原支配人による公演レビュー

2021年04月01日 (木)
【原支配人による公演レビュー】

2021年3月26日(金) 第157回 リクライニング・コンサート 黒川侑 ヴァイオリン・リサイタル 19:30公演

3月26日、2月に主催公演を再開して4公演目、年明けの緊急事態宣言以来、解除後初のコンサートでもあります。嬉しい事にこちらの公演もNHKのテレビカメラが入りました。
黒川さんは数年前ホール1Fロビーで行われた「東日本大震災 チャリティーロビーコンサート」にご出演頂いて以来のご縁。黒川さんがデュオで指名された久末さんは、本来、昨年11月の「リクライニング・コンサート」でピアノ・リサイタルに出演予定でした。そのため、久末さんには当ホールに2台あるピアノの選定も行って頂いていました。
コンサートは、ストラヴィンスキー「イタリア組曲」とブラームス「ヴァイオリン・ソナタ第1番」という大作2つの合間に、東欧シマノフスキ、ドイツシューマンの小品を挟む意欲的な内容でした。夢のように時は流れ、圧巻はブラームス 第1番。正に「雨の歌」というか、ここまで抒情的な歌い回しは聴いたことがない!という感じでした。私も趣味でヴァイオリンを弾くのでヴァイオリンのメロディーが耳に入るのですが、今までで1番、ピアノの流れるようなメロディー、ヴァイオリンとのハーモニー、そしてブラームスの真骨頂と言える低音の聴こえ方が素晴らしく、素晴らしいヴァイオリンを聴きながらピアノにも聴き入ってしまいました。久末さんは今年11月に「リクライニング・コンサート」にソロで登場されるので、ぜひご期待下さい。
3月の主催公演はこれで終わりますが、4月は当初予定の主催公演と昨年の延期公演が重なり、かなり忙しくなりますが濃密な内容になっております。ぜひカレンダーをお目通しの上、4月もハクジュホールに足をお運び頂けたら幸いです。

【第157回 リクライニング・コンサート 黒川侑 ヴァイオリン・リサイタル】
2021.3.26 (金) 15:00開演/19:30開演
[出演]
黒川侑(ヴァイオリン)
久末航(ピアノ)

[プログラム]
ストラヴィンスキー:イタリア組曲
シマノフスキ : 神話 ― 3つの詩 op.30 より 第1曲 “アレトゥーサの泉”
シューマン(レヒナー編) : 「子供の情景」 op.15 より 第7曲 “トロイメライ”
ブラームス : ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ト長調 op.78 「雨の歌」

[アンコール]
シューマン:「3つのロマンス」 op.94 より 第2番 “Einfach, innig”