平井千絵
Mozart Speaks ~ 語りかけるフォルテピアノ ♪
サロン・コンサート9回目はHakuju Hall主催公演初となるフォルテピアノ独奏コンサート。この楽器専門の奏者を代表する一人平井千絵がご案内します。古楽の本場オランダで学んだのち、欧州での長年の活動を経て2012年に帰国。数多くのコンサートやCD録音などで目覚ましい活躍を続けています。
今回はモーツァルト晩年の18世紀末に普及した5オクターヴ61鍵のフォルテピアノをホールに持ち込み、楽器の説明を交えながら、モーツァルトの作品を中心に、その時代のサロンで楽しまれたピアノ曲の数々を演奏します。
出演
平井千絵(フォルテピアノ)
プログラム
モーツァルト :
Mozart :
ピアノ・ソナタ 第11番 イ長調 K.331 「トルコ行進曲付き」 Piano Sonata No.11 in A major K.331 |
「ああ、お母さん、あなたに申しましょう」による12の変奏曲 K.265 (きらきら星変奏曲) 12 Variations on ‘Ah, vous dirai-je,maman’ K.265 |
ピアノ・ソナタ 第8番 イ短調 K.310 Piano Sonata No.8 in a minor K.310 |
グルックの歌劇「メッカの巡礼」による10の変奏曲 ト長調 K.455 10 Variations in G major on Gluck's ‘Unser dummer Pobel meint’ K.455 |
グラスハーモニカのためのアダージョ ハ長調 K.356 Adagio in C major K.356 |
アダージョ ロ短調 K.540 Adagio in b minor K.540 |
ドゥシェク :
Dussek :
マリー・アントワネットの悲劇 op.23 The Suffering of the Queen of France |
ゲリネク :
Gelinek :
モーツァルトの歌劇「魔笛」より “恋人か女房か” の主題による6つの変奏曲 6 Variations on “Ein Mädchen oder Weibchen” from Mozart's ‘Die Zauberflöte’ |
プロフィール
平井千絵(フォルテピアノ) Chie Hirai, fortepiano
桐朋学園大学ピアノ科卒業後、オランダ政府奨学生、文化庁在外研修員としてオランダ王立音楽院古楽科スタンリー・ホッホランド門下で学ぶ。2002年、修士課程を栄誉賞付き首席で卒業。その年の最も優れた卒業生に贈られるニコライ賞を受賞。在学中に、師の代役として務めたリサイタルがきっかけで、欧州での演奏活動を開始。オルフェオ・バロック・オーケストラ、セルクル・ドゥ・ラルモニーのソリストとして欧州ツアーに参加。「透明で軽やかな真珠のような演奏は、彼女の音楽的直感と衒いのない名人芸を伝えた。」(Wiener Zeitung)など各国のメディアで絶賛された。ユトレヒト古楽祭、バルセロナ音楽祭、カリンシアの夏音楽祭(オーストリア)、ブルメンタール音楽祭(イスラエル)などオランダを拠点に、10カ国以上の主要な音楽祭に招かれ、各国の音楽祭に出演。ラジオ・フランス、オーストリア国営放送、オランダAvroなどメディア出演多数。CD録音は、チェロの鈴木秀美氏との『メンデルスゾーン作品集(06年文化庁芸術祭優秀賞受賞)』『ショパン作品集』(以上ソニー=BMG)、ショパンとグリンカの作品集『1840』(アクースティカ)など国内外で15枚をリリース。現在、モーツァルトのピアノ・ソナタ全曲録音『Mozart Speaks』(フォンテック)が進行中であり、第一集、第三集、第四集はレコード芸術誌特選盤に、第二集は準特選盤に選ばれた。19年秋、時代を超えたレパートリーでフォルテピアノの新しい可能性を提示したアルバム『Dream』に、6つ目のレコード芸術誌特選が与えられた。アムステルダム音楽院や母校であるハーグ王立音楽院で審査員・伴奏員を12年帰国まで勤めたほか、帰国後もティンスカ・スコレ(チェコ)やフォンティス大学(オランダ)など、マスタークラスやコンサートに招聘されている。18年にはGeelvinckフォルテピアノフェスティバル(オランダ)にソリストとして招かれたほか、Geelvinck国際シンポジウムにて、シューベルトと民俗性についてのレクチャーコンサートを行う。第5回かながわ学生音楽コンクール ピアノ部門総合第1位。第7回園田高弘賞ピアノコンクール準園田高弘賞ならびに奨励賞。神奈川フィルハーモニー管弦楽団、九州交響楽団と共演。01年、第38回ブルージュ国際古楽コンクールフォルテピアノ部門第3位。03年、IYAP国際コンクール(ベルギー)第1位。04年、ファン・ヴァッセナール国際コンクール(オランダ)第3位。東海大学音楽学課程講師。日本セヴラック協会会員。
使用楽器 2004年 ヘラート・タウンマン製作のフォルテピアノ
アントン・ワルター製作(1790年頃ウィーン)のフォルテピアノのコピーモデル
61鍵 5オクターヴ FFからf3
Fortepiano after Anton Walter ca.1790
Gerard Tuinman Utrecht 2004
後援:一般社団法人 全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)