アーティストインタビュー

3人の持ち味を活かしたステージに

米良美一
映画「もののけ姫」の主題歌を歌い、そのたぐいまれな美声で幅広い世代から支持され続けている米良美一さん。
10月19日、Hakuju Hall 20周年記念企画「カウンターテナーの饗宴」の出演にあたり、ステージへの想いについてうかがいました。

お陰様でハクジュホールは開館20周年を迎えることができました。米良さんとはその間、ご一緒する機会が多く、本当にご縁が深いなと思っています。

米良

本当ですね。いろいろな企画にお声がけいただき、ありがとうございます。開館当初からいろいろな企画に出演させていただき、また、ハクジュホールでレコーディングをさせていただくなど、ヘビーユーザーさせていただいています(笑)。

開館15周年記念ガラ・コンサートのときもご出演いただき、米良さんのお話が面白くて、盛り上がったことを覚えています。

米良

今後は盛り上がりすぎて、時間オーバーしないように気をつけます(笑)。それにしても今こうして、一流のクラシック音楽家の方たちと仲良くできているのは、ハクジュさんが取り持つご縁によるものがとても大きいですよ。

今回は、ハクジュホールにゆかりのある米良さん、藤木大地さん、村松稔之さんという豪華カウンターテナーの3人と、多才な才能で活躍中のピアニスト加藤昌則さんによる共演ですが、この企画に対してどんな想いを持たれていますか?

米良

困難も多い時代のなか、私のことを思い浮かべて、お仕事をいただけるだけで、ありがたい想いでいっぱいです。藤木さんとは、以前コンサートでご一緒させていただきましたが、素晴らしいカウンターテナーでいらっしゃいますし、村松さんとは面識はありませんが、YouTubeで「もののけ姫」を歌ってくださったりして、そうした素敵な方々と、またハクジュホールがご縁で共演させていただけることも、ありがたく思います。お二人とも端正ですよね。若くて、歌声も音楽性も素晴らしくて。私が一番アクが強いかもしれませんが(笑)、それも、それぞれの持ち味の良さだと思うので、違いを楽しみたいと思います。  また、海外では1990年代半ばに3大テノールが一世風靡したことがありましたが、今回日本で3大カウンターテナーとして共演させていただくというのは初めてなので、嬉しいです。

選曲に「もののけ姫」と「ヨイトマケの唄」という十八番を入れていただき、お客さんも喜ばれると思います。

米良

やっぱりね、皆さん期待されていらっしゃると思うので、十八番を歌わせていただきます。

ご病気を経験なさって、何か変わりましたか?

米良

8年前にくも膜下出血を起こし、危うく命を落としかねたことがきっかけで、まずは生活から見直してみました。例えば苦手だった早寝早起きをするようになってからは、体内時計も正しいサイクルになっているように感じます。
また、私の場合は、3万人に一人の骨の難病を持って生まれてきたため、体が小さく、成長障害や骨折の多発性が見られたり、節足障害で左足は前十字靭帯が切れてしまい装具をつけていますが、それでもコンサートを続けることができているのは、リハビリテーションのおかげです。病気とつきあいながら、医療従事者の先生方の親切な指導に感謝して、健康にいいと言われるものは、率先して取り入れています。
お陰様で、ヘルストロンが家にあって、長くお付き合いさせていただいています。最近は父や母も病気がちということもあり、親子で毎日座っていますよ(笑)。

ご家族でヘルストロンを使っていただけて、良かったです。当日は3大カウンターテナーのステージを楽しみにしています。

私の健康の秘訣

(本文にも書いたように)くも膜下出血になって生活習慣を改めざる得なくなり、お酒はスパッとやめました。あと人の意見に耳を傾けるようになりました(笑)。元来頑固なんですが、頑固な人は体が硬くなると聞いて、素直にならないといけないなと。子どものように「ごめんなさい」が言える大人になることを心掛けています。というのも、体は外側からのケアと内側からの気づきの両方あって変化を生むことができるかもしれない、って思うからです。年を重ねていけば不具合もたくさん出てくると思いますが、マイナスを増やさないことで、いい方向に切り替えていくことができたらいいな、と思っています。

※株式会社白寿生科学研究所ユーザー情報誌「ヘルシーメイツ」2023年夏号から転載