原支配人による公演レビュー
【原支配人による公演レビュー】
2024年7月18日(木) 第172回 リクライニング・コンサート レグルス・クァルテット
今年の4月から6月、3ヶ月間のホール改修工事を終えて最初の主催公演が、「リクライニング・コンサート レグルス・クァルテット」でした。
改修工事では椅子の布地張り替え、壁を壊して空調の入れ替えと壁の塗装のやり直し、また電気系統の入れ替えなどを行いました。ハクジュホールの音響をご存知の奏者に試奏していただき感想を伺ったり、私自身も貸ホール公演時に客席で聴き確認をしておりましたが、改めてホール支配人として改修後の音響を体感するという意味合いのコンサートでもありました。
レグルス・クァルテットは、ホール黎明期に大変お世話になった東京都交響楽団の矢部達哉さんの息子さんが加入されていること、サントリーホール室内楽アカデミーで学んでいることもあり以前より注目しておりました。そのような折に、吉江さんと色々お話しする機会がございまして、東京クヮルテット創立メンバー磯村和英先生のご指導でセカンド ヴァイオリンを東條さんに固定されたことも伺いましたので、「リクライニング・コンサート」ではクァルテット・インテグラ公演から半年も経たないうちにカルテットの登場ということに迷いもありましたが、弦楽トリオ、カルテットの注目度を高めたいという考えからオファーをさせて頂きました。
メンバーは現在、各々のオーケストラ活動で多忙とのこと、実は今年初めてのカルテットの本番だったようですが、今回、メンバーにとってもベストなタイミングだったと思います。
私は15時の部を聴きましたが、冒頭から各種イベント等で良く耳にする曲、モーツァルトの「ディヴェルティメント ニ長調 K.136」を演奏、久々の本番にも関わらずシンプルな名曲でのスタートにメンバーの緊張感が伝わって来ましたが、楽章が進む毎にリラックスしていくのを感じました。その後、ハイドン「ラルゴ」、ウェーベルン「弦楽四重奏のための緩徐楽章」と、色彩感溢れる曲でお客様を魅了していきました。そしてメインは演奏機会の少ないメンデルスゾーンの「弦楽四重奏曲 第6番」、これがまた魅力的な曲でした。全てを聴き、今回のプログラムは素晴らしい組み立ての内容でした。
終了後メンバーから、夜公演は更に良い演奏が出来たとの感想を聞きました。何か定期的に演奏する機会を作りたいというお話しを頂きました。
レグルス・クァルテット、今後のご活躍に期待しております。
2024年7月18日(木) 第172回 リクライニング・コンサート レグルス・クァルテット 15:00開演
[出演]レグルス・クァルテット
吉江美桜、東條太河(以上、ヴァイオリン)山本周(ヴィオラ) 矢部優典(チェロ)
[プログラム]
W.A.モーツァルト:ディヴェルティメントニ長調 K.136
J.ハイドン:弦楽四重奏曲 第79番 ニ長調 op.76-5「ラルゴ」より 第2楽章
A.ウェーベルン:弦楽四重奏のための緩徐楽章
F.メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲 第6番 ヘ短調 op.80
[アンコール]
<15:00開演> J.S.バッハ:コラール「われいずこに逃れ行かん」 BWV 646
<19:30開演> J.S.バッハ:コラール「おお永遠 そは雷のことば」 BWV 20
#レグルスクァルテット#吉江美桜 #東條太河 #山本周 #矢部優典
#HakujuHall #ハクジュホール