原支配人による公演レビュー
2019年12月28日 (土)
【原支配人による公演レビュー】
12/19(木)Hakuju サロン・コンサート Vol.4 アンサンブル天下統一 オペラの魅力を弦楽トリオで味わう夜(19時開演)
Hakujuサロン・コンサートシリーズ第4回は「アンサンブル天下統一」をお招きしてのコンサート。メンバーはヴァイオリン長原幸太さん、ヴィオラ鈴木康浩さん、チェロ中木健二さんという円熟期を迎えた名手たちのトリオですが、なぜ天下統一かというと、チェロの中木健二さんが愛知県岡崎市出身で、岡崎にある岡崎シビックセンターにあるコンサートホール「コロネット」のレジデントアーティストに指名されて、そこで長原さん、鈴木康浩さんを呼んで1年目は弦楽三重奏、2年目以降はゲストを呼んで3人を軸に色々な四重奏、シューベルトの「ます」等を弾いている訳ですが、天下統一を果たし(正式には豊臣秀吉ではないかとも言いますが)天下太平の世を作った徳川家康の出身地という事と、演奏で全国にこのメンバーで音楽を届けるぞ!という二重の意味を込めてつけたユニットなので、「アンサンブル天下統一」なんだそうです。
中木さんにはHakujuの別企画の「チェロ・コレクション」や「リクライニング・コンサート」シリーズ他、色々な形での長いお付き合いで、今年はホールのメンバー入社歓迎会にも来ていただいたりの親しい関係です。彼からまだ「天下統一」が東京でコンサートを出来ていないという話は聞いておりまして、それでは「サロン・コンサート」という新しいシリーズで参加しませんか?と、オファーさせて頂きました。徳川家康を名前の由来にしたトリオ、初江戸見参!という事で。
岡崎ではもう6回ほどコンサートを重ねていて、色んなゲストを呼んで演奏会を積み重ねているようですが、東京での第1回については、岡崎での第1回と同じ弦楽トリオで臨みたい、岡崎の第1回にやったモーツァルトの弦楽トリオのディヴェルティメントを軸に曲を決めたい、という形で進めました。
前半の2曲は、ビゼー「カルメン」、モーツァルト「魔笛」を作曲家の松本望さんが彼らのために編曲した楽曲でした。
「カルメン幻想曲」はサラサーテ、ワックスマンのカルメン幻想曲の両方のモチーフが混ざって入っていてとても難しい超絶技巧の曲でした。
「魔笛」は途中びっくりしますよと予告が入っていましたが、有名な「夜の女王のアリア」の高音の有名な旋律を、なんと長原さんが歌うという凄い演出。後半も中木さん、鈴木康浩さんが野太い声で歌うシーンがあり、客席から大きな笑いとどよめきが起きました。夜の女王の長原さんは歌い終わるやいなやすぐに演奏する感じで、そこの切り替えも見どころになりました。当日、両曲が出版された日でもあり、長原さんが「見てみて下さい、難しいんですよ。」というトークが功を奏したか、譜面がたくさん売れたようです。
メインのプログラムも圧巻の演奏。モーツァルトのスピカットの粒の合い方がとても心地よく聞こえました。
3曲演奏のお三方を拝見し、正に名手という言葉がピタリでした。その名手たちが家に招いた気持ちで、本当に音響を利用して、また、曲やモチーフにより音色を変えて心から楽しそうに弾いている姿を見て、それを見た、聴いたお客様は間違いなく幸せになっただろうなと思えました。
アンコールはバッハの「ゴルトベルク変奏曲 弦楽三重奏曲編曲版」より抜粋。これは舞台裏でスピーカーを通して聴きましたが、ノンヴィブラートにしたり、物凄い神々しい音色の演奏でゾクゾク来ました。これは岡崎で聴けるそうです。
長々と書いてしまいましたが、最高のコンサートになりました。ありがとうございました。
【Hakuju サロン・コンサート Vol.4 アンサンブル天下統一 オペラの魅力を弦楽トリオで味わう夜】
2019.12.19 (木) 19:00 開演
[出演]
長原幸太(ヴァイオリン)鈴木康浩(ヴィオラ)中木健二(チェロ)
[プログラム]
ビゼー(松本望編):カルメン・ファンタジー ~弦楽三重奏のための~
モーツァルト(松本望編):オペラ「魔笛」の主題による組曲
モーツァルト:ディヴェルティメント 変ホ長調 K.563
<アンコール>
バッハ:「ゴルトベルク変奏曲」から
12/19(木)Hakuju サロン・コンサート Vol.4 アンサンブル天下統一 オペラの魅力を弦楽トリオで味わう夜(19時開演)
Hakujuサロン・コンサートシリーズ第4回は「アンサンブル天下統一」をお招きしてのコンサート。メンバーはヴァイオリン長原幸太さん、ヴィオラ鈴木康浩さん、チェロ中木健二さんという円熟期を迎えた名手たちのトリオですが、なぜ天下統一かというと、チェロの中木健二さんが愛知県岡崎市出身で、岡崎にある岡崎シビックセンターにあるコンサートホール「コロネット」のレジデントアーティストに指名されて、そこで長原さん、鈴木康浩さんを呼んで1年目は弦楽三重奏、2年目以降はゲストを呼んで3人を軸に色々な四重奏、シューベルトの「ます」等を弾いている訳ですが、天下統一を果たし(正式には豊臣秀吉ではないかとも言いますが)天下太平の世を作った徳川家康の出身地という事と、演奏で全国にこのメンバーで音楽を届けるぞ!という二重の意味を込めてつけたユニットなので、「アンサンブル天下統一」なんだそうです。
中木さんにはHakujuの別企画の「チェロ・コレクション」や「リクライニング・コンサート」シリーズ他、色々な形での長いお付き合いで、今年はホールのメンバー入社歓迎会にも来ていただいたりの親しい関係です。彼からまだ「天下統一」が東京でコンサートを出来ていないという話は聞いておりまして、それでは「サロン・コンサート」という新しいシリーズで参加しませんか?と、オファーさせて頂きました。徳川家康を名前の由来にしたトリオ、初江戸見参!という事で。
岡崎ではもう6回ほどコンサートを重ねていて、色んなゲストを呼んで演奏会を積み重ねているようですが、東京での第1回については、岡崎での第1回と同じ弦楽トリオで臨みたい、岡崎の第1回にやったモーツァルトの弦楽トリオのディヴェルティメントを軸に曲を決めたい、という形で進めました。
前半の2曲は、ビゼー「カルメン」、モーツァルト「魔笛」を作曲家の松本望さんが彼らのために編曲した楽曲でした。
「カルメン幻想曲」はサラサーテ、ワックスマンのカルメン幻想曲の両方のモチーフが混ざって入っていてとても難しい超絶技巧の曲でした。
「魔笛」は途中びっくりしますよと予告が入っていましたが、有名な「夜の女王のアリア」の高音の有名な旋律を、なんと長原さんが歌うという凄い演出。後半も中木さん、鈴木康浩さんが野太い声で歌うシーンがあり、客席から大きな笑いとどよめきが起きました。夜の女王の長原さんは歌い終わるやいなやすぐに演奏する感じで、そこの切り替えも見どころになりました。当日、両曲が出版された日でもあり、長原さんが「見てみて下さい、難しいんですよ。」というトークが功を奏したか、譜面がたくさん売れたようです。
メインのプログラムも圧巻の演奏。モーツァルトのスピカットの粒の合い方がとても心地よく聞こえました。
3曲演奏のお三方を拝見し、正に名手という言葉がピタリでした。その名手たちが家に招いた気持ちで、本当に音響を利用して、また、曲やモチーフにより音色を変えて心から楽しそうに弾いている姿を見て、それを見た、聴いたお客様は間違いなく幸せになっただろうなと思えました。
アンコールはバッハの「ゴルトベルク変奏曲 弦楽三重奏曲編曲版」より抜粋。これは舞台裏でスピーカーを通して聴きましたが、ノンヴィブラートにしたり、物凄い神々しい音色の演奏でゾクゾク来ました。これは岡崎で聴けるそうです。
長々と書いてしまいましたが、最高のコンサートになりました。ありがとうございました。
【Hakuju サロン・コンサート Vol.4 アンサンブル天下統一 オペラの魅力を弦楽トリオで味わう夜】
2019.12.19 (木) 19:00 開演
[出演]
長原幸太(ヴァイオリン)鈴木康浩(ヴィオラ)中木健二(チェロ)
[プログラム]
ビゼー(松本望編):カルメン・ファンタジー ~弦楽三重奏のための~
モーツァルト(松本望編):オペラ「魔笛」の主題による組曲
モーツァルト:ディヴェルティメント 変ホ長調 K.563
<アンコール>
バッハ:「ゴルトベルク変奏曲」から