原支配人による公演レビュー

【原支配人による公演レビュー】

2023年9月28日(木) Hakuju Hall 20周年記念 二期会 ディーヴァ, ディーヴォ 10周年ガラコンサート

日本最大のオペラ団体である二期会には、若手育成のためのオペラ研修所があります。研修所の修了試演会をハクジュホールで行っており、特に優秀な成績で修了した若きオペラ歌手によるファーストコンサートとして2013年に始めた「二期会 ディーヴァ, ディーヴォ」が今年10周年を迎えました。10年も経過すると、当時は若手だった方がオペラ界の中枢に駆け上がり活躍なさっています。今年はハクジュホールの20周年記念公演が4公演あり、その第1弾として9月28日に本コンサートを開催いたしました。
「二期会 ディーヴァ, ディーヴォ」歴代の出演者であるソプラノの高橋維さん（第1回）、渡邊仁美さん（第12回）、メゾ・ソプラノの杉山由紀さん（第1回）、テノールの吉田連さん（第5回）、市川浩平さん（第13回）、バリトンの的場正剛さん（第14回）、ピアノの山口佳代さん（第4回）という豪華なメンバーによるコンサートとなりました。
プログラムは杉山さんによるマーラーの歌曲から始まり、その他は全てオペラアリアでした。『愛の妙薬』、『ばらの騎士』、『セビリアの理髪師』、『椿姫』などの有名なメロディの数々や、アメリカの作曲家コルンゴルトによる『死の都』のアリアが歌われ、全体を通してハクジュホール20周年とシリーズ10周年を祝う華やいだイメージが印象に残りました。特にデュオやトリオの曲では掛け合いの演技があり、お客様にもお楽しみ頂ける内容になったと思います。終演後に舞台裏で皆様にご挨拶した際、アンコールの「シャンパンの歌」を歌い終えてやり遂げたという感じの祝福的なオーラに満ちあふれていました。
通常シリーズ「二期会 ディーヴァ, ディーヴォ」の次回は11月2日です。ハクジュホールはこれからも若手オペラ歌手を応援していきます。

2023年9月28日(木) Hakuju Hall 20周年記念 二期会 ディーヴァ, ディーヴォ 10周年ガラコンサート 14:00開演

［出演］
高橋維、渡邊仁美（以上、ソプラノ）
杉山由紀（メゾ・ソプラノ）
吉田連、市川浩平（以上、テノール）
的場正剛（バリトン）
山口佳代（ピアノ）

［プログラム］
G.マーラー：「子供の魔法の角笛」より 第10曲 “高い知性への賛美” （杉山）
J.マスネ：歌劇「エロディアード」より “彼は優しく、美しい” （渡邊）
G.ドニゼッティ：歌劇「愛の妙薬」より “ララ、ラララ” （高橋・吉田）
E.W.コルンゴルト：歌劇「死の都」より “ピエロの歌” （的場）
G.ヴェルディ：歌劇「ルイザ・ミラー」より “穏やかな夜には” （市川）
R.シュトラウス：歌劇｢ばらの騎士」より “私が誓ったことは” （高橋・渡邊・杉山）
G.ドニゼッティ：歌劇「愛の妙薬」より “人知れぬ涙” （吉田）
G.ロッシーニ：歌劇「セビリアの理髪師」より “それじゃ私だわ” （杉山・的場）
G.ヴェルディ：歌劇「椿姫」より “パリを離れて” （渡邊・市川）
R.シュトラウス：歌劇｢ナクソス島のアリアドネ」より “偉大なる王女様” （高橋）

＜アンコール＞
J.シュトラウスⅡ世：喜歌劇「こうもり」より “シャンパンの歌”

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