原支配人による公演レビュー

2025年01月11日 (土)

【原支配人による公演レビュー】
2024年11月7日(木)第174回 リクライニング・コンサート 髙木竜馬(ピアノ)

実は髙木竜馬さんには昔から個人的に注目していましたが、ご縁が現実のものとなったのは、2017年に白寿本社ビルの1階ロビーで開催していたHakuju ベーゼンドルファー・サロンコンサート・シリーズ「ランチタイム・コンサート」の第26回(全38回)にご出演頂いた時に遡ります。髙木さんは、その翌2018年9月、第16回エドヴァルド・グリーグ国際ピアノコンクールで優勝、および聴衆賞を受賞し、瞬く間に世界中から脚光を浴びました。その後ご活躍の場が広がるにつれ、しばらく連絡が途絶えておりましたが、数年前私のツイッター(現X)にフォローを頂いたのがきっかけでやり取りが再開し今回のご出演に繋がりました。髙木さんは、ショパン・コンクールに挑む若者たちを描いたテレビアニメ「ピアノの森」のピアノコンサートで全国ツアーを行い、多忙を極めていらっしゃるので、300席の小ホールのオファーは到底受けて頂けないのではないかと思いながら、恐る恐るご出演のオファーをしたところ、予想に反してご快諾を頂きました。ありがたい限りでした。そのような状況でしたので、内容については「リクライニング・コンサート」の主旨をお伝えして髙木さんにお任せしました。プログラムはラフマニノフ、ドビュッシー、そして彼の真骨頂であるグリーグの「抒情小曲集 第8集 op.65 」より第6曲という選曲でお客様にリラックスして頂き、その後はシューマンの「謝肉祭op.9」から全曲というなかなか演奏機会が少ない曲を取り上げる素晴らしいプログラムでした。
最近はいろんなコンサートでも増えてきましたが、このシリーズでは必ずお話しをして頂くようになっております。そのお話の中で、今回のツアーはCDに収録した曲をツアーで弾いていて、本公演がツアーの締めであるというお話をされていました。そんな思い入れのある曲を弾き切り、シューマンの「謝肉祭」では曲の後半に向かう集中力の高まりがお客様を巻き込んで行ったように感じました。正にブラボーでした。
実は今回初めてゆっくりお話ししたのですが、髙木さんが思い描く今後の構想ややってみたい事など多くの事を伺うことが出来ました。また公演のチケットについても、髙木さんの人気を裏打ちするがごとく、かなり早い段階から完売となり大変嬉しく思いました。
ご来場いただいた皆様に改めて感謝申し上げます。

2024年11月07日(木)15:00開演
第174回 リクライニング・コンサート 髙木竜馬(ピアノ)

[出演]
髙木竜馬(ピアノ)

[プログラム]
S.ラフマニノフ:幻想的小品集 op.3 より 第2曲 前奏曲 嬰ハ短調 “鐘”
S.ラフマニノフ(江口玲編):パガニーニの主題による狂詩曲 op.43 より 第18変奏曲
C.ドビュッシー:ベルガマスク組曲 より 第3曲 “月の光“
C.ドビュッシー:前奏曲集 第2巻 より 第10曲 “カノープ“
E.グリーグ:抒情小曲集 第8集 op.65 より 第6曲 “トロルハウゲンの婚礼の日”
R.シューマン:謝肉祭 op.9

[アンコール]
R.シューマン:「子どもの情景」op.15より 第7曲 トロイメライ


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