原支配人による公演レビュー

2021年11月12日 (金)
【原支配人による公演レビュー】
2021年10月15日(金) Hakuju サロン・コンサート vol.6 木嶋真優と過ごすひととき

コロナの影響で昨年の5月から延期になり、今年の2月も緊急事態宣言で再延期。一昨年の春にオファーさせて頂いて2年半経過してやっと実現化したコンサートです。
アーティストが自宅サロンにお客様をお迎えしたらどんなコンサートになるか、というコンセプトの「Hakuju サロン・コンサート」ですが、木嶋さんはとても真面目に捉えて下さいまして、寸前までプログラムも悩まれ、結局、エルガーの「愛の挨拶」、プロコフィエフの「ロメオとジュリエット」、ガーシュウィンの「ポーギーとベス」、フランクの「ヴァイオリン・ソナタ」等を軸に、お客様が聴きやすい曲をアンコールも含めご準備して下さいました。
木嶋さんはテレビ出演も多く、知名度が一般にも高い方です。演奏会の時にお話をするのはどちらかというと苦手な方だという事でしたが、従前からSNSを通じて質問を募り、それにいくつか答えていくというコーナーを作り、お客様との交流を楽しまれていました。
また、クラシックのコンサートですが色々なジャンルとのコラボに挑戦されているのは一般に知られていると思いますが、前半が終わる休憩前に予定プログラム外で竹内まりやさんが歌われている「いのちの歌」を入れられたのはものすごいアクセントでした。
全曲、演奏する時のオーラが余りにも素晴らしく、特にメインのフランクのソナタは聴いたことがないテンポ配分と解釈で、私は客席にて何かの世界に引きずり込まれて行くような感覚を持ちました。
「客席ではブラボー等の声出しはご遠慮願います」と場内アナウンスでお願いしておりましたが、興奮して我慢出来ないお客様から、「ナイス!」という掛け声が出てしまいました。ブラボーじゃなければ良いだろうではなく声を出さないでください、という趣旨なんですが、我慢出来ないお客様が出てしまうほどに客席が興奮するコンサートになったという事でしょう。
昨年5月予定で、一昨年9月にチケット発売後まもなく完売、今年2月に再延期になった際に全て払い戻しいたしました。今回は再発売をしたのですが、お待たせしてしまった分、いらしたお客様にとっては本当に素晴らしいコンサートになったと鳴りやまない拍手の中確信いたしました。

【Hakuju サロン・コンサート vol.6 木嶋真優と過ごすひととき】
2021.10.15 (金) 19:00開演
[出演]
木嶋真優(ヴァイオリン)
坂野伊都子(ピアノ)

[プログラム]
エルガー:愛の挨拶 op.12
プロコフィエフ:バレエ音楽「ロメオとジュリエット」より
前奏曲
少女ジュリエット
騎士の踊り
バルコニーの情景
カップルの踊り
マーキューシオの死
戦いとティボルトの死
ガーシュウィン(ハイフェッツ編):歌劇「ポーギーとベス」より “そんなことはどうでもいいさ”
ファリャ(クライスラー編):歌劇「はかなき人生」より スペイン舞曲 第1番
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調

[本編追加曲]
村松崇継:いのちの歌
[アンコール曲]
ドビュッシー:月の光
モンティ:チャールダーシュ