原支配人による公演レビュー

2020年06月15日 (月)

【原支配人による公演レビュー】
2020年6月12日(金) 
Hakuju New Style Live〜心が喜ぶ演結び 新しい出会いの形へ〜 小林美恵&上田晴子 15:00/19:00開演

「Hakuju New Style Live」 2日目を6月12日に行いました。音楽をお客様に早くお届けする、今までのフルスペックでの準備ではない、非常事態におけるコンサートを提供・提案する。というものですが、下打ち合わせ中はまだ非常事態宣言中、売出時にはステップ2、途中東京アラートが出て、コンサート開催時にはステップ3。目まぐるしいまでの状況変化が起きています。そんな中、11日は19時開演で50人のお客様をお迎えしましたが、これは座席を離して座って頂くというだけでなく、入退場時の導線、開場時間も密を避けるなど、どこまで感染症対策を徹底して運用出来るかという大きな課題もついておりました。
本日は小林美恵さん、上田晴子さんという世界的音楽家に50人定員で15時、19時の2回公演をお願いしました。15時公演は、このホールの所有会社株式会社 白寿生科学研究所の本社ビルのビジネスタイムと重なります。即ち本社社員が働く中でお客様をお入れするというのが、前日と比べて難易度が上がったところです。
1時間強で休憩なしのコンサートを2回、それも違うプログラムでアーティストは臨んで下さいました。10日前の売出にも関わらず、大物のお2人の生演奏を待ち焦がれたファンの方だけで一気に売り切れ。一般販売にまで至らずに完売でした。
昼の部のプログラムはシューベルト「ヴァイオリン・ソナタ イ長調」、バッハ「無伴奏パルティータ 第2番」 より「シャコンヌ」、ブラームス「ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ”雨の歌”」。夜の部はバッハ「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第1番」、ベートーヴェン「ロマンス2番」、フランク「ヴァイオリン・ソナタ」でした。
お腹いっぱい、充実のプログラム。11日に続き私は舞台扉開閉係でしたので舞台裏で、生の音は聴けませんでしたが、スピーカー音からでも、無伴奏の音の研ぎ澄まされ方、集中力を実感出来ました。
お客様満足のブラームス、フランクのソナタ。そしてベートーヴェンロマンス2番。今年はベートーヴェン生誕250周年という事で大きなベートーヴェンイベントがたくさん準備されていましたが、ひさびさにハクジュでもベートーヴェンが演奏されました。
小林美恵さんは、最後に人前で演奏されたのが3月11日、ハクジュのチャリティーコンサートだったとのこと、丸3ヶ月振りの演奏だったそうですが、1週間前から緊張したとか。終了後は大変な感謝の言葉を頂戴しましたが、我々もお客様を動員頂けた事、ホールスタッフに加えて本社社員も一部手伝ってくれましたが、コストを全くかけられない状況でのコンサート参加、この時期の出演を快諾頂いた事に関しても感謝しかありませんし、今回考えた満員のお客様を迎えての難しい導線を医師の監修も入れて全部考えて、社員だけで経験出来た事は大きな一歩でした。
いつまた第2波が来るか分からない状況ですが、このまま年内、座していても何もならないので、ハクジュホールなりに何が出来るかを考えてホール運営をして行こうと考えております。

【Hakuju New Style Live〜心が喜ぶ演結び 新しい出会いの形へ〜 小林美恵&上田晴子】
2020年6月12日(金)昼の部 15:00開演/夜の部 19:00開演

[出演]
小林美恵(ヴァイオリン)、上田晴子(ピアノ)

昼の部

[プログラム]
シューベルト:ヴァイオリン・ソナタ イ長調 D.574
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第2番 ニ短調 BWV 1004 より 第5曲 シャコンヌ
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ト長調 op.78「雨の歌」

[アンコール]
モーツァルト:ピアノとヴァイオリンのためのソナタ ホ短調 K.304 第2楽章 テンポ・ディ・メヌエット

夜の部

[プログラム]
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ト短調 BWV 1001
ベートーヴェン:ロマンス 第2番 ヘ長調 op.50
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調

[アンコール]
ラヴェル:フォーレの名前による子守歌