原支配人による公演レビュー

【原支配人による公演レビュー】
12/11（水）第151回 リクライニング・コンサート 毛利文香 ヴァイオリン・リサイタル（19時半開演）

毛利文香さんはプロフィールにも書いてありますが、慶應義塾大学に通っている天才が桐朋ディプロマとデュアルキャリアを積んでいるという噂は前から聞いていました。大江馨さんや笹沼樹さんみたいに一般大学と音大のデュアルキャリアのはしりで、素晴らしい事だと思っていましたが、その毛利さんから慶應義塾文学部の粂川教授という共通の知り合いからの紹介で丁寧なお手紙を頂き、シャネルのピグマリオンデイズを観に行った時が１回目の出会いです。2017年の事でしたがその時の堂々とした立ち振る舞い、演奏の素晴らしさ等に感銘を受け、いつかシャネルのネクサスホールだけでなくハクジュホールで演奏をお願いしようと思っていました。
今回オファーをした後にモントリオール国際音楽コンクールで３位と活躍はめざましく、ハクジュホールでは９月１日に川崎室内管弦楽団というオーケストラでコンサートマスターをなさり、ハクジュホールデビューはもう済んでいましたがソロは本日が初めてでした。
今回は原嶋唯さんという同学年の素晴らしいピアニストを伴奏に迎えてドビュッシー、メシアン、フォーレという色々な時代のフランス音楽をご披露頂きました。ドビュッシーは演奏機会が多い曲ですが、前向きなテンポでオリジナル感ある感じ、メシアン、フォーレは演奏機会が少ない曲で私も初めて聴きましたが、名曲を掘り起こして頂いた感じです。ピアノとヴァイオリンのバランスが非常に良く、原嶋さんの繊細なタッチもとても印象に残りました。アンコールはフォーレの「夢のあとに」でしたが、SNS等でアンコールに関して感動したとの書き込みも見られました。
期待の若手というより未来の大御所のような堂々とした雰囲気、演奏、お話。彼女の演奏を聴きに有名なホールの責任者クラスをはじめ、業界著名人の来客も多かったです。またうちで演奏する時にはどんな成長した姿になっているのか、とても楽しみです。
【第151回 リクライニング・コンサート 毛利文香 ヴァイオリン・リサイタル】
2019.12.11 (水) 15:00 / 19:30 開演
［出演］
毛利文香（ヴァイオリン）原嶋唯（ピアノ）

［プログラム］
ドビュッシー：ヴァイオリン・ソナタ
メシアン：主題と変奏
フォーレ：ヴァイオリン・ソナタ 第1番 イ長調 op.13

＜アンコール＞
フォーレ：夢のあとに