原支配人による公演レビュー

2019年11月06日 (水)
【原支配人による公演レビュー】
10/22(火・祝)「城への招待」~吉田誠、川久保賜紀、福間洸太朗 Special Guest 鈴木紗理奈~

1年位前に、とある方と、今までにない見せ方、見え方のコンサートが出来ないかという事を考えたときに、SNS利用とか、他ジャンルとかそういうアイディアはいつも出る訳なのですが、クラリネット、ヴァイオリン、ピアノに絞った、斬新な曲、ご縁で鈴木紗理奈さんがクラシック参戦したいというとてもありがたいお話が出て、クラリネット吉田誠さんのアイディア中心で本企画が生まれました。途中、東海テレビ放送主催、三井住友海上しらかわホールでの名古屋公演が決まり、17日に同じ公演を聴く機会にも恵まれました。
「パブロ・ピカソために」という短い曲を、客席の後ろから吉田誠さんが立ち歩きしながら舞台に乗って、舞台上で待っている川久保賜紀、福間洸太朗さんと「兵士の物語」クラリネット三重奏版に突入。
そこからストラヴィンスキー、アイヴズ、バルトークのハイセンスな曲が続き、息つく間もなく前半は終了。
後半はアヌイの戯曲「城への招待」に、藝大教授の新井鷗子先生が訳をつけたものを鈴木紗理奈さん、1人で10役分の登場人物の声を使い分けての熱演は素晴らしかったです。
途中、踊り、歌、背中を向けて1人でキスシーン、お札をばらまく、アドリブ含めて多才なバリエーションの動きでした。
終了後、特別券25人だけ、出演者4名との交流会(写真)をホワイエで行いまして、吉田誠さん司会で裏話など。最後は皆で記念写真を撮影してコンサートは締め括られました。
個人的には、前半バルトークの曲でヴァイオリンの持ち替えが必要で、私が所有するヴァイオリン(ハクジュホール支配人ヴァイオリン弾けます)をお貸出して、短い旋律でしたが川久保さんに弾いて頂いたのは大層な思い出になりました。

「城への招待」~吉田誠、川久保賜紀、福間洸太朗 Special Guest 鈴木紗理奈~
10/22(火・祝)17時開演

[出演]
吉田誠(クラリネット)
川久保賜紀(ヴァイオリン)
福間洸太朗(ピアノ)
鈴木紗理奈(朗読)

[プログラム]
ストラヴィンスキー:パブロ・ピカソのために(1917) 
 *クラリネット・ソロ:吉田誠
ストラヴィンスキー:組曲「兵士の物語」(1919)
ストラヴィンスキー:タンゴ(1940)
 *ピアノ・ソロ:福間洸太朗
アイヴズ:ヴァイオリン、クラリネットとピアノのためのラルゴ(1901)
バルトーク:コントラスツ Sz.111(1938)
プーランク:城への招待 FP138(1947) (朗読:鈴木紗理奈/脚本:新井鷗子/原作:ジャン・アヌイ)