原支配人による公演レビュー

2019年11月08日 (金)
【原支配人による公演レビュー】
10/25(金)Hakujuサロン・コンサート vol.3
大萩康司&梶川真歩 ギターとフルートが織りなす音の世界

その昔、クラシック音楽は王族や貴族の家やお城のサロンで行われました。その時代を思いながら、今年始めたサロン・コンサートシリーズの日、ハクジュホールは主役の音楽家の家になります。
サロン・コンサートの演奏家には、自分の家にお客様を招いたらどんなコンサートになるか、どんなお迎えをするか、曲目も含めて考えて下さい。というお願いをしているシリーズです。
第3回サロンは、ギタリストの大萩康司さんと、フルートで、NHK交響楽団団員の梶川真歩さんに出演頂きました。
第1回サロンを最初大萩さんで考えている位今回は思いがありましたが、今年は大萩さんはNHK交響楽団サントリーホール公演デビューがあったり本当に忙しい1年で、10月にしましょうと、時期的には満を持したタイミングでした。
大萩さんは、歌、チェロ、色々な楽器とデュオをやる、他の楽器からも引っ張りだこの人気者ですが、今回はフルートと組んでみたいという希望があったので、今回はN響に昨年入団、今とっても勢いのある梶川真歩さんをお引き合わせしました。
お2人とも留学先がパリという訳だけではないでしょうがとても息がピッタリで、曲目はとっておきの曲を発掘して頂き、デュオでは珍しい、ピッコロを取り入れたりと工夫を凝らした素晴らしい内容でした。
また、お2人ともサロン・コンサートの主旨をしっかり理解頂いていまして、曲と曲の合間に必ずトークセッションを入れて下さいまして、色々な曲、楽器、作曲家の説明をして頂きましたが、穏やかなお2人の雰囲気と会場を和ませようという気持ちが出ていて、コンサート会場の椅子に座りながらも、大萩家、梶川家の応接間のソファーにいるかのような錯覚に陥るほどのリラックスムードになれました。
お客様にギタリストの福田進一先生もお見えで、福田さんお誘いして終了後関係者で打ち上げしましたが、そこも和やかで楽しい会になりました。

[Hakujuサロン・コンサート vol.3 大萩康司&梶川真歩 ギターとフルートが織りなす音の世界]
2019年10月25日(金)19時開演

[出演]
大萩康司(ギター)
梶川真歩(フルート)

[プログラム]
ヘンデル(大萩康司編):フルート・ソナタ 第5番 ト長調 op.1 (HWV 363b) ※19世紀製ギター/木製フルートを使用
ラヴェル(ケッチャム&シーガル編):ハバネラ形式の小品
プーランク(ネスター編):ソナタ FP33 ※ピッコロを使用
ジュリアーニ:協奏的大二重奏曲 op.52 ※19世紀製ギター/木製フルートを使用
ゼナモン:3つのポートレート
イアンナネッリ:フェリーニへのオマージュ
テデスコ:フルートとギターのためのソナティナ op.205

[アンコール]
ゴセック:タンブーラン ※ピッコロを使用