Mostly Fujikura (モーストリー フジクラ) @Hakuju Hall
2003年10月に開館したHakuju Hallは、今年20周年を迎えます。開館10周年記念として「アート×アート×アート 世界を席巻する藤倉大パラダイス」、15周年記念には「作曲家 藤倉大 個展」と、Hakuju Hallでは節目のお祝いに作曲家藤倉大の作品を取り上げてきました。今回、20周年記念には「Mostly Fujikura(モーストリー フジクラ)@Hakuju Hall」と題し、藤倉作品を中心に邦楽の世界を存分にお楽しみいただきます。
尺八の可能性を求めさまざまな音楽を追究 、2022年フランス国立ブルターニュ管弦楽団委嘱・藤倉大作曲「尺八協奏曲」(2023年2月、第70回尾高賞を受賞)の初演を果たした尺八の藤原道山。2019年、ニューヨーク リンカーン・センターの音楽祭”モーストリー モーツァルト”にて藤倉大作曲「三味線協奏曲」を世界初演し、2020年大野和士指揮・東京都交響楽団の演奏で日本初演を果たした三味線の本條秀慈郎。伝統を受け継ぎながら箏の新たな魅力を追求する若き実力者として注目され、2021年には鈴木優人指揮・読売日本交響楽団との共演で、藤倉大委嘱新作「箏協奏曲」の世界初演を果たした箏のLEO、3名が登場いたします。
藤倉大作品に加え、その他にも邦楽器の魅力溢れるプログラムを予定。晴れやかな祝いの宴にどうぞご期待ください。
出演
藤原道山(尺八)
本條秀慈郎(三味線)
LEO(箏)
藤倉大(作曲) ※リモート出演を予定
プログラム
藤倉大:ころころ~尺八のための (2015) 〈藤原道山〉
Dai Fujikura : Korokoro for shakuhachi
藤倉大:Sparkler~三味線のための (2020/2021/世界初演) 〈本條秀慈郎〉
Dai Fujikura : Sparkler for shamisen (World premiere)
藤倉大:もみじ~尺八と箏のための (2022) 〈藤原道山・LEO〉
Dai Fujikura : momiji for shakuhachi and koto
藤倉大:Cutting Sky~三味線と箏のための (2021) 〈本條秀慈郎・LEO〉
Dai Fujikura : Cutting Sky for shamisen and koto
藤倉大:ざざざ~尺八と三味線のための (2023/世界初演) 〈藤原道山・本條秀慈郎〉
Dai Fujikura : Za za za for shakuhachi and shamisen (World premiere)
藤倉大:竜~箏のための (2019) 〈LEO〉
Dai Fujikura : Ryu for koto
坂本龍一:大航海 Verso lo schermo 〈藤原道山・本條秀慈郎・LEO〉
Ryuichi Sakamoto : Daikoukai-Verso lo schermo
高田新司:月の舟 Ⅲ (2023/世界初演) 〈藤原道山・本條秀慈郎・LEO〉
Shinji Takada : Boat of the Moon Ⅲ (World premiere)
プロフィール
藤原道山(尺八) Dozan Fujiwara, shakuhachi
10歳より尺八を始め、初代山本邦山(人間国宝)に師事。東京藝術大学音楽学部邦楽科卒業、同大学院音楽研究科修了。在学中、皇居内桃華楽堂において御前演奏(宮内庁主催)。安宅賞、江戸川区文化功績賞、松尾芸能賞新人賞、アルバム「季〜冬〜」が文化庁芸術祭優秀賞、KOBUDO-古武道-として台湾・金曲奨(Golden Melody Awards)「最優秀編曲賞」、令和2年度(第71回)芸術選奨 文部科学大臣賞、第五回服部真二音楽賞を受賞。これまでにCD、映像作品等多数発表。2020年にデビュー20周年記念アルバム「雙-SO-」をリリース。伝統音楽の活動と共に、国内外のアーティストとの共演など尺八の可能性を求め様々な音楽を追究。吉永小百合氏の朗読アルバム「第二楽章 福島への思い」音楽監修、マリンバ奏者SINSKEとのデュオ、妹尾武(ピアノ)、古川展生(チェロ)との「KOBUDO-古武道-」、尺八アンサンブル「風雅竹韻」などのユニット活動、松竹映画「武士の一分」にゲスト・ミュージシャンとして参加したほか、「敦」「マクベス」(野村萬斎主演演出)、「ろくでなし啄木」(三谷幸喜演出)、「春の雪」「九十歳。何がめでたい」(石井ふく子演出)、スーパー歌舞伎II「ワンピース」「新版オグリ」(四代目市川猿之助演出・主演)などの舞台音楽を手がける。2022年、フランス国立ブルターニュ管弦楽団と藤倉大作曲「尺八協奏曲」を初演。第64回熊本県芸術文化祭スペシャルステージ「ONE PIECE×人形浄瑠璃 清和文楽」の総合演出・音楽監修を担当。NHK「にほんごであそぼ」にレギュラー出演、邦楽ジャーナルにて連載など多岐な活動を展開中。小学校及び中学校音楽教科書 (教育芸術社)の執筆・編集、出演や後進の育成など普及・教育活動にも力を注ぐ。現在、公益財団法人都山流尺八楽会所属・大師範。都山流道山会主宰。日本三曲協会会員。東京藝術大学音楽学部准教授。
公式ホームページ:https://dozan.jp/
本條秀慈郎(三味線) Honjoh Hidejiro, shamisen
演出家蜷川幸雄に"その演奏は深い感動を呼び起こす"と絶賛された。本條秀太郎に古典・現代音楽を師事。桐朋学園短期大学部卒、同専攻科そして研究生を修了。三味線を杵屋勝芳壽に師事。津軽三味線を長谷川裕翔に師事。2016年アジアン・カルチュラル・カウンシル中村錦平フェロー受給によりアメリカはニューヨークに滞在。
2009年より現在まで作曲家への委嘱する活動からリサイタルを開催し三味線のレパートリーを拡大。
15年三味線演奏家としてはじめて東京オペラシティ文化財“B→C“に出演する。17年度文化庁文化交流使として2018年に各国30公演、国内外委嘱作品など21の新作を初演する。ニューヨークタイムスにとりあげられる等国際的に活動を開始。19年にはロンドンウィグモアホールでリサイタル、BBCラジオ3に出演。藤倉大作曲「三味線協奏曲」をニューヨークリンカーンセンターの音楽祭モーストリーモーツァルトにて世界初演が成功、現在6回の再演を重ねている。19〜20年坂本龍一とdtv配信など三度共演、坂本への委嘱曲「honj Ⅱ.Ⅲ」が実現。 22年にはサントリー芸術財団“CMG“に日本の楽器として初登場。ジョン・ケージらが務めたアメリカU.C DAVISのアーティスト・イン・レジデンスに選出。一柳慧作曲「ヴァイオリンと三味線の二重協奏曲」を世界初演し、その公演は第77回文化庁芸術祭大賞を受賞。
指揮者秋山和慶、井上道義、大野和士、鈴木優人、Sylvain Cambreling 、Roberto FORÉS VESES 、Vimbayi Kaziboniら指揮者のもと東京シティフィル、日本フィル、アンサンブル金沢、クラスノヤルスク室内オケ、バルティックネオポリス管、クリスティアンサン響、東京都響、東フィル、新日本フィル、名フィルなどオーケストラやノマド、アヴァンティ、アンテルコンタンポランソロイスツ、モデルン、ICE、AAE、LCCE、Empyreanなどアンサンブルと共演(すべて共演順)。室内楽では二代野坂操壽、カリ・クリーク、クレア・チェイス、古澤巌と共演。ダンスの平山素子や大前光一、デザイナーのLeroy New、ドローイングの鈴木ヒラクと共同し創作作品も展開。現在ジャンルを超えたその活動に各方面の注目を集めている。高橋悠治作品による連続リサイタルにて第72回芸術選奨文部科学大臣新人賞。第70回文化庁芸術祭新人賞、第25回出光音楽賞、第27回京都青山音楽賞青山賞、第12回宇都宮エスペール賞、第12回創造する伝統賞など受賞。
NHK教育「日本の芸能」TV朝日「題名のない音楽会」等出演。
LEO(箏) LEO, Koto
1998 年横浜生まれ。本名・今野玲央。横浜インターナショナルスクールの音楽の授業で9 歳より箏を始める。音楽教師であり箏曲家のカーティス・パターソン氏の指導を受け、のちに箏曲家 沢井一恵氏に師事。14歳で全国小中学生箏曲コンクールにてグランプリ受賞。16 歳でくまもと全国邦楽コンクール史上最年少 最優秀賞・文部科学大臣賞受賞。一躍脚光を浴び、2017年19 歳でメジャーデビュー。同年、東京藝術大学に入学。MBS「情熱大陸」、テレビ朝日「題名のない音楽会」「徹子の部屋」、NHK ワールドプレミア「世界へ届け 日本の伝統芸能」、NHK E テレ「にっぽんの芸能」、など多くのメディアに出演。ヴァイオリニスト五嶋みどり創設MIDORI & FRIENDS 主催ニューヨークツアー開催。セバスティアン・ヴァイグレ、井上道義、秋山和慶、沖澤のどかをはじめとした指揮者や、読売日本交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、京都市交響楽団、神奈川フィルハーモニー管弦楽団と共演しソリストを務める。2021年、藤倉大委嘱新作の箏協奏曲を鈴木優人指揮・読売日本交響楽団との共演で世界初演。2022年、箏奏者として初めてブルーノート東京でライブを開催。また、同年SUMMER SONICに異例の出演を果たしたことでも話題を集めた。出光音楽賞、神奈川文化賞未来賞受賞。伝統を受け継ぎながら、箏の新たな魅力を追求する若き実力者として注目と期待が寄せられている。
藤倉大 (作曲) Dai Fujikura, composer
大阪生まれ。15歳で単身渡英しベンジャミンらに師事。数々の作曲賞を受賞、国際的な委嘱を手掛ける。15年にシャンゼリゼ劇場、ローザンヌ歌劇場、リール歌劇場の共同委嘱によるオペラ《ソラリス》を世界初演。19年に尾高賞、文化庁芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。20年にオペラ《アルマゲドンの夢》を新国立劇場で世界初演。数々の音楽誌において、その年のオペラ上演におけるベストに選出された。近年の活動は多岐に渡り、リモート演奏のための作品の発表や、テレビ番組の作曲依頼も多数。録音はソニー・ミュージックジャパンインターナショナルや自身が主宰するMinabel Recordsから、楽譜はリコルディ・ベルリンから出版されている。
公式ホームページ:https://www.daifujikura.com/