原支配人による公演レビュー
【原支配人による公演レビュー】
2023年12月5日(火) 巡礼の旅 ~ 阪田知樹と辿るベートーヴェンとリストの軌跡
第6回 「ベートーヴェンとリストの『田園』」
半年に1回重ねて来たこのシリーズも第6回。構想から早や5年経過しました。阪田さんも若手から円熟期に向かおうかという年代になって来ました。リスト編曲のベートーヴェン交響曲ツィクルスと、各交響曲に合わせたメッセージ性のあるリストの楽曲を前半に演奏するコンセプトのシリーズです。今回は第6番「田園」。前半は本シリーズネーミングの元となったリストの代表曲、『巡礼の年』より第1年「スイス」からの抜粋でした。ベートーヴェンの交響曲「田園」には楽章全てに表題がついており、古典派音楽で構造音楽でありながら情景を描く珍しい形を取っていると思いますが、やはりこの交響曲には「スイス」がぴったりでしょう。「スイス」は「イタリア」と違い風景的な表題曲が多く、今回演奏されたのは“田園曲”、“泉のほとりで”、“嵐”、“オーベルマンの谷”、素敵な情景が浮かびます。
今回も阪田さんの超絶技巧を皆様にお楽しみ頂けたと思いますが、上記の通り有名曲ばかりでしたので、これまでで1番リラックスしてお聴き頂けたのではないかと思います。
アンコールは「月の光」をしっとりと。最後まで映像が浮かび続けるコンサートになったと思います。
ハクジュホールは2024年4月から6月が改修工事ですので、次回の第7回は2024年12月です。よって最終回の第九公演は2025年12月、年末の時期に行う予定です。
いよいよ終了までのカウントダウンが始まるこの企画、最後まで追いかけて頂けたら幸甚です。
2023年12月5日(火) 巡礼の旅 ~ 阪田知樹と辿るベートーヴェンとリストの軌跡
第6回 「ベートーヴェンとリストの『田園』」19時開演
[出演]
阪田知樹(ピアノ)
[プログラム]
F.リスト:巡礼の年 第1年 「スイス」 S.160/R.10より
第3曲 “田園曲”
第4曲 “泉のほとりで”
第5曲 “嵐”
第6曲 “オーベルマンの谷”
L.v.ベートーヴェン/F.リスト:交響曲 第6番 ヘ長調 S.464/R.128 「田園」
[アンコール]
C.ドビュッシー : 月の光
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