原支配人による公演レビュー

2025年06月27日 (金)

【原支配人による公演レビュー】
2025年3月6日(木) 第177回 リクライニング・コンサート 小川響子(ヴァイオリン)&秋元孝介(ピアノ)

 ピアノ・トリオとして活躍されている葵トリオがミュンヘン国際音楽コンクールで優勝されたのが2018年。サントリーホール室内楽アカデミー出身で、受賞直後サントリーホールブルーローズにてお祝いコンサートが開催され、その後も引っ張りだこの葵トリオにハクジュホールはこれまでオファーを控えてきました。メンバーについても2019年に終了したチェロ・コレクションやコロナ禍でのコンサートで伊東裕さんにご出演して頂いた以外は、あまりご縁がありませんでしたが、一昨年指揮者の茂木大輔さんの企画にてセカンドヴァイオリントップをされていた小川響子さんとようやくお会いすることが出来ました。その後、小川さんが名古屋フィルのコンサートマスターに就任され、色々なジャンルで活躍されたいという意志を感じ、思い切ってリクライニング・コンサートへのご出演をオファーいたしました。すると小川さんは共演者に、葵トリオの秋元孝介さんをご指名。「あきもと、おがわ、いとう」。名前の1文字目で「あ、お、い」。そんな葵トリオですが、今回伊東さんは出演されなかったので「あ、お」デュオでのコンサートとなりました。
 このコンサートの取材で弊社本業の主力商品ヘルストロンのユーザー向け専門誌ヘルシーメイツという雑誌で小川さんにインタビューをさせて頂きました。そこで小川さんは、ジャンルの枠を超えた挑戦を重ねて結果を残し、より成長していきたいという軸は葵トリオであるとお話をされていました。
 プログラムのメインは先ずフランクと決め、ミヨー、ラヴェル、メシアンと前半はフランスの作曲家で固めた内容でした。練ったプログラムだと思いましたし、秋元さんのピアノの繊細さ、ダイナミクスレンジの広さ、そして音色にも感動しました。
 私のアマオケ時代の先輩で葵トリオのファンの方が数名当日来て下さいました。演奏もさる事ながら小川響子さんの誠実なお人柄等が演奏から滲み出ているのもファンが多い理由だと改めて感じました。
 打ち上げの場で、秋元さんと初めてお話ししましたがアイディア溢れる感じで盛り上がり、葵トリオと何か新しい事を始めようかという話になりました。今後のハクジュホール主催公演にはアンテナを張っておいて頂ければと思います。


2025年3月6日(木) 第177回 リクライニング・コンサート 小川響子(ヴァイオリン)&秋元孝介(ピアノ) 19:30開演
[出演]
小川響子(ヴァイオリン) 秋元孝介(ピアノ)
 
[プログラム]
D.ミヨー:春 op.18
M.ラヴェル:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ(遺作) 
O.メシアン:主題と変奏
C.フランク:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ イ長調 M.8

[アンコール]
E.イザイ:子供の夢 op.14

#小川響子 #秋元孝介 
#HakujuHall #ハクジュホール

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