渡辺玲子 プロデュース レクチャーコンサート vol.7

知る、聴く、喜び ~時代を彩る名曲とともに~
アメリカを愛した音楽家たち ~ヴァイオリンとピアノのためのショウピース~

全席指定:4,000円(税込)
渡辺玲子 プロデュース レクチャーコンサート vol.7
渡辺玲子©Yuji Hori

知的好奇心を刺激する、体が “知る、聴く、喜ぶ” 新体験!世界的ヴァイオリニスト渡辺玲子によるレクチャーコンサート。楽譜に記された音符、音型、調性―その背景には、作曲家が意図した隠されたメッセージがあるはず ?! 一見難しいと感じるようなクラシックの名曲の数々を、ピアニスト江口玲とともに紐解いていきます。
今回はアメリカで活躍した音楽家たちの華やかな作品にスポットを当て、ヴァイオリンとピアノのための有名なショウピースを取り上げます。20世紀前半の世界大戦の最中、ヨーロッパの音楽家たちは自由を求めアメリカに亡命、新たな地で刺激を受けながら新たな手法により見出された音楽があり、また様々な犠牲のもと生活のために映画音楽に活躍の場を移した作曲家も現れました。本公演では、ストラヴィンスキー「ヴァイオリンとピアノのための協奏的二重奏曲」、クライスラー「ウィーン奇想曲」、コルンゴルトの組曲「空騒ぎ」などを披露し、アメリカに縁のある音楽家たちの創作背景を探るとともに、その作品の魅力に迫ります。
演奏活動だけでなく、国際教養大学特任教授として、音楽専攻ではない学生も対象に英語による集中講義を行うなど、独自な活動も注目されている渡辺の説得力あるトークが毎回好評!ピアノのヴィルトゥオーゾ江口による聴きごたえある演奏とともにお楽しみください。

出演

渡辺玲子(ヴァイオリン) 江口玲(ピアノ)

プログラム

ストラヴィンスキー:ヴァイオリンとピアノのための協奏的二重奏曲
Stravinsky : Duo concertant for Violin and Piano

プロコフィエフ(ハイフェッツ編):組曲「3つのオレンジへの恋」 op.33bis より 第3曲 マーチ
Prokofiev (arr.Heifetz) : No.3 March from ‘The Love for Three Oranges Suite’ op.33bis

バルトーク:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ BB 124 より 第4楽章 プレスト
Bartók : The 4th Movement Presto from Sonata for Solo Violin BB 124

ラフマニノフ:「幻想的小品集」より 第5曲 変ロ短調 セレナード op.3-5 (1940年改訂)
Rachmaninov : No.5 in b♭ minor Sérénade from ‘Morceaux de fantaisie’ op.3-5 (revised 1940)

クライスラー:ウィーン奇想曲 op.2
Kreisler : Caprice viennois op.2

クライスラー:ジプシーの女
Kreisler : La Gitana

クライスラー:美しきロスマリン
Kreisler : Schön Rosmarin

ガーシュウィン(ハイフェッツ編):「3つの前奏曲」より 第2番 嬰ハ短調
Gershwin (arr.Heifetz) : No. 2 in c# minor from ‘3 Preludes’ 

ラヴェル:ツィガーヌ
Ravel : Tzigane

コルンゴルト:組曲「空騒ぎ」 op.11 より
Korngold : from “Much Ado about Nothing” op.11
  “花嫁の部屋の乙女”  “Mädchen im Brautgemach”
  “ドグベリーとヴァージェス (夜警の行進)”  “Holzapfel und Schlehwein (Marsch der Wache)”
  “庭園の場”  “Gartenmusik”
  “仮面舞踏会 (ホーンパイプ)”  “Mummenschanz (Hornpipe)”

ワックスマン:カルメン幻想曲
Waxman : Carmen Fantasie

プロフィール

渡辺玲子(ヴァイオリン) Reiko Watanabe, violin

超絶的なテクニック、玲瓏で知的な音楽性、切れ味鋭い官能性と幅広いレパートリーで、世界のヴァイオリン界をリードする逸材。1984年ヴィオッティ、86年パガニーニ両国際コンクールで最高位を受賞。これまでに国内主要オーケストラはもとより、ワシントン・ナショナル響、ロサンゼルス・フィル、フィルハーモニア管、BBC響、ウィーン・トーンキュンストラー管、ロシア・ナショナル管などと共演して国際的に活躍。とりわけ、シノーポリ指揮ドレスデン・シュターツカペレ、サンクトペテルブルク響との共演はCDもリリースされ、大好評を博した。リサイタルでは、99年にリンカーン・センターにおいてニューヨーク・デビューを果たし、その後もラヴィニア音楽祭、イタリアのストレーサ音楽祭等に出演。近年は、バレエとのコラボレーションや現代作品の初演などの幅広い演奏活動のみならず、国際教養大学特任教授として英語による集中講義を行うほか、「子どもたちのためのレクチャー・コンサート」、ラジオ番組「渡辺玲子の弓語り」のパーソナリティーを務めるなど、教育活動や音楽の魅力を広く伝える活動にも取り組んでいる。CDは上記の協奏曲の他にも数多くリリース、いずれも高く評価されている。最新CDは“poetry”。05年エクソン・モービル音楽賞奨励賞、18年には世界で活躍する女性に与えられる「リコグニション・アウォ―ド2018」を受賞。

渡辺玲子
© Yuji Hori

江口玲(ピアノ) Akira Eguchi, piano

「非凡なる芸術性、円熟、知性」(ニューヨーク・タイムズ紙)と評される江口 玲はソリスト、室内楽奏者、チェンバロ奏者として世界中の聴衆と批評家たちを魅了してきた。ニューヨーク・タイムズ紙からは「流暢かつ清廉なるピアニスト」と賞賛され、これまでにカーネギーホール、92丁目のYMHA、ワシントンDCのケネディーセンター、ウィーンのムジークフェライン、ロンドンのバービカンセンター、パリのシャンゼリゼ劇場等でも演奏している。その抜きんでた演奏は、ホワイトハウスにて故アイザック・スターン氏によりクリントン元大統領に紹介され、また東京の浜離宮朝日ホールでの演奏会には天皇皇后両陛下(現:上皇上皇后両陛下)もご臨席された。アメリカ、アジア、ヨーロッパ諸国等、今まで演奏で訪れた国は25カ国に及ぶ。室内楽の分野でも、ギル・シャハム、ジャック・ズーン、渡辺玲子、竹澤恭子、アン・アキコ・マイヤース等、数多くのヴァイオリニスト達から絶大なる信頼を得て、共演を重ねている。レコーディングにおける活躍も目覚ましく、ドイツグラモフォン、フィリップス、DENON、IDVC、マーキークラシックス、ビクター、ヴァンガード、BMG、佼成出版、NYSクラシックス等から30枚以上のCDをリリース。最新作は川口成彦との共演で、ショパンの音楽の変遷を描いた作品「Chopin×Chopin」(NYSクラシックス/2020年10月発売)。レコード芸術2020年12月号で特選盤に選出された。東京に生まれ、東京藝術大学附属音楽高校を経て東京藝術大学音楽学部作曲科を卒業、その後同校にて助手を務めた後、ジュリアード音楽院のピアノ科大学院修士課程、及びプロフェッショナルスタディーを修了。ピアノをハーバート ステッシン、外山準、金沢明子、伴奏法を故サミュエル サンダース、作曲を佐藤眞、北村昭、物部一郎の各氏に師事。2011年5月までニューヨーク市立大学ブルックリン校にて教鞭を執る。洗足学園音楽大学大学院の客員教授、東京藝術大学ピアノ科教授。現在もニューヨークと日本を行き来して演奏活動を行っている。

江口玲
© 小林邦寿