原支配人による公演レビュー

2021年10月20日 (水)
【原支配人による公演レビュー】
2021年9月16日(木) 第161回 リクライニング・コンサート 安達真理 ヴィオラ・リサイタル 19:30公演

一昨年ですが、ホールミーティングにて制作担当からヴィオラの安達真理さんという提案が来ました。当時私は安達さんと面識がなくソロも聴いた事がありませんでしたが、ヴィオラソロのリクライニング・コンサートは記憶になく、メンバーからの推薦という事で安達さんにオファーしました。本コンサートも昨年実現すべき延期公演でしたので、また1年以上お待たせして、やっと実現したものです。本オファーから安達さんとは急に親しくなり、一昨年行われた弊社オーナーの関係のパーティーで弦楽四重奏の演奏をお願いしたり、緊急事態宣言下でも文化庁の助成を貰った上で、3回ほどハクジュホールを利用して頂きました。
そして当日、テレビマンユニオンの配信映像のカメラも入り、またコロナ禍以降、急に親しくなったピアノの入江一雄さんとのデュオということで期待が高まりました。最終曲のピアソラ以外は全部ヴィオラのオリジナル曲。ヴィオラは一般的にヴァイオリン、チェロに比較してオリジナル曲が極端に少なく、ヴァイオリンとチェロ原曲のアレンジが多いのですが、今回はまさにヴィオラ!という選曲と内容だったと思います。
ブロッホというユダヤ人でエキゾチックなメロディーが特徴の作曲家による「ヴィオラとピアノのための組曲」という大曲を軸にジット、そしてホールでもお世話になっている加藤昌則さんの曲、最後はチェロ原曲のピアソラの「ル・グラン・タンゴ」という組み合わせでしたが、本当に構成が練り上げられていて、“リクライニング=リラックス”というより、色々なメロディー、奏法を介して異次元?ファンタジー?の世界に連れて行ってくれるようなコンサートになりました。入江さんとのバランスも素晴らしく、ヴィオラの後ろで繊細さとフォルテッシモを見事に弾き分けながら超絶技巧を駆使されていました。
安達さんは今年4月から日本フィルハーモニー交響楽団のヴィオラパート客演首席奏者にも任命されて、これからも益々の活躍が期待される奏者です。
今回出来たご縁が更に広がると嬉しい、入江さん共々これからもご縁が持てればありがたいと思いました。

【第161回 リクライニング・コンサート 安達真理 ヴィオラ・リサイタル】
2021.9.16 (木) 15:00開演/19:30開演
[出演]
安達真理(ヴィオラ)
入江一雄(ピアノ)

[プログラム]
H.ジット : 「6つのアルバムの小品」op.39 より 第1楽章 モデラート
E.ブロッホ : ヴィオラとピアノのための組曲
加藤昌則 : 未在の庭 ~ヴィオラとピアノのための~
A.ピアソラ : ル・グラン・タンゴ

[アンコール]
ピアソラ : タンティ・アンニ・プリマ (アヴェ・マリア)