原支配人による公演レビュー

2021年03月17日 (水)
【原支配人による公演レビュー】
2021年2月26日(金) 小林美恵 華麗なるヴァイオリンの伝説 第5回「クリムトの幻影」~小林美恵 ウィーン世紀末を弾く 19:00開演

昨年5月に予定していた「華麗なるヴァイオリンの伝説(全6回)」の第5回を開催しました。緊急事態宣言中でしたが、前日の「リクライニング・コンサート」に引き続きNHKの収録が入ることもあり、挙行する事にしました。
ナビゲーターの浦久俊彦さんによるレクチャーが開場中に行われました。
コンサートは、パリ音楽院の教授であるピアニスト上田晴子さんを迎え、“クリムトの幻影”というテーマでした。今回はウィーンに関わる作曲家による大曲の連続。前半にシューベルト、後半にR.シュトラウスの「ヴァイオリン・ソナタ」という大曲の間にクライスラー、シェーンベルグ、マーラーを挟みました。クライスラーは「ウィーン狂詩的小幻想曲」、シェーンベルグは「幻想曲」。全く違う作風の幻想曲で、しかも大作。そしてマーラー「交響曲 第5番」より“アダージェット”を演奏。中三曲がウィーン、クリムトと幻想をイメージしたラインナップでした。
演奏は正に円熟の内容。「ブラボー!」を叫べないストレスが凄かったです。R.シュトラウスの「ばらの騎士」のモチーフを聴いて、翌日久々に家でR.シュトラウスの「交響詩」を聴いてしまいました。
小林美恵さんのコンサートは昨年5月、10月と正式ラインナップを延期扱いしましたが、昨年は6月にいち早くコンサートホールを開けた時に最初にお願いしたのと、急遽秋にキャンセルで空いたスケジュールでベートーヴェン の「ヴァイオリン・ソナタ 全曲演奏会」を行ったり、この厳しい環境下、本当に一緒に乗り越えた感じがします。
全6回のシリーズもあと1回となりました。次回も楽しみです。

【小林美恵 華麗なるヴァイオリンの伝説 第5回「クリムトの幻影」~小林美恵 ウィーン世紀末を弾く】
2021.2.26 (金) 19:00開演
[出演]
小林美恵(ヴァイオリン)上田晴子(ピアノ)
浦久俊彦(ナビゲーター)※18:40~浦久さんプレトークあり

[プログラム]
シューベルト:ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ 第1番 二長調 op.137-1 / D.384
シェーンベルク:幻想曲 op.47
クライスラー:ウィーン狂詩的小幻想曲
マーラー(O.ヴィッテンベッヒャー編):交響曲 第5番 嬰ハ短調 より 第4楽章 アダージェット
R.シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 op.18 / TrV 151

[アンコール]
クライスラー:愛の悲しみ