作品の編成を変えてハクジュホールで披露することを意識しています。12月の主催公演は、リスト編曲のベートーヴェン「交響曲 第4番」のピアノソロ、N響メンバーによる「メタモルフォーゼン」、オペラ「トスカ」、そして今回の「くるみ割り人形」と「ラ・ヴァルス」の2台ピアノと、オーケストラメロディに溢れる内容になりました。
2台ピアノは本当に興味深いので、なるべく主催公演で取り上げるようにしています。天才・山中惇史さんに2台ピアノのオファーをしたら、既に高橋優介さんとアン・セット・シスというコンビを結成されていました。ピアノは88鍵あるので2台合わせると176鍵で、1、7、6をそれぞれフランス語読みにするとアン・セット・シスになります。
前半、モーツァルトの「2台のピアノのためのソナタ」とチャイコフスキーの「くるみ割り人形」はスタンダードで素晴らしい演奏でしたが、休憩時間にピアノが1台になり、鍵盤が客席に向いたのには驚きました。後半は暗転した舞台にお二人が現れ、山中さんと高橋さんお二人の作曲「UZU」を、うずくまりながら顔を上げていくパフォーマンスで披露し、中島夏樹さんの「Alpha Pl.」に突入、正に怒涛のような曲でした。そして再度2台ピアノになると、前の曲が続いているかのようなパフォーマンスで登場し、「ラ・ヴァルス」に入りました。またしても怒涛の演奏でした。駆け抜けた!という印象で、お客様の満足度の高さを感じられるコンサートでした。アン・セット・シスのますますの活躍を祈ります。

2022年12月19日(月) Hakuju サロン・コンサート vol.12 アン・セット・シス 山中惇史&高橋優介 19:00開演
[出演]
アン・セット・シス un-sept-six
 山中惇史 高橋優介(ピアノ、作曲・編曲)

[プログラム]
W.A.モーツァルト:2台のピアノのためのソナタ ニ長調 K.448
P.チャイコフスキー(アン・セット・シス編):組曲「くるみ割り人形」 op.71a より
    “序曲”
    “行進曲”
    “中国の踊り”
    “金平糖の踊り”
    “トレパーク”
    “花のワルツ”
    “パ・ド・ドゥ”
山中惇史&高橋優介:UZU
中島夏樹:Alpha Pl.
E.サティ:ジムノペディ 第1番(高橋ソロ)
E.サティ:グノシエンヌ 第3番(山中ソロ)
M.ラヴェル:ラ・ヴァルス (2台ピアノ版)

[アンコール]
エルガー(高橋優介編):愛の挨拶
アドルフ・アダン(山中惇史編):O Holy Night

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