原支配人による公演レビュー

2020年01月07日 (火)
【原支配人による公演レビュー】
2019年12月26日(木) Opus One Live@Hakuju Hall Vol.2 古海行子 (19時開演)
昨年末に5枚同時発売となった日本コロムビアの新レーベル“オーパス・ワン”。昨年売出しアーティスト5名のCD発売記念コンサートをハクジュホールで行ったという事と、ハクジュとしても縁の深いアーティストが過半数を占めている事を考えて、2019年9月チェロの笹沼樹さんを皮切りに、コロムビア “オーパス・ワン” アーティスト5人のソロ・コンサート・シリーズを日本コロムビア様、ハクジュホールの共同開催でスタートしております。5人のアーティストのうち第2弾、ピアノの古海行子さんのソロ・コンサートが12月26日行われました。
昨年行われた第5回高松国際ピアノコンクールの優勝の副賞にハクジュホールの1階エントランスで行われているピアノサロンシリーズへの招待というものがありましたが、古海さんは見事日本人初の高松優勝という事でホール1階で1度演奏して頂いて以来のご縁でした。その後PTNAピアノコンペディション特級で銅賞、聴衆賞、当コンサート前月には第11回パデレフスキ国際ピアノコンクールで第3位の成績を修めての登場になりました。
まだ昭和音大4年生という若さながらたくさんのコンクール入賞、優勝の実績を残されて来てのCDデビューでした。
恐らく、多くの若者にとって、どれだけ優秀でも2時間のコンサートを一人で受け持って演奏するという機会はなかなかないと思われまして、“オーパス・ワン” アーティストにとってハクジュでの2時間コンサートへの取り組み、観客動員に関しては大きなプレッシャー、挑戦になっていると思われます。
そんな中、古海さんの選曲ですが前半にバッハ、シューベルトソナタというドイツものをがっつり入れて、後半はリストの超絶技巧、バラードというテクニック的に難易度の高い楽曲を並べて頂きました。
それぞれに方向感が違う難易度の高い楽曲に対して若さから来る情熱と、若さを青さに感じさせないオーラを含んだ演奏に客席から見ても、お客様がその集中力に引き込まれていく感じが分かるような演奏になりました。
カーテンコールはややあっさりした感じではありましたが、また次回コンサートを聴いてみたいと思える素晴らしい内容でした。
日付が12月26日という師走最後の木曜日という忘年会時期のコンサートでしたが、昭和音大様にも集客面で多大なるご協力を頂きました。
次回石上真由子さん、医師資格を持つヴァイオリニストの“オーパス・ワン” は1月24日です。
この日で2019年ハクジュホールの演奏会も全て終了。2019年も多くのお客様にご愛顧頂きながら終了致しました。1年間どうもありがとうございました。
2020年も色々な企画を準備してお待ちしています。
どうぞ本年もよろしくお願いいたします。

【Opus One Live@Hakuju Hall Vol.2 古海行子】
2019.12.26 (木) 19:00 開演
[出演]
古海行子(ピアノ)

[プログラム]
J.S.バッハ:前奏曲、フーガとアレグロ 変ホ長調 BWV 998
シューベルト:ピアノ・ソナタ 第19番 ハ短調 D.958
ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ
リスト:超絶技巧練習曲集 S.139 より
第5番 変ロ長調 “鬼火”  第10番 ヘ短調
リスト:バラード 第2番 ロ短調 S.171

<アンコール>
パデレフスキ:メヌエット