原支配人による公演レビュー

2019年11月24日 (日)
【原支配人による公演レビュー】
11/21(木)第150回 リクライニング・コンサート
中野翔太 ピアノ・リサイタル(15:00開演)

第150回というリクライニング・コンサートのマイルストーン的な日を迎える事が出来ました。出演者は少年時代からジュリアードで研鑽を積んで、今、油の乗った時期を迎えているピアニストの中野翔太さんでした。2011年以来2回目のリクライニング出演です。アーカイブを調べてみると前回の出演はラヴェル、ショパン等を中心とした構成でしたが驚くのは前回出演が第75回!数が倍の第150回を、中野翔太さんでお迎え出来た偶然にびっくりです。
あれから中野さんも奏者として、作曲、アレンジのご経験も豊富になり、前回とは全く違うプログラムを持って来てくださいました。
序盤2曲はモーツァルト「幻想曲」、ラヴェル「水の戯れ」という、曲想的には色彩感がある、繊細なタッチが要求される曲。その後はジョン・ケージ、ピアソラ、ガーシュウィンと飛び込んで行きました。ケージはコンテンポラリーのイメージとは違うメロディックな曲。その後「リベルタンゴ」は中野翔太編曲。
ガーシュウィンの原曲を挟んだ最後は「サマータイム」中野翔太編曲、そして真骨頂「ラプソディ・イン・ブルー」。リクライニングの趣旨を意識した楽曲で続けて最後はラプソディ・イン・ブルーでシンフォニックな響き。倍音進行でピアノを叩きまくるところはお客様が思わず乗り出すような感じも見受けられました。PP(ピアニッシモ)からFF(フォルティッシモ)まで、繊細からシンフォニックなサウンド。本当にレンジの広い、リラックス出来て格好の良いコンサートになったと思います。
そしてアンコールはどう来るのかドキドキしていたら、最後は本当に繊細な感じの表現でドビュッシー「月の光」。
皆さん色々考えて作り込んで来て下さいますが、今日も構成がとても良く考えられていて、お客様の満足度が高いコンサートになったと思います。中野さんに感謝です。

【第150回 リクライニング・コンサート 中野翔太 ピアノ・リサイタル 】
2019.11.21 (木) 15:00 / 19:30 開演
[出演]
中野翔太(ピアノ)

[プログラム]
モーツァルト:幻想曲 ニ短調 K.397
ラヴェル:水の戯れ
ケージ:ある風景の中で
ピアソラ(中野翔太編):リベルタンゴ
ガーシュウィン:3つの前奏曲
          第1番 変ロ長調
          第2番 嬰ハ短調
          第3番 変ホ短調
ガーシュウィン(中野翔太編):サマータイム
ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー

<アンコール>
ドビュッシー:月の光