原支配人による公演レビュー
2021年04月28日 (水)
【原支配人による公演レビュー】
2021年4月13日(火) 19:00開演
カルテット・アマービレ BRAHMS Plus <Ⅱ>
4月13日、「カルテット・アマービレ BRAHMS Plus」第2回が行われました。アマービレはメンバーのうち2名とは結成前から面識があり、様々なご縁を感じているのでご縁を大切にさせて頂いています。
昨年レビューでも書きましたが、この企画は、
1.ブラームス弦楽四重奏、五重奏、六重奏、ピアノ五重奏、クラリネット五重奏計9曲を年に一回燃え尽きるまでやる。
2.五、六重奏の場合はアマービレが縁を持ちたい先輩アーティストと共演。ブラームス四重奏の時は別の作曲家の五重奏以上を必ず入れる。
3.もう一曲は世間にあまり知られていない演奏機会が少ない曲を発掘して演奏する。
というルールを決めました。昨年1月はチェロ堤剛先生、ヴィオラ磯村和英先生をお迎えしてウェーベルン四重奏、シェーンベルグ浄夜、六重奏第1番を演奏、満席でNHKBSのカメラも入り最高の演奏会。1月の終わりでしたので、コロナ禍入る前の最高の思い出となるコンサートでした。
一昨年アマービレは2016年ミュンヘン国際音楽コンクール第3位以来のニューヨークヤングコンサートアーティスト国際オーディションで優勝して、本来は今年の4月20日から北米で優勝ツアーを行う予定でした。ここのところ引っ張りだこなので日程調整に苦労しましたが今年は4月に開催出来ました。
カルテット・アマービレは、3年前秋のハクジュホール15周年記念で、世界的作曲家になられた藤倉大「個展」公演の際に藤倉さんを紹介、当時大活躍して貰いご縁が出来たのですが、今回のヤングコンサートアーティストの特典で世界初演の委嘱というのもありまして、上述の、“世間であまり知られていない楽曲の発掘”ということから、藤倉大世界初演「Aquarius (アクエリアス)」という曲を披露してくださいました。その他に今回のプログラムではモーツァルト「狩」、ピアノの清水和音さんをゲストにお呼びしてブラームス「ピアノ五重奏曲」という構成になりました。
「狩」はシンプルな曲でアマチュア四重奏団も挑戦しがちな曲ですが、シンプルなだけにハクジュホールで弾くと難しいと感じました。しかし20代メンバーとは思えない落ち着いたテンポで綺麗に仕上げられて流石でした。「Aquarius (アクエリアス)」は水瓶座という意味ですが、宇宙的な曲、無調でなく和音も入りながら特殊奏法も入り、宇宙に誘われたような気持ちで、あっという間に時が流れました。
メインのブラームスピアノ五重奏曲は、正に若者4名とは思えない重厚な解釈、後ろでピアノを弾く清水和音さんの重厚なサウンド、テンポに乗せられて、とんでもない重厚な出来になりました。今新進気鋭、注目の四重奏団なので客席のお客様も巨匠や関係者が多数いらして下さり、うまく言えませんが、物凄いコンサートになりました。
アンコールはドヴォルザークの「ピアノ五重奏曲」より第3楽章。物凄く重たいメインディッシュを食べた後の可愛らしいドルチェ、という感じで締まりました。
コロナ禍で予定が読めず、大変ですが来年も日程は調整出来ました。企画段階ではヤングアーティストも受けていなくて、アマービレの練習、勉強になれば、と言う感覚で考えた企画ですが、どんどん大きく成長し、数年後には勉強どころか、既に日本のクラシック音楽シーンを引っ張っていく彼らと、このような捻った企画を継続できる事が光栄なことです。
引っ張りだこの彼らですが、ハクジュは長いお付き合いの中でブラームスという素晴らしい室内楽曲を作った作曲家の珠玉の曲の演奏の場を通じて、これからのカルテット・アマービレの成長を見守りたいと思います。
【カルテット・アマービレ BRAHMS Plus <Ⅱ>】
2021.4.13(火) 19:00開演
[出演]
清水和音(ピアノ)
カルテット・アマービレ
篠原悠那
北田千尋(以上、ヴァイオリン)
中恵菜(ヴィオラ)
笹沼樹(チェロ)
[プログラム]
モーツァルト : 弦楽四重奏曲 第17番 変ロ長調 K.458 「狩」
藤倉大 : Aquarius(委嘱新作・世界初演)
ブラームス : ピアノ五重奏曲 ヘ短調 op.34
[アンコール]
ドヴォルザーク:ピアノ五重奏曲 イ長調 op.81 より 第3楽章
2021年4月13日(火) 19:00開演
カルテット・アマービレ BRAHMS Plus <Ⅱ>
4月13日、「カルテット・アマービレ BRAHMS Plus」第2回が行われました。アマービレはメンバーのうち2名とは結成前から面識があり、様々なご縁を感じているのでご縁を大切にさせて頂いています。
昨年レビューでも書きましたが、この企画は、
1.ブラームス弦楽四重奏、五重奏、六重奏、ピアノ五重奏、クラリネット五重奏計9曲を年に一回燃え尽きるまでやる。
2.五、六重奏の場合はアマービレが縁を持ちたい先輩アーティストと共演。ブラームス四重奏の時は別の作曲家の五重奏以上を必ず入れる。
3.もう一曲は世間にあまり知られていない演奏機会が少ない曲を発掘して演奏する。
というルールを決めました。昨年1月はチェロ堤剛先生、ヴィオラ磯村和英先生をお迎えしてウェーベルン四重奏、シェーンベルグ浄夜、六重奏第1番を演奏、満席でNHKBSのカメラも入り最高の演奏会。1月の終わりでしたので、コロナ禍入る前の最高の思い出となるコンサートでした。
一昨年アマービレは2016年ミュンヘン国際音楽コンクール第3位以来のニューヨークヤングコンサートアーティスト国際オーディションで優勝して、本来は今年の4月20日から北米で優勝ツアーを行う予定でした。ここのところ引っ張りだこなので日程調整に苦労しましたが今年は4月に開催出来ました。
カルテット・アマービレは、3年前秋のハクジュホール15周年記念で、世界的作曲家になられた藤倉大「個展」公演の際に藤倉さんを紹介、当時大活躍して貰いご縁が出来たのですが、今回のヤングコンサートアーティストの特典で世界初演の委嘱というのもありまして、上述の、“世間であまり知られていない楽曲の発掘”ということから、藤倉大世界初演「Aquarius (アクエリアス)」という曲を披露してくださいました。その他に今回のプログラムではモーツァルト「狩」、ピアノの清水和音さんをゲストにお呼びしてブラームス「ピアノ五重奏曲」という構成になりました。
「狩」はシンプルな曲でアマチュア四重奏団も挑戦しがちな曲ですが、シンプルなだけにハクジュホールで弾くと難しいと感じました。しかし20代メンバーとは思えない落ち着いたテンポで綺麗に仕上げられて流石でした。「Aquarius (アクエリアス)」は水瓶座という意味ですが、宇宙的な曲、無調でなく和音も入りながら特殊奏法も入り、宇宙に誘われたような気持ちで、あっという間に時が流れました。
メインのブラームスピアノ五重奏曲は、正に若者4名とは思えない重厚な解釈、後ろでピアノを弾く清水和音さんの重厚なサウンド、テンポに乗せられて、とんでもない重厚な出来になりました。今新進気鋭、注目の四重奏団なので客席のお客様も巨匠や関係者が多数いらして下さり、うまく言えませんが、物凄いコンサートになりました。
アンコールはドヴォルザークの「ピアノ五重奏曲」より第3楽章。物凄く重たいメインディッシュを食べた後の可愛らしいドルチェ、という感じで締まりました。
コロナ禍で予定が読めず、大変ですが来年も日程は調整出来ました。企画段階ではヤングアーティストも受けていなくて、アマービレの練習、勉強になれば、と言う感覚で考えた企画ですが、どんどん大きく成長し、数年後には勉強どころか、既に日本のクラシック音楽シーンを引っ張っていく彼らと、このような捻った企画を継続できる事が光栄なことです。
引っ張りだこの彼らですが、ハクジュは長いお付き合いの中でブラームスという素晴らしい室内楽曲を作った作曲家の珠玉の曲の演奏の場を通じて、これからのカルテット・アマービレの成長を見守りたいと思います。
【カルテット・アマービレ BRAHMS Plus <Ⅱ>】
2021.4.13(火) 19:00開演
[出演]
清水和音(ピアノ)
カルテット・アマービレ
篠原悠那
北田千尋(以上、ヴァイオリン)
中恵菜(ヴィオラ)
笹沼樹(チェロ)
[プログラム]
モーツァルト : 弦楽四重奏曲 第17番 変ロ長調 K.458 「狩」
藤倉大 : Aquarius(委嘱新作・世界初演)
ブラームス : ピアノ五重奏曲 ヘ短調 op.34
[アンコール]
ドヴォルザーク:ピアノ五重奏曲 イ長調 op.81 より 第3楽章