原支配人による公演レビュー

2023年11月30日 (木)

【原支配人による公演レビュー】

2023年11月16日(木) Hakuju Hall 20周年記念 Mostly Fujikura @Hakuju Hall

ハクジュホール20周年記念公演の第4弾は、40代にして既に世界的作曲家である藤倉大さんとの企画「Mostly Fujikura @Hakuju Hall」でした。10周年は「アート×アート×アート」、15周年は「作曲家 藤倉大 個展」として藤倉さんの作品を取り上げたので20周年もぜひ!という事で、藤倉さんとKAJIMOTOさんにご尽力いただき開催に至りました。
出演者は尺八の藤原道山さん、三味線の本條秀慈郎さん、箏のLEOさん。プログラムは“モーストリー”という公演名の通り、1曲目の坂本龍一さんと最終曲の高田新司さん(秀慈郎さんの師匠である秀太郎さんの本名)の他は全て藤倉さんの作品です。チェロのための作品「Sparkler」を三味線版に、ホルンのための作品「ざざざ」を尺八と三味線版に編曲するなど準備にかなりの時間をかけ、工夫に工夫を凝らしたコンサートでした。名手の藤原さんが「練習中、吹けるようになる気がしない!!と何度となく思った」とSNSに投稿されるほど高い技術を要する作品ばかりで、公演前日もロンドン在住の藤倉さんによるリモートでのアドバイスのもと、21時過ぎまでリハーサルが続いていました。コンサートの中盤には藤倉さんにリモートでご出演いただきました。秀慈郎さんが藤倉さんに初めて和楽器作品の委嘱をした時から週1回、藤倉さんが秀慈郎さんに三味線を習っているお話などもあり、とても盛り上がりました。高田新司さんの「月の舟 Ⅲ」は荘厳かつ和楽器の醍醐味を存分に味わえる作品で、ゆったりとした気持ちで聴き終えました。NHK「芸能きわみ堂」の収録が入ったので、放送をご覧いただきたいと思います。
本公演をもって20周年記念の4公演が終了いたしました。ハクジュホールならではのコンサートを多くのお客様に楽しんで頂けたと信じています。これからもハクジュでしか出来ない事を世の中に演出していきますので、ご愛顧賜りますようお願い申し上げます。また、この度藤倉さんが開館20周年のお祝いとして開演前のチャイムをご提供くださったので、ご来場の際はぜひお聴きいただければ幸いです。

2023年11月16日(土) Hakuju Hall 20周年記念 Mostly Fujikura @Hakuju Hall 19:00開演
[出演]
藤原道山(尺八) 本條秀慈郎(三味線) LEO(箏)
藤倉大(作曲) ※リモート出演

[プログラム]
坂本龍一(藤原道山&本條秀慈郎&LEO編):大航海 Verso lo schermo [藤原道山・本條秀慈郎・LEO]
藤倉大:もみじ~尺八と箏のための (2022) [藤原道山・LEO]
藤倉大:Sparkler~三味線のための (2020/2021/世界初演) [本條秀慈郎]
藤倉大:竜~箏のための (2019) [LEO]
藤倉大:ころころ~尺八のための (2015) [藤原道山]
藤倉大:ざざざ~尺八と三味線のための (2023/世界初演) [藤原道山・本條秀慈郎]
藤倉大:Cutting Sky~三味線と箏のための (2021) [本條秀慈郎・LEO]
高田新司:月の舟 Ⅲ (2023/世界初演) [藤原道山・本條秀慈郎・LEO]

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