原支配人による公演レビュー

2020年01月21日 (火)
【原支配人による公演レビュー】
2020年1月15日(水) 第152回 リクライニング・コンサート 上野由恵&曽根麻矢子 デュオ・リサイタル (19時30分開演)

2020年初の「リクライニング・コンサート」はフルート上野由恵さんとチェンバロの曽根麻矢子さんのデュオでした。
上野さんには数年前からオファーを考えていたのですが、昨年開始した「Hakuju サロン・コンサート Vol.1東京6人組」でご出演頂いたので、1年予定を伸ばしてのオファーでした。そして上野さんが指名したパートナーが曽根さん。
ここのところ、みなとみらいで2人のコンサートが行われていて、一緒に食事をしたりとても仲の良いお2人のデュオは息もぴったりであろうと思いお願いしました。
曽根さんは昨年3月に「チェンバロの庭」シリーズを3年かけて終了しました。次は今年9月より共催公演になりますが、当ホールでバッハの連続シリーズを開始。ハクジュホールにはなくてはならない存在になってます。ハクジュオリジナルシリーズ、「ギターフェスタ」、「リクライニング」シリーズに全部出たアーティストはあまり記憶にありません。
上野さんのSNSによると「バッハの光と影を表現する。」がテーマだったとのことでしたが、バッハを中心にした考え抜かれた選曲でした。
途中、細川俊夫作曲のバスフルートのソロが入り、これに関しては低音フルートのサウンドと共にハクジュならではの息を吹き込む音の凄さ、臨場感にも圧倒される時間もありました。
繊細な響きから息遣い、考え抜かれた選曲。夜間の部を拝見しましたが、非常に満足度の高いコンサートになったと思います。
今回曽根さんは蝶ネクタイとおしゃれなモーニングのような舞台衣装が特徴的でとても目立っていらっしゃいました。お聞きしたら、年下女性演奏家との演奏の時はボーイになることにしたそうです。
お二人とも縁が深まった、素晴らしい1日になりました。

【第152回 リクライニング・コンサート 上野由恵&曽根麻矢子 デュオ・リサイタル】
2020.1.15 (水) 15:00 / 19:30 開演
[出演]
上野由恵(フルート)曽根麻矢子(チェンバロ)

[プログラム]
C.P.E.バッハ:ハンブルガー・ソナタ ト長調 Wq.133 / H564
クープラン:クラヴサン曲集 第3巻 第15組曲より <チェンバロ・ソロ>
第1番 “摂政、またはミネルヴァ”
第2番 “子守歌、またはゆりかごの愛”
第3番 “軽はずみ”
作曲者不詳:「グラウンドによるグリーンスリーヴス」による変奏曲
細川俊夫:バス・フルートのための《息の歌》 <フルート・ソロ>
J.S.バッハ:フルート・ソナタ ホ短調 BWV 1034

<アンコール>
クープラン作曲:恋のうぐいす
バッハ作曲 / グノー編曲:アヴェ・マリア