原支配人による公演レビュー
2021年05月28日 (金)
【原支配人による公演レビュー】
2021年5月19日(水) 2019年度 ロン・ティボー・クレスパン国際音楽コンクール優勝者 三浦謙司 ピアノ・リサイタル
最近ハクジュホールは2018年高松国際ピアノコンクール優勝者、第10回 浜松国際ピアノコンクール優勝者の副賞として白寿ビルエントランスコンサートというものをハクジュホール主催コンサートとして準備して来ました。2014年から2019年まで白寿ビルの1階エントランスにベーゼンドルファー社さんからグランドピアノをお借りしていたのですが返却することになりまして、18年第10回浜松国際ピアノコンクール優勝者のジャン・チャクムルさんは昨年2月に7階ハクジュホールで受賞記念コンサートを開きました。ご縁を持ちアンテナを張ってみると、受賞記念公演はオーケストラで協奏曲共演は多いですが都内の中ホールや小ホール主催で行われる事がないという事実も判明し、コロナ前から、中村紘子先生が情熱燃やした浜松国際での優秀なピアニストを紹介するコンサートが出来たら…という話になっていました。
そんな中で行われた2019年のロン・ティボー・クレスパン国際音楽コンクールはピアノ部門で日本人が1位、2位、ワンツーフィニッシュ!今回は別府アルゲリッチ音楽祭さんから、三浦謙司さんの優勝記念の凱旋リサイタルをハクジュホールでとのご縁をいただき、ホール主催でやろうという事になりました。また三浦さんはずっとドイツに在住されている方で私は面識がなかったのですが、ロン・ティボー国際音楽コンクールピアノ部門では日本人の優勝は清水和音さん以来の快挙という事もあり、開催を決断しました。
途中緊急事態宣言があり14日間のステイもされて、せっかく日本に来たのに公演が流れるリスクに晒されましたが、どうにか無事に開催出来てほっとしています。4月23日の段階で半分の席数以上売れていたのですが、緊急事態宣言のため痛恨のチケット売り止め。こんな快挙のコンサートを売り止めしないといけない悔しさはありましたが、当日は多くの方、著名人の顔もちらほら見えました。
コンサートの前半はシューベルト、プーランク、ショパン、後半はシューマン、ドビュッシー、リストという組み合わせ、ドイツ―フランス―東欧のメジャー作曲家の取り合わせは前半後半同じで、物凄い集中力の中で曲間にお客様に拍手をする隙を与えない演奏でした。
鍵盤へのタッチもそうですが、ペダルの使い方なのか、また今までに体験したことのない音色でした。全般的に繊細なタッチという感じでしたが、最後のリストは迫力が会場を覆い尽くすような演奏になりました。
5月も緊急事態宣言で主催1公演、貸出が4公演流れましたが、なんとか主催2公演を行う事が出来ました。そんな苦しい中ではありますが、国際コンクール優勝者の集中力溢れる名演の場を設定出来たことはとても嬉しいし光栄な事でした。
【2019年度 ロン・ティボー・クレスパン国際音楽コンクール優勝者 三浦謙司 ピアノ・リサイタル 】
2021.5.19 (水) 19:00開演
[出演]
三浦謙司(ピアノ)
[プログラム]
シューベルト : 「4つの即興曲集」 D.899より 第3番 変ト長調
プーランク : 「15の即興曲」より
第7番 ハ長調
第12番 変ホ長調 “シューベルトを讃えて”
第15番 ハ短調 “エディット・ピアフを讃えて”
ショパン : 即興曲 第1番 変イ長調 op.29
即興曲 第2番 嬰ヘ長調 op.36
即興曲 第3番 変ト長調 op.51
幻想即興曲(遺作) 嬰ハ短調 op.66
シューマン : アラベスク ハ長調 op.18
ドビュッシー : 2つのアラベスク
リスト : ピアノ・ソナタ ロ短調 S.178/R.21
[アンコール]
モンポウ: 「風景」より “泉と鐘”
ドビュッシー:「忘れられた映像」より 第1曲 レント
2021年5月19日(水) 2019年度 ロン・ティボー・クレスパン国際音楽コンクール優勝者 三浦謙司 ピアノ・リサイタル
最近ハクジュホールは2018年高松国際ピアノコンクール優勝者、第10回 浜松国際ピアノコンクール優勝者の副賞として白寿ビルエントランスコンサートというものをハクジュホール主催コンサートとして準備して来ました。2014年から2019年まで白寿ビルの1階エントランスにベーゼンドルファー社さんからグランドピアノをお借りしていたのですが返却することになりまして、18年第10回浜松国際ピアノコンクール優勝者のジャン・チャクムルさんは昨年2月に7階ハクジュホールで受賞記念コンサートを開きました。ご縁を持ちアンテナを張ってみると、受賞記念公演はオーケストラで協奏曲共演は多いですが都内の中ホールや小ホール主催で行われる事がないという事実も判明し、コロナ前から、中村紘子先生が情熱燃やした浜松国際での優秀なピアニストを紹介するコンサートが出来たら…という話になっていました。
そんな中で行われた2019年のロン・ティボー・クレスパン国際音楽コンクールはピアノ部門で日本人が1位、2位、ワンツーフィニッシュ!今回は別府アルゲリッチ音楽祭さんから、三浦謙司さんの優勝記念の凱旋リサイタルをハクジュホールでとのご縁をいただき、ホール主催でやろうという事になりました。また三浦さんはずっとドイツに在住されている方で私は面識がなかったのですが、ロン・ティボー国際音楽コンクールピアノ部門では日本人の優勝は清水和音さん以来の快挙という事もあり、開催を決断しました。
途中緊急事態宣言があり14日間のステイもされて、せっかく日本に来たのに公演が流れるリスクに晒されましたが、どうにか無事に開催出来てほっとしています。4月23日の段階で半分の席数以上売れていたのですが、緊急事態宣言のため痛恨のチケット売り止め。こんな快挙のコンサートを売り止めしないといけない悔しさはありましたが、当日は多くの方、著名人の顔もちらほら見えました。
コンサートの前半はシューベルト、プーランク、ショパン、後半はシューマン、ドビュッシー、リストという組み合わせ、ドイツ―フランス―東欧のメジャー作曲家の取り合わせは前半後半同じで、物凄い集中力の中で曲間にお客様に拍手をする隙を与えない演奏でした。
鍵盤へのタッチもそうですが、ペダルの使い方なのか、また今までに体験したことのない音色でした。全般的に繊細なタッチという感じでしたが、最後のリストは迫力が会場を覆い尽くすような演奏になりました。
5月も緊急事態宣言で主催1公演、貸出が4公演流れましたが、なんとか主催2公演を行う事が出来ました。そんな苦しい中ではありますが、国際コンクール優勝者の集中力溢れる名演の場を設定出来たことはとても嬉しいし光栄な事でした。
【2019年度 ロン・ティボー・クレスパン国際音楽コンクール優勝者 三浦謙司 ピアノ・リサイタル 】
2021.5.19 (水) 19:00開演
[出演]
三浦謙司(ピアノ)
[プログラム]
シューベルト : 「4つの即興曲集」 D.899より 第3番 変ト長調
プーランク : 「15の即興曲」より
第7番 ハ長調
第12番 変ホ長調 “シューベルトを讃えて”
第15番 ハ短調 “エディット・ピアフを讃えて”
ショパン : 即興曲 第1番 変イ長調 op.29
即興曲 第2番 嬰ヘ長調 op.36
即興曲 第3番 変ト長調 op.51
幻想即興曲(遺作) 嬰ハ短調 op.66
シューマン : アラベスク ハ長調 op.18
ドビュッシー : 2つのアラベスク
リスト : ピアノ・ソナタ ロ短調 S.178/R.21
[アンコール]
モンポウ: 「風景」より “泉と鐘”
ドビュッシー:「忘れられた映像」より 第1曲 レント