原支配人による公演レビュー
2021年09月21日 (火)
【原支配人による公演レビュー】
2021年8月20日(金)~22日(日)「第15回 Hakuju ギター・フェスタ 2021 原点回帰」
8月20日から22日の3日間、「第15回 Hakuju ギター・フェスタ」が行われました。題して “原点回帰”。
2006年にスタートしましたが、回数を重ねてハクジュのナンバーワン企画として君臨。国際フェスティバル開催時には世界初演の発表をするという慣習があるように、「Hakuju ギター・フェスタ」では毎年テーマを決めながら、必ず世界初演の発表をして参りました。
本来であれば昨年に第15回が行われるはずでした。前年の打ち合わせ、つまり一昨年になる訳ですが、オリンピック・パラリンピックのインバウンドでホテル状況がどうなるか分からないので日本人だけで開催しよう、“原点回帰” でフラメンコギターの沖仁さんをゲストに迎え、今回はフェスでは初めてとなるギターだけの編成にしようと企画を立てました。
昨年は残念ながらコロナの影響でフェスタが流れてしまいましたが、その空いた日程に、日本コロムビアさんの協力で「DUO2」というCDの録音をすることが出来ました。1枚目の「DUO」は荘村清志さんと福田進一さんによるものでしたが、今回は大萩康司さん、鈴木大介さんが加わり、4人による「DUO2」という題名でリリース。このCDが出せたのはコロナ禍の副産物でした。
開催が1年空いたので16年目の「Hakuju ギター・フェスタ」となりましたが、同じホール、同じアーティストで15年も企画が続く事は珍しい例だそうで、たいへん貴重なことであり、我々の誇りでもあります。
フェスタは例年のように3日間のコンサート。各日、1部・2部の構成にし、初日は大萩さん&荘村さん、福田さん&鈴木大介さん、2日目は鈴木大介さん&大萩さん、荘村さん&福田さん、3日目は沖仁さんと参加者5人によるデュオ、カルテット等複数での演奏でした。
ギタリスト4名の選曲は、タイトル通りにそれぞれの原点となる曲。またそれぞれの部にはアンコールでその日出演していないギタリストが出演して花を添えまして、初日と2日目に4人のギタリストが全員出られるように企画いたしました。
また2日目の午後、「旬のギタリストを聴く」にはパリ在住の松本大樹さんが出演いたしました。松本さんの演奏は人の思いをテーマにした選曲で、独特な世界観のあるコンサートになりました。
3日目フィナーレは沖仁さんのフラメンコギターに圧倒。オリジナル曲中心の構成でしたが、一曲「禁じられた遊び」を入れて頂いたことは、お客様にとっても喜ばしいことだったかと思います。後半は委嘱作品の世界初演曲を挟みながら、ギタリストの皆さんのアンサンブル演奏で締めくくりました。そしてアンコールまで、皆さん楽しみながら良い雰囲気だったと思います。
2年振りの「Hakuju ギター・フェスタ」でしたが、関係者の方々の久々に開催出来る喜びのオーラをたくさん感じることが出来たコンサートになりました。
例年は終演後の打ち上げがとても楽しく、終演後も“フェスタ”な気分でしたが、今年は流石に開催出来ず… 来年、打ち上げを楽しみにしようと語り合いました。
7月12日の緊急事態宣言発令により収容人数の規制があった今回の公演、通常通り開催出来ていたなら全公演ともチケットが完売になるような人気公演だったので、チケット販売を中止せざるを得なかったことが唯一悔やまれました。
来年度の開催はすでに決まっています。
2022年8月も、また「Hakujuギター・フェスタ」でお待ちしています。
第15回 Hakuju ギター・フェスタ 2021 原点回帰
~日本が誇る5人のギタリストがギターの魅力を聴かせる~
8月20日(金)19:00開演 第一夜
Part1 大萩康司 ソロ
[出演]
大萩康司(ギター)
アンコールゲスト : 荘村清志
[プログラム]
F.ソル : モーツァルトの「魔笛」の主題による変奏曲 op.9
L.ブローウェル : ラ・グラン・サラバンダ(ver.2019)
藤井敬吾 : 羽衣伝説~山入端博の旋律に基づく
Part2 福田進一 ソロ
[出演]
福田進一(ギター)
アンコールゲスト : 鈴木大介
[プログラム]
M.オアナ : ティエント
M.ポンセ : 「スペインのフォリア」の主題による変奏曲とフーガ
J.S.バッハ(福田進一編) : 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第2番 ニ短調 BWV 1004 より 第5曲 “シャコンヌ”
8月21日(土)16:00開演(約45分) 旬のギタリストを聴く
松本大樹 リサイタル
[出演]
松本大樹(ギター)
[プログラム]
ベートーヴェン(西垣正信編) : 麗しい「J」のためのアダージョ
チェンバロとマンドリンのための変奏曲
R.シューマン(C.マルキオーネ編) : 「詩人の恋」 op.48 より
第1曲 “美しい五月には”
第2曲 “僕のあふれる涙から”
第14曲 “夜毎君の夢を”
R.シューマン(F.タレガ編) : 「子供の情景」 op.15 より 第7曲 “トロイメライ”
G.レゴンディ : ベッリーニの歌劇「カプレーティとモンテッキ」のアリアによる変奏曲
S.ドッジソン : ファンタジー・ディヴィジョンズ
8月21日(土)18:30開演 第二夜
Part1 鈴木大介 ソロ
[出演]
鈴木大介(ギター)
アンコールゲスト : 大萩康司
[プログラム]
L.d.ナルバエス : 皇帝の歌
J.ロドリーゴ : かつて音に聞こえしイタリカ
F.シューベルト(J.K.メルツ編) : シューベルトの6つの歌曲
1.涙の讃美
2.愛の便り
4.セレナーデ
5.郵便馬車 Die Post
A.ピアソラ : アディオス・ノニーノ
A.ピアソラ : リベルタンゴ
Part2 荘村清志 ソロ
[出演]
荘村清志(ギター)
アンコールゲスト : 福田進一
[プログラム]
I.アルベニス:
「スペイン組曲」 op.47 より 第1曲 “グラナダ”
「旅の思い出」 op.71 より 第6曲 “入江のざわめき”
マリョルカ島(舟歌) op.202
「12の性格的小品」 op.92 より 第12曲 “朱色の塔”
「スペインの歌」 op.232 より 第4曲 “コルドバ”
「スペインの組曲」 op.47 より 第3曲 “セビーリャ”
8月22日(日)15:00開演 フィナーレ
Part1 沖仁 ソロ
[出演]
沖仁(ギター)
アンコールゲスト : 福田進一(大萩康司)
[プログラム]
沖仁 : レスペート・イ・オルグージョ ~誇りと敬意~(ファルーカ)
不詳 : 禁じられた遊び
I.アルベニス : 「スペイン組曲」 op.47 より 第5曲 “アストゥリアス (伝説)”
沖仁 : マエストロ・セラニート (ソレア)
沖仁 : フエゴ ~炎~ (ブレリア)
Part2 ギター・アンサンブル~委嘱新作・世界初演
[出演]
荘村清志、福田進一、鈴木大介、大萩康司(ギター)
[プログラム]
I.アルベニス(M.リョベート編) : 「スペインの歌」 op.232 より 第3曲 “椰子の木陰で”(1st 鈴木/2nd 大萩)
A.ピアソラ : 「タンゴ組曲」より 第2楽章、第3楽章(1st 大萩/2nd 鈴木)
A.ヴィヴァルディ : 「2つのマンドリンのための協奏曲」 ト長調 RV.532 より 第2楽章 アンダンテ(1st 荘村/2nd 福田)
F.メンデルスゾーン(M.リョベート編) : 無言歌集 第4巻 op.53 より 第2曲 「浮雲」(1st 福田/2nd 荘村)
M.カステルヌオーヴォ=テデスコ : エレジー風フーガ op.211(1st 荘村/2nd 福田)
J.M.レイモン : MIDNIGHT MEMORIES
(Hakuju ギター・フェスタ 2020委嘱作品/世界初演)(1st 福田/2nd 荘村)
R.ディアンス : 「ハムサ」より 第5楽章 チュニス・チュニジア(1st 荘村/2nd 福田/3rd 鈴木/4th 大萩)
2021年8月20日(金)~22日(日)「第15回 Hakuju ギター・フェスタ 2021 原点回帰」
8月20日から22日の3日間、「第15回 Hakuju ギター・フェスタ」が行われました。題して “原点回帰”。
2006年にスタートしましたが、回数を重ねてハクジュのナンバーワン企画として君臨。国際フェスティバル開催時には世界初演の発表をするという慣習があるように、「Hakuju ギター・フェスタ」では毎年テーマを決めながら、必ず世界初演の発表をして参りました。
本来であれば昨年に第15回が行われるはずでした。前年の打ち合わせ、つまり一昨年になる訳ですが、オリンピック・パラリンピックのインバウンドでホテル状況がどうなるか分からないので日本人だけで開催しよう、“原点回帰” でフラメンコギターの沖仁さんをゲストに迎え、今回はフェスでは初めてとなるギターだけの編成にしようと企画を立てました。
昨年は残念ながらコロナの影響でフェスタが流れてしまいましたが、その空いた日程に、日本コロムビアさんの協力で「DUO2」というCDの録音をすることが出来ました。1枚目の「DUO」は荘村清志さんと福田進一さんによるものでしたが、今回は大萩康司さん、鈴木大介さんが加わり、4人による「DUO2」という題名でリリース。このCDが出せたのはコロナ禍の副産物でした。
開催が1年空いたので16年目の「Hakuju ギター・フェスタ」となりましたが、同じホール、同じアーティストで15年も企画が続く事は珍しい例だそうで、たいへん貴重なことであり、我々の誇りでもあります。
フェスタは例年のように3日間のコンサート。各日、1部・2部の構成にし、初日は大萩さん&荘村さん、福田さん&鈴木大介さん、2日目は鈴木大介さん&大萩さん、荘村さん&福田さん、3日目は沖仁さんと参加者5人によるデュオ、カルテット等複数での演奏でした。
ギタリスト4名の選曲は、タイトル通りにそれぞれの原点となる曲。またそれぞれの部にはアンコールでその日出演していないギタリストが出演して花を添えまして、初日と2日目に4人のギタリストが全員出られるように企画いたしました。
また2日目の午後、「旬のギタリストを聴く」にはパリ在住の松本大樹さんが出演いたしました。松本さんの演奏は人の思いをテーマにした選曲で、独特な世界観のあるコンサートになりました。
3日目フィナーレは沖仁さんのフラメンコギターに圧倒。オリジナル曲中心の構成でしたが、一曲「禁じられた遊び」を入れて頂いたことは、お客様にとっても喜ばしいことだったかと思います。後半は委嘱作品の世界初演曲を挟みながら、ギタリストの皆さんのアンサンブル演奏で締めくくりました。そしてアンコールまで、皆さん楽しみながら良い雰囲気だったと思います。
2年振りの「Hakuju ギター・フェスタ」でしたが、関係者の方々の久々に開催出来る喜びのオーラをたくさん感じることが出来たコンサートになりました。
例年は終演後の打ち上げがとても楽しく、終演後も“フェスタ”な気分でしたが、今年は流石に開催出来ず… 来年、打ち上げを楽しみにしようと語り合いました。
7月12日の緊急事態宣言発令により収容人数の規制があった今回の公演、通常通り開催出来ていたなら全公演ともチケットが完売になるような人気公演だったので、チケット販売を中止せざるを得なかったことが唯一悔やまれました。
来年度の開催はすでに決まっています。
2022年8月も、また「Hakujuギター・フェスタ」でお待ちしています。
第15回 Hakuju ギター・フェスタ 2021 原点回帰
~日本が誇る5人のギタリストがギターの魅力を聴かせる~
8月20日(金)19:00開演 第一夜
Part1 大萩康司 ソロ
[出演]
大萩康司(ギター)
アンコールゲスト : 荘村清志
[プログラム]
F.ソル : モーツァルトの「魔笛」の主題による変奏曲 op.9
L.ブローウェル : ラ・グラン・サラバンダ(ver.2019)
藤井敬吾 : 羽衣伝説~山入端博の旋律に基づく
Part2 福田進一 ソロ
[出演]
福田進一(ギター)
アンコールゲスト : 鈴木大介
[プログラム]
M.オアナ : ティエント
M.ポンセ : 「スペインのフォリア」の主題による変奏曲とフーガ
J.S.バッハ(福田進一編) : 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第2番 ニ短調 BWV 1004 より 第5曲 “シャコンヌ”
8月21日(土)16:00開演(約45分) 旬のギタリストを聴く
松本大樹 リサイタル
[出演]
松本大樹(ギター)
[プログラム]
ベートーヴェン(西垣正信編) : 麗しい「J」のためのアダージョ
チェンバロとマンドリンのための変奏曲
R.シューマン(C.マルキオーネ編) : 「詩人の恋」 op.48 より
第1曲 “美しい五月には”
第2曲 “僕のあふれる涙から”
第14曲 “夜毎君の夢を”
R.シューマン(F.タレガ編) : 「子供の情景」 op.15 より 第7曲 “トロイメライ”
G.レゴンディ : ベッリーニの歌劇「カプレーティとモンテッキ」のアリアによる変奏曲
S.ドッジソン : ファンタジー・ディヴィジョンズ
8月21日(土)18:30開演 第二夜
Part1 鈴木大介 ソロ
[出演]
鈴木大介(ギター)
アンコールゲスト : 大萩康司
[プログラム]
L.d.ナルバエス : 皇帝の歌
J.ロドリーゴ : かつて音に聞こえしイタリカ
F.シューベルト(J.K.メルツ編) : シューベルトの6つの歌曲
1.涙の讃美
2.愛の便り
4.セレナーデ
5.郵便馬車 Die Post
A.ピアソラ : アディオス・ノニーノ
A.ピアソラ : リベルタンゴ
Part2 荘村清志 ソロ
[出演]
荘村清志(ギター)
アンコールゲスト : 福田進一
[プログラム]
I.アルベニス:
「スペイン組曲」 op.47 より 第1曲 “グラナダ”
「旅の思い出」 op.71 より 第6曲 “入江のざわめき”
マリョルカ島(舟歌) op.202
「12の性格的小品」 op.92 より 第12曲 “朱色の塔”
「スペインの歌」 op.232 より 第4曲 “コルドバ”
「スペインの組曲」 op.47 より 第3曲 “セビーリャ”
8月22日(日)15:00開演 フィナーレ
Part1 沖仁 ソロ
[出演]
沖仁(ギター)
アンコールゲスト : 福田進一(大萩康司)
[プログラム]
沖仁 : レスペート・イ・オルグージョ ~誇りと敬意~(ファルーカ)
不詳 : 禁じられた遊び
I.アルベニス : 「スペイン組曲」 op.47 より 第5曲 “アストゥリアス (伝説)”
沖仁 : マエストロ・セラニート (ソレア)
沖仁 : フエゴ ~炎~ (ブレリア)
Part2 ギター・アンサンブル~委嘱新作・世界初演
[出演]
荘村清志、福田進一、鈴木大介、大萩康司(ギター)
[プログラム]
I.アルベニス(M.リョベート編) : 「スペインの歌」 op.232 より 第3曲 “椰子の木陰で”(1st 鈴木/2nd 大萩)
A.ピアソラ : 「タンゴ組曲」より 第2楽章、第3楽章(1st 大萩/2nd 鈴木)
A.ヴィヴァルディ : 「2つのマンドリンのための協奏曲」 ト長調 RV.532 より 第2楽章 アンダンテ(1st 荘村/2nd 福田)
F.メンデルスゾーン(M.リョベート編) : 無言歌集 第4巻 op.53 より 第2曲 「浮雲」(1st 福田/2nd 荘村)
M.カステルヌオーヴォ=テデスコ : エレジー風フーガ op.211(1st 荘村/2nd 福田)
J.M.レイモン : MIDNIGHT MEMORIES
(Hakuju ギター・フェスタ 2020委嘱作品/世界初演)(1st 福田/2nd 荘村)
R.ディアンス : 「ハムサ」より 第5楽章 チュニス・チュニジア(1st 荘村/2nd 福田/3rd 鈴木/4th 大萩)