渡辺玲子 プロデュース レクチャーコンサート vol.8
知る、聴く、喜び ~時代を彩る名曲とともに~
パガニーニ、そしてシューマン
知的好奇心を刺激する、体が “知る、聴く、喜ぶ” 新体験!世界的ヴァイオリニスト渡辺玲子によるレクチャーコンサート。楽譜に記された音符、音型、調性―その背景には、作曲家が意図した隠されたメッセージがあるはず ?! 一見難しいと感じるようなクラシックの名曲の数々を、ピアニスト江口玲とともに演奏家の視点から紐解いていきます。
今回は「ヴァイオリンの鬼神」といわれ、独自のヴァイオリン奏法を多彩に生み出したパガニーニと、パガニーニの演奏に影響を受けたシューマンにスポットを当てます。N.パガニーニの「24のカプリース」、R.シューマンの「幻想曲」などを取り上げ、パガニーニの魅力に迫るとともに、彼に感化されたシューマンの曲想を探ります。また江口のソロでR.シューマンの「パガニーニのカプリースによる6つの練習曲」抜粋と、F.リストの「ラ・カンパネラ」も披露。
演奏活動だけでなく、国際教養大学特任教授として、音楽専攻ではない学生も対象に英語による集中講義を行うなど、独自な活動も注目されている渡辺の説得力あるトークが毎回好評!ピアノのヴィルトゥオーゾ江口による聴きごたえある演奏とともにお楽しみください。
出演
渡辺玲子(ヴァイオリン) 江口玲(ピアノ)
プログラム
N.パガニーニ:カンタービレ ニ長調 op.17
N.Paganini : Cantabile in D major op.17
N.パガニーニ(R.シューマン編):「24のカプリース」 op.1 より
N.Paganini (arr. R.Schumann) : from ‘24 Caprices’
第3番 ホ短調 No.3 in e minor
第6番 ト短調 No.6 in g minor
第9番 ホ長調 No.9 in E major
第17番 変ホ長調 No.17 in E♭ major
第21番 イ長調 No.21 in A major
R.シューマン:「パガニーニのカプリースによる6つの練習曲」 op.3 より <ピアノ・ソロ>
R.Schumann : from ‘6 Etudes pour le pianoforte d'après les caprices de Paganini’ op.3
F.リスト:「パガニーニによる超絶技巧練習曲集」 S.140/R3a より 第3番 変イ短調 “ラ・カンパネラ” <ピアノ・ソロ>
F.Liszt : No.3 in a♭ minor “La campanella” from ‘Études d'exécution transcendante d'après Paganini’ S.140/R3a
N.パガニーニ(F.クライスラー編):ヴァイオリン協奏曲第1番 ニ長調 op.6 より 第1楽章
N.Paganini (arr. F. Kreisler) : The 1st Movement from Violin Concerto No. 1 in D major op.6
R.シューマン:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 イ短調 op.105
R.Schumann : Sonata for Violin and Piano No.1 in a minor op.105
R.シューマン:幻想曲 ハ長調 op.131
R.Schumann : Fantasy in C major op.131
プロフィール
渡辺玲子(ヴァイオリン) Reiko Watanabe, violin
超絶的なテクニック、玲瓏で知的な音楽性、切れ味鋭い官能性と幅広いレパートリーで、世界のヴァイオリン界をリードする逸材。1984年ヴィオッティ、86年パガニーニ両国際コンクールで最高位を受賞。これまでに国内主要オーケストラはもとより、ワシントン・ナショナル響、ロサンゼルス・フィル、フィルハーモニア管、BBC響、ウィーン・トーンキュンストラー管、ロシア・ナショナル管などと共演して国際的に活躍。とりわけ、シノーポリ指揮ドレスデン・シュターツカペレ、サンクトペテルブルク響との共演はCDもリリースされ、大好評を博した。リサイタルでは、99年にリンカーン・センターにおいてニューヨーク・デビューを果たし、その後もラヴィニア音楽祭、イタリアのストレーサ音楽祭等に出演。近年は、バレエとのコラボレーションや現代作品の初演などの幅広い演奏活動のみならず、国際教養大学特任教授として英語による集中講義を行うほか、「子どもたちのためのレクチャー・コンサート」、ラジオ番組「渡辺玲子の弓語り」のパーソナリティーを務めるなど、教育活動や音楽の魅力を広く伝える活動にも取り組んでいる。CDは上記の協奏曲の他にも数多くリリース、いずれも高く評価されている。最新CDは“poetry”。05年エクソン・モービル音楽賞奨励賞、18年には世界で活躍する女性に与えられる「リコグニション・アウォ―ド2018」を受賞。
江口玲(ピアノ) Akira Eguchi, piano
東京藝大附属音楽高校を経て東京藝術大学音楽学部作曲科を卒業、その後ジュリアード音楽院のピアノ科大学院修士課程、及びプロフェッショナルスタディーを修了。1992年に大成功を収めたアリスタリーホールでのニューヨークリサイタルデビュー以来、アメリカ、ヨーロッパ、アジアでの主要演奏会場にて演奏を続けてきた。ニューヨークタイムズ紙からは「非凡なる芸術性、円熟、知性」「流暢かつ清廉なるピアニスト」と賞賛されている。作曲・編曲者としても実力を備えた大胆な解釈と表現技法でリサイタルや協奏曲など国内外を問わず活躍を続けるほか、ギル・シャハム、竹澤恭子、渡辺玲子、アン・アキコ・マイヤース等数多くのヴァイオリニストたちから絶大な信頼を得ている。レコーディングはドイツグラモフォン、フィリップスやNYS クラシックスより多数のアルバムをリリース。最新作はラフマニノフの神髄を描きだした「ラフマニノフⅡ」(NYSクラシックス)。2011年5月までニューヨーク市立大学ブルックリン校にて教鞭を執る。現在もニューヨークと日本を行き来して演奏活動を行っているほか、洗足学園音楽大学大学院客員教授、東京藝術大学ピアノ科教授を務める。