原支配人による公演レビュー

2021年04月30日 (金)
【原支配人による公演レビュー】
2021年4月15日(木) 「第22回 二期会ディーヴァ、ディーヴォ」 14時開演

日本最大のオペラ団体である二期会。その研修所を優秀な成績で修了された6名に出演していただく機会を作ろうという事で始まったコンサートです。当初は外部スポンサーもついたのでワンコイン500円で11時開演の1時間のモーニングコンサート形式で開催しておりましたが、諸処の事情で一昨年より14時開演の午後公演に変更させて頂き開催しております。
早いもので第22回となり、今までの出演者の中にはオペラ界の中心で活躍されている方も出て来ております。若手の方々にとっても貴重な機会だと想像されますが、我々ハクジュホールにとっても重要な位置付けのコンサートになっております。
今回はソプラノ金治久美子さん、メゾ・ソプラノ長田惟子さん、テノール秋山和哉さんの御三方の予定でしたが、事情で秋山さんが出られなくなりまして、1ヶ月を切ったところで、急遽特別出演として山本耕平さんにご出演して頂けるという幸運に恵まれました。若手ディーヴァに加えてコンサートに大きな華が加わった形になりました。
今回は最初のヨハン・シュトラウス「春の声」以外はオールオペラ&オペレッタ。イタリア、フランス、ウィーンオペレッタ、さまざまな言語に合わせて、振付も若手お二人が考え、舞台衣装も3種類を何度も着替えられながらのあっという間のコンサートでした。
テノール歌手の急遽不出場、代役が見つかるまでの不安、コロナ禍で開催出来るかの不安、そして山本耕平さんの特別出演決定。いろいろな抑揚がある中での思い出のコンサートになったのではないでしょうか。
プログラムは名曲「乾杯の歌」で最高潮を迎えた後に、アンコールは武満徹「小さな空」。しっとりした日本語の曲でコンサートは終了しました。
因みに当日は私の誕生日でして、とても素敵なプレゼントをいただいた気持ちになりました。どうもありがとうございました。

【第22回 二期会ディーヴァ、ディーヴォ】
2021.4.15(木) 14:00 開演

[出演]
金治久美子(ソプラノ)
長田惟子(メゾ・ソプラノ)
特別出演 : 山本耕平(テノール)
藤川志保(ピアノ)

[プログラム]
J.シュトラウスⅡ世 : ワルツ「春の声」 op.410 (金治)
ビゼー : 歌劇「カルメン」より “ハバネラ” (長田)
フンパーディンク : 歌劇「ヘンゼルとグレーテル」より “お兄ちゃん、私と一緒に踊りましょう”(金治・長田)
ドニゼッティ : 歌劇「ドン・パスクワーレ」より “哀れなエルネスト” (山本)
ロッシーニ : 歌劇「チェネレントラ」より “あの瞳の奥の輝きは” (⻑⽥・山本)
レハール : 喜歌劇「微笑みの国」より “君こそ我が心のすべて” (山本)
レハール : 喜歌劇「ジュディッタ」より “私の唇に熱き口づけを” (金治)
マスネ : 歌劇「ウェルテル」より “ウェルテル!この胸の内を誰が言えましょう” [手紙の歌](長田)
ヴェルディ : 歌劇「リゴレット」より “あなたは心の太陽” (金治・長田・山本)
ヴェルディ:歌劇「椿姫」より “乾杯の歌”(金治・長田・山本)

[アンコール]
武満徹:小さな空