原支配人による公演レビュー

2021年12月02日 (木)
【原支配人による公演レビュー】
2021年10月31日(日) 小林美恵 華麗なるヴァイオリンの伝説
第6回「宵ひ待ち草が見た夢」~小林美恵 東欧&アジアを弾く

3年間全6回のシリーズですが、1年間コロナで順延しましたので4年にわたるこの企画も今回が最終回です。
小林美恵さんにはこの企画の前にデビュー30周年のコンサートをハクジュホールで複数開催して頂き、多くの固定ファンがついていたので何か新しい事をリリースしたいというお話の中、音楽プロデューサーの浦久俊彦さんのアイディアで始まり、そして本番のナビゲーターもお願いして、共に駆け抜けてきたシリーズでした。
小林美恵さんとは昨年で最終回を迎えた3月11日のチャリティーコンサートや、コロナ禍で急遽キャンセルになった日程に、ベートーヴェンイヤーという事でベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲を演奏していただくなど、本当に長く濃いお付き合いをさせていただいております。
この企画最後のコンサートは、日本と東欧作曲家の曲になりました。
前半は「宵待草」、「荒城の月」という日本の名曲のヴァイオリン編曲、そして幸田延さんという1870年生まれで日本人初の海外留学生という女性音楽家の単一楽章のソナタがきちんとしたソナタ形式の楽曲紹介の後に演奏、その後はヤナーチェクのソナタでした。
そして後半はバルトーク、エネスコの第3番という難曲中の難曲を、まるで火がついたような、集中力中の集中力で弾ききり、円熟期を迎える名ヴァイオリニストの素晴らしいとしか言えない姿を見ることが出来ました。
後日、美恵さんのファンからも何かハクジュで企画を継続出来ないかというご相談を頂くほどまでに終了が惜しまれたシリーズとなりました。
また1つ素晴らしいシリーズが終了しました。特にピアニストは毎回違う方にお願いしたことも面白かったと思います。ご来場頂きましたお客様、アーティスト、所属事務所の関係各位に感謝いたします。どうもありがとうございました。

小林美恵 華麗なるヴァイオリンの伝説 最終回
第6回「宵ひ待ち草が見た夢」~小林美恵 東欧&アジアを弾く
2021年10月31日(日) 14:00開演

[出演]
小林美恵(ヴァイオリン)
ジャンミッシェル・キム(ピアノ)
浦久俊彦(ナビゲーター)

[プログラム]
多忠亮 (詞:竹久夢二/編:南安雄):宵待草
滝廉太郎 (詞:土井晩翠/編:山田耕筰):荒城の月
幸田延:ヴァイオリン・ソナタ ニ短調(未完)
ヤナーチェク:ヴァイオリン・ソナタ
バルトーク:ヴァイオリンとピアノのための狂詩曲 第2番 BB 96a
エネスコ:ヴァイオリン・ソナタ 第3番 イ短調 op.25 「ルーマニア民俗風で」

[アンコール]
ドヴォルザーク:「8つのユモレスク」より 第7番 op.101-7